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魔剣使いの転生者  作者: aaaa
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第5話「猫耳の美少女天使」

やっとヒロインの登場です。お待たせしました。

8歳になり、俺は一週間一人旅する事になった。


「じゃあ、行ってきます。」


「お弁当は持ちましたか!?ハンカチは!?水筒は持ったし…あぁ!心配ですぅ!!」


「落ち着けマーリン。トーチも立派な男の子なんだ」


「リザさんだって昨日からそわそわしていたじゃないですか〜!」


「う、うるさい!忘れろ!…ゴ、ゴホン。トーチ。これを持って行きなさい。」


待たされたのは球型の水晶だった。


「この水晶は魔素が長年固まって、出来たものだ。だから魔力が入りやすいし、効果を増幅させられる。魔道具の材料として用いられやすい。」


「これはどうやって使うの?」


「水晶に魔力を込めると、もう一方の水晶へ繋がる。」


「ケータイみたいなものか。」


「「けーたい?」」


「あ、ありがとう!いってきます!!」


「「いってらっしゃい」」


そうして俺は体全体に魔力を纏わせ、風を起こす。


新しく浮遊魔法を覚え、転移魔法もあるので、かなり遠くに行ってもすぐ帰れる。


一気に上昇したが、風が体を襲う。


(防護魔法かけるの忘れてた!)


急停止し、服装を整えて新たな魔法を発動する。


魔力を全身へ送り、体の周りを覆い、圧縮する。

風が壁となる。

「ふぅ…やっと落ち着いて飛行できる。」


高度300m位を飛行する。


「何処に行こうかな〜王都あたりもいいよなー。」


マップを開き、行き先を決める。


「王都に行くか、12歳になったら王都の魔法学校に入学だし・・・はぁ、異世界でも学校かよ~」


いや待てよ…学校に行かないと精霊を使用する許可書が発行されないって言ってたし、精霊たんとキャッキャウフフライフを満喫するには仕方がないのか。魔法を習うんだしモチベも上がる!


そう自分に言い聞かす。


一気に速度を上げ森から離れ、山を越える。


「さてと…朝の鍛錬を始めるか。」


森の中に小さな泉を見つけたので降りる。


そうだ!


降下速度を一気に上げる。


「あばばばばばば」


落下地点に軽く上昇気流を起こすが、想像以上の風に風の防壁が崩れかける。


『ドゴーン!』


「きゃ~」


泉に着地したとは思えない音を起こし泉の水が滝のように落ちてくる。


悲鳴が聞こえた。まずい!人が居たか!?


「ごめんなさい!怪我はありませんか!?」


急いで浮上すると、そこには何も纏っていない、生まれたままの姿の猫耳少女がいた。


白髪のたれ目でおっとりした雰囲気を漂わせ、少し涙目になっている。俺の目は顔、胸、見てはいけない場所、そして顔に戻り釘付けになる。


しばらく見つめあっていると、猫耳少女は何事もなかったかのように泉から出て全身を激しく振った。呆気にとられて、ボーとしていると、腕輪が赤く点滅し、警報を鳴らす。


音を出しているのはリぜから貰った『危険察知の腕輪』だ。効果は、着用者と周囲にいる人間に、害意のある視線、または魔力を感知すると警報を鳴らしてくれる魔道具で、商人の間ではとても重宝されている魔道具だが、作成できる者が少ないのと、コストがかかりすぎる事が難点でとても高価な物だと教えられている。


「とりあえずこれを着て体を隠してくださいいいいい~!」


「ありがと…」


警報の音で意識を戻した俺は手を目に当て、顔を真っ赤にしながら着ているコートを猫耳少女に投げる。一応『防水』が付与されているコートなので、濡れてはいないはずだ。


「魔物が近づいているかもしれないから、俺の後ろに隠れてて。」


とりあえず、自分たちの周りに土魔法で小山を作る。


『グルルル』


角の生えた虎のような魔物が現れる。


「大丈夫…?」


「うん、大丈夫。俺から離れないでね。あと、前のボタンとめてほし…『分かった。』はぁ…」


前を隠していない少女を見ないように、虎から目線を外さない。


『グルァア!』


虎が飛んでくるが、土魔法で煙を作り、目くらましをする。身体強化魔法で一気に駆け出し、短剣を長剣に変え頭蓋を割る。


ふぅ…虎の毛は高く売れるから後で王都にでも行って売りに行くか。


「怪我はない?」


「大丈夫…凄いね。一瞬だった。」


カノジョが微笑む。トーチは彼女の微笑んだ顔にノックアウトされてしまった。


「どうしたの?」


「いえっ!お怪我が無くとても安心しました!」


天使や…!天使がいる!


