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魔剣使いの転生者  作者: aaaa
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第8話「あ~ん、そして誘拐」

すいません。遅れました。理由はあとがきに。

『ぐぅぅぅ~』


「うふふ、お腹空いてますよね。」


「お、お恥ずかしい」


昨日の『ハクと魔力キス事件』からマインドダウンの影響で1日寝込んでいたので昨日の朝から何も食べていない。しかし、朝からレインの目がキラキラしているように感じるのはなぜだろうか。


「ねぇレイン。今日の朝食は何?」


「本当は、豆を腐らせて、ねばねばさせる『納豆』と、言う、家の商会の限定メニュー何ですが、トーチ君はお腹が驚かないように、私がおかゆを作ってあげます!」


「こっちの世界にも納豆ってあるんだなー…」


「私は…納豆がいい…」


ハクは新たな食べ物に目を輝かせている。レインの手料理…ごくり…。


「レインは料理が得意なの?」


「はい!旅館で働くなら、料理が出来ないとダメだー!って言われたので、小さい頃から料理を始めました。今では、お客様に出せる位の腕前ですよ!」


「おお!それは楽しみだ。」


うぅ…まだ少しフラフラするな…魔力を全て使っちゃったから後半日位休まないと、調子が戻らないだろうなぁ。


トーチはマインドダウンによる気絶が多く、今ではどれ位で調子が戻るかどうかまで分かってしまう。


「トーチ…まだ気分が悪いの…?」


ハクが心配する。


「少しフラフラするだけだから、半日くらいで回復するよ。」


「良かった…」


階段を下り、1階の大広間へ着く。旅館『金狼』では、1階に大きな部屋があり、そこで毎朝宿泊客が集まり、朝食を食べにくる。


扉を開けると、全員俺に気が付き、シーンと静かになる。


あれ?俺何かしたかな?


「主役来たー!」「おはよー!」「昨日はすごかったぞ!」等々、


さっきの静けさが嘘だったかのような、声が大広間に広がる。


「坊主!やるじゃねーか!俺達のレインちゃんを守ってくれてありがとうな!」


「かっこよかったわぁ~」「誰も声に出せなかったのに…」


うぅ頭に響く…頭が痛くなってきた。


「み~な~さ~ん!トーチ君は病人です!!静かにしてください!!」


レインが一喝すると、「おっとそうだったな。」と、すぐに静かになる。


「さぁトーチ君。ご飯をお作りしますので、適当に座っててください。」


ルンルンっ♪っとスキップ気味に厨房へ入っていくレイン。おばあちゃん達は「青春ねぇ~」と言ったり、おじいちゃん達は「くそ~俺たちの天使が…」と、鋭い目でこちらを睨んでくるが、ハクが少し力を出すと、一斉に目を逸らし、口笛を吹いてごまかす。


「トーチ…昨日はごめんなさい…魔力を使わせちゃって…」


「いや、大丈夫だよ。」


「でも…」


「ハクの力が無かったらあの二人に勝てなかったかもしれないし、ハクが消えたら、俺はすごく悲しくなる。だから、昨日の事はあまり気にしないで。」


「…ん。」


昨日の蘇生行為(キス)を思い出したのか、少し頬を紅く染めている。


「結局あいつらどうなったんだろうな?」


「あの後…憲兵が来た。レイン達に何があったのか聞いてた…」


「あちゃ~少し騒ぎが大きくなっちゃったか。」


金狼の人達には迷惑をかけちゃったな…


「憲兵の人達がいろいろ調べている間に…ギルドの人達も来てた…」


「おっ、そこらへん気になるなるぅ♪」


「ギルドの人達が私たちに謝りたいらしい…朝ごはんを食べたらレインと一緒に行きたい…」


ふむふむ…ん?


「え?あいつらは?」


「知らない…いつの間にか消えてた…」


「捕まったって事?」


(キス)を見て逃げ出した…」


誰も気が付かなかったって事は、皆見ていたのか…は、恥ずかしい


「今は、ギルドが賞金を掛けて、捜索をしているらしいですよ。」


レインが、お盆を持って話に入ってくる。


「おお!待ってました!」


「『おかゆ』を作ってみたんですが…召し上がってください!」


「いただきま~す」


ハクはいつの間にか、納豆ご飯を食べている。


「じゃ、じゃあトーチ君…あ~んっ」


「レ、レインこれやっぱり恥ずかしいような…」


「早く食べてください!」


「あむっ…美味い!」


「良かったです!もう一口、あ~ん」


「あ~ん。もぐもぐ」


実はトーチは、魔剣の反動で、両手が痺れた感じになり、筋肉が引き攣った感じになっているため、物を食べる時や、細かい作業が出来ないようになっている。


「で、あいつら賞金掛かっちゃったの?」


「はい。なんでも常習犯だったみたいなんですが、ギルドへの貢献度もすごかったらしいです。今までは、見逃していたらしいんですが、目撃者が多かったので、何も無かった事には出来ないみたいですね。」


ほうほう…


「ちなみに賞金はいかほど?」


「青い髪の人は金貨3枚。赤い髪の人は金貨15枚らしいです。」


ふむふむ…


「もしかしてトーチ君…?」


「よし!捕まえに行こう!ハク。準備はいいか!」


「もぐ…いつでも…もぐもぐ…だいじょ…もぐっ…だから…おかわりください。」


「ハクは準備万端!レインは!?」


「ハクちゃん明らかに食べてる途中だよね?ね?」


「レインも準備万端!俺がまだなので、ご飯食べ終わって、一時間後だ!」


レインにあ~んしてもらい、おかゆを何とか食べ終わる。


「じゃあ一時間後!レインは、ジーナを誘って来てくれ!ノーム商会集合で!」


「お~…」


「トーチ君!?まずは病院です!両手を見てもらって直してもらいます!」


「え~…魔法つかるから、大丈夫だよ~…」


「大丈夫じゃないです!今すぐ準備してきてください!」


「あ、はい。分かりましたすみませんでした…」


「なんで謝るんですか…」


レインには頭が上がる気がしない。「少し恐かったかな…」とレインは小声で言っている。



レインと別れ、俺は自分の部屋に戻って歯を磨いて、顔を洗って着替える。


「ふぅ…で。なんでハクさんも俺の部屋に当然のように入ってくるのかな?」


「トーチ…その手じゃ着替えること出来ないんでしょ…?」


「ナンノコトカナ?」


「はぁ…まずはお風呂に入る…」


「ちょ!ハク!お風呂はさすがにまずいって!あぁあ!服が!ちょっ!本当にやめ

…アー!」


『ぽちゃん』


洗面台に一滴の水が滴り落ちる。


「ハク…ごめんなさい…まさかそんなに落ち込むなんて思ってなかった…」


服を破るように脱がされ、女の子なので、うまく抵抗が出来ず、されるがままに体を洗われた。前を洗おうとした時は流石に防衛した。


「ぐすっ…もういいです…ひっく…気にしてないので。」


「ト、トーチ?歯を磨くから…ね?」


「分かった…」


ハクが歯ブラシを持って、俺の座っているソファーの隣に座る。


「トーチ…横になって?」


どうやらハクさんは、膝枕をご所望らしい。


「では失礼して・・・」


「んっ…」


クッ、柔らかい…自然と目を閉じてしまう。


「はい…あ~ん…」


「あ~ん」


シャカシャカシャカ…


人に磨いてもらうと何だかくすぐったいな、目を開けると、ハクと目が合ってしまった。


「こっち見んな…」


「ウグッ・・・ひゅ…ひゅいまへん」


歯ブラシを奥に突っ込(危ないです。)まれる。



「はい…うがいして…」


「ぐちゅぐちゅ…」


「はい、ペッ…」


「ペッ」


「よくできました…いい子」


ハクが頭を撫でる。


なにこれ恥ずかしいんですけど…羞恥プレイですか…。この後、顔を洗い、着替えようとすると、脱がそうとしてくるハクに「これ以上はやりすぎだぁ!」と、扉を開け、風魔法で吹き飛ばす。