しかしその天使は前をまだ隠していない。


「あ、あの~前を隠してほしいんですが…」


「あっ…変態。」


へ、変態!?まずい…俺はこの天使の好感度を爆上げしなくては!!


「みっ!見てません!一回も見てません!!」


最初の出会いでバッチリ見てしまっているが、無かった事にする。


「まぁいい。ところで君はどこから来たの?」


そういいながら、少女は、岩の上にあった服を着始める。


俺は、後ろを向き、質問に答える。


「名前は、トーチ。ミールの森から来たんだ。」


「遠いね。」


着替え終わった少女が近づいてくる。


紫を基調とした服を着ている。てか着替えるの早いな!


「ところで、君の名前は?家は?」


「私には名前がない。家はこの森。」


「家の中でトラに襲われたんですが…」


「気にしたら負けだよ。」


いったい何に負けるのか。名前がないと不便だなぁ…


「私は、精霊。この森に住む。」


「え?精霊!?」


「そうだよ?」


精霊のマーリンから、精霊の事はいろいろ教えられた。


「魔精霊だし。」


ふぁ!?魔精霊!?


「君は、精霊が出している特別な魔素を感じられないの?」


「何それ、美味しいの?」


「君は不思議だね。このまま帰るの?」


「俺はこのまま王都に行って、さっき狩った虎の素材を売りに行くよ。」


なにやら、言いたそうにこちらを見てくる。


「連れてって。」


「いやぁ…」


「連れてって。」


魔精霊のような面倒事の塊を王都に連れていくと…


「連れて行かないなら脱ぐよ?」


「や、やめてくださいいいいい!!」




「で、どうやって王都まで行くおつもりで?」


一番気になる事を聞いた。


「トーチが抱っこするしかない。」


「精霊なら何かに変身するとかできないの?」


「抱っこしかできない人形なら。」


「せめて、おんぶにしてしてください…」


「分かった。おんぶで我慢する。」


俺は、虎と持ち物を収納し、護身用に短剣だけは足のレッグスホルダーにしまう。


「よし、出発するよ。」


少女が乗りやすい高さまで身を屈める。


「よいしょっと。」


まずい…柔らかい感触が背中に当たってるんですが!


「そ、それじゃあ、し、出発しますよ!」


「しゅっぱ~つ」


防護魔法展開、なるべく少女に強い防護魔法をかける。魔力調整の練習になるし。足に風を起こし、徐々に上昇していく。


「すごい…」


「飛行速度をだんだん早くしていくけど、振り落とされないようにね?」


「わかった。」


ぎゅ~・・・・


トーチは、背中から感じる柔らかい感触をなるべく気にしないように、魔力を強めていく。



20分程度飛んだ所で、王都が見えてきた。冷静さを少し失っていたため速度を上げすぎ、来る時よりも早くついてしまった。


「ここらへんで降りるか。」


王都まで飛行していくと、面倒事に巻き込まれそうなので、近場の森で降りることにする。


ふふふ、少し驚かしてやろうか・・・トーチは降下速度を一気に上げ、地面スレスレで急停止する。土埃がすごく舞う。


「トーチ。降りるのへたくそ。」


くそぉ!全然驚いてないじゃないか!しかもへたくそ言われたし。


「な、何事だ!」


着地時の衝撃音を見に来たのか、後ろのほうから、叫ぶ男の声が聞こえる。


「き、君たち!ここで何があったか分かるかね?」


兵士らしき人物が話しかけ来る。


ま、まずい。精霊とバレてしまうのでは?


(大丈夫。魔力を最小限にしているからバレない。)


脳内へ直接喋りかけて来た猫耳精霊は、ドヤ顔でこちらを向く。


その時、先頭の荷台から商人らしき人物が現れる。


「何事かい?おや?子供が森へ来たらダメだぞ?森は危ないから、私たちと一緒に王都へ帰ろう。」


正直魔力が少なくなってきてたので、ありがたく乗せてもらうことにする。


トーチ達は、先頭の荷台に乗せてもらった。客人として乗せてくれるらしい。一応タダで乗せてもらうのに抵抗があったため、護衛として働かせてほしいと言ったのだが、苦笑いで断られてしまった。


商人の人が質問をしてくる。


「私の名前は、ハギス・ノーム。こっちの護衛長はルビス・クライネだ。君たちはどこから来たんだい?名前は?」


「僕の名前はトーチ・ヴァフガーラ、ミールの森から来たんだ。この子は…」


「私は、トーチのお嫁さん。愛を囁きあった仲。」


ちょぉおおい!何言っちゃってるのこの精霊わぁ!ほら!ノームさんとクライネさんが微笑むように…ってあれ?


「ヴァフガーラ!?強欲の魔女、リゼと同じ…」


「リゼの事知ってるんだ?僕はリゼの弟子のような子供のような感じだよ。」


「う、嘘だろう?」


「いや?本当だけど?」


そう言って収納魔法を発動させ、中からなにやら紋章が書かれている宝石を取り出す。


リゼから、誰かに名を名乗るときヴァフガーラを名乗り、宝石を出せ。と言われているが、ここまで効果があるとは思わなかった。


「伝説のお方のお弟子さんかぁ…森にいたのも頷ける。今後は、ノーム商会をよろしくお願いします!」


「は、はぁ…」



色々騒ぎになったが、無事王都にたどり着いた。


ノームさんとクライネさんに送ってくれたお礼を言って、逆に恐縮されてしまった。その後、ご飯を食べに、行こうとすると、おいしい店を教えてくれた。


「トーチ。お腹が空いた。」


「精霊ってお腹が空くんだね。」


「ここ、魔素が少し濃いけど、お腹が満たされるほどではない…」


マーリンは普通にご飯を食べていたが、精霊は魔素を吸っていれば、空腹にならないらしい。


先に虎を売りに行こうとしたのだが、お腹が空いたと言っているので先にご飯にする事にした。



レストランのような店に着き、店内へ入る。


「いらっしゃいま…」


案内に来た店員さんの動きが止まる。店員さんは、俺の隣にいる精霊に釘付けになった。


「ごほんっ」


「ハッ、失礼しましたご案内いたします。」


席へ案内され、やっと落ち着けると思ったのだが、周りの視線が気になる。しかし、視線を集めているご本人はのほほーんとしている。


「落ち着けると思ったんだけどなぁ…」


呟きに近い感じで言う。しかし、精霊さんには聞こえていたようで、


「私が居ると邪魔…?ごめんなさい…ぐすっ」


だんだん涙目になってくる。ぐっ、周りの視線が痛い。


「いや!そんな事はないんだよ?でも周りの人の視線に物理的な何かがあったら射殺されそうだなぁーって…と、とりあえず注文しようか!す、すいませ~ん」


このお店のおすすめは、パスタらしい。海鮮物を多く使ったパスタらしく、看板メニューらしい。


さっさと、注文を済ませ、今後の事を話そうとすると


「トーチ。私と契約を結んでほしい。さっき飛んでいる時魔力を少し吸わせてもらったから…適性がある。」


だからあんなに疲れたのか…


「契約すると、どうなるの?」


「美少女が付いてくる。」


「…」


もう突っ込まないぞ。


ま、待て、トーチ。そもそも魔精霊というのは、国一個を潰せるほどの力を持っているんだぞ?もし契約したら、国や、世界が敵に回るかもしれない。そのリスクを考えるんだ。


「だ…め?」


彼女の泣くような声でそう言われた瞬間リスクとか敵とかどうでもよくなった。


「いえ、ぜひ契約させていただきます。いえっ!してくださいお願いします。」


ははっ…言っちゃったよ…後悔はしていない。天使以上にかわいいからね!


「お待たせしました~」


その時、料理が運ばれてきた。契約うんぬんは後々考えることにして、今は腹ごしらえだ。



美味しかった…代金はリゼから貰った宝石を見せたら、払えた。サインをねだられたが。


精霊契約には、教会へ行き、専用の魔道具と、契約者の血を飲む必要があるらしい。しかし、これは本契約の場合で、仮契約は魔道具だけで出来るらしい。その事を言ったらいきなり手を握られ、柔らかい…と思っていたら指に噛みつかれ、血を吸われた。


完全に油断をしてしまった…とりあえず噛まれた指に治癒魔法を掛けながら、重い足取りで、教会へ行く。

少しリアルが多忙で、遅れてしまいました。ですが、量は少し多くしてあるので…許してください。

次回、もう一人ヒロイン追加してフラグを建てて、ハーレムに挑戦してみようかな。

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