「ふぅ…着替えるか。」


収納魔法で、新しい服を出す。今回は、あいつらと、戦闘になる可能性があるため、動きやすい格好にしておく。風を起こし、日頃の鍛錬で無駄に器用に風を操れるようになったので、上手く袖に腕を通す。なぜか入っていた全身タイツを着ようと思ったのだが、流石にレイン達に怒られそうなので、やめておく。


「リザと、マーリンにはコートは絶対着なさいって言われていたな。」


実はこのコートには、『防水』以外にも、『耐性』や、『追跡』『耐熱』の効果があるのだが、トーチは防水の事しか知らない。『追跡』の効果は、お察しの通り、このコートが何処にあるかが分かるようになっている。


何とか着替え終わり、部屋を出ようとすると、ふと、窓から視線を感じた。ハクかと思い、どう叱ってやろうか考え振り返る。しかし、視線を送っていたのは、ハクではなく鳩だった。


普通の鳩じゃない。そう感じるのは、異質な視線を向けられているからである。その異質な視線にとてつもない不安感に襲われる。


「トーチ。トーチ。デンゴン。」


鳩が急に喋り出した。


「オウト、キタ、モリ。オンナ、イノチ、ナイ。」


「なっ…」


「ヒトリ。コイ。イセキ、イセキ。」



…言葉を失う。まさか、鳩の言っていた『オンナ』とはレインや、ハクの事じゃ…


突然ノックされる。レインだろうか。


「すいませんトーチ君。娘の姿が見えないんですが、どこかに行くと言っていませんでした?」


レインのお母さんだったようだ。レインが居ない?もしかして…


「大丈夫ですよ。すぐに連れて帰ってきますから。」


「も、もしかして昨日の二人が…」


話すべきだろうか…お母さんだけには話しておいた方がいいだろう。



「そんな…け、憲兵に…あぁ…レイン…!」


「必ず連れて帰ってきます。こんな子供に任せるのは心配だと思います。」


『だけど、レインを必ず無傷で連れて帰ってきます。』


「トーチ君…どうか娘をよろしくお願いします。」


「はい…どうか、周りの方にまで魔の手が迫らないように、ここはお願いします。」


レインのお母さんは、ふらつきながらも、皆に状況を説明しに行ったようだ。


「トーチ…何事…?」


ハクは、さっきの話を少し聞いていたみたいだ。


「大丈夫。ちゃちゃちゃーっと行ってあいつらを倒して、レインを無事に取り返してくるよ。」


「トーチ…?怒ってる?」


「うん…怒ってる。はは…ハクは何でもお見通しだね。」


「魔力がダダ漏れ…いや…収まりきってない…このままだと、トーチの体が崩壊しちゃう…」


「…ハク?たとえ帰って来た俺が、前の俺じゃなかったら、ハクだけは嫌わないでくれるか?」


「どんなトーチでも私はトーチが好き…だから…ぶっ飛ばして来い。相手が泣いて許してくれと言っても殴るのをやめるな…」


「ありがとう…」


ハクを抱き寄せ、心を落ち着かせる。


「じゃあ行ってきます。」


「いってらっしゃい」



一方、レインはというと…


「あの~ここどこなんですか?」


「あぁ?いいからお前は黙って人質をしてればいいんだよ。」


うぅ…最悪です…着替えが終わってトーチ君の所に行こうとしたらいきなり後ろから…はぁ…せっかくのデートだったのに…


「はぁ~…最悪です…」


「なぁ…あいつの目の前でこいつを犯すって作戦…あいつの心を折るにはいいんじゃないか?」


「ははっそいつは名案だ!」


う、うそでしょ~…早く助けに来てよ~トーチく~ん!


「…!おい!鳩が殺されたぞ!」


「くくっ相当お怒りの様だな…さっきの作戦であいつの絶望する顔が思い浮かぶぜぇ!」


鳩には、精霊が憑りついて、言葉を発信させていた。微精霊の力だと、生きている相手に憑りつくほどの力はないため、そこらへんで死んでいた鳥に憑依させた。


「それがよぉ…微精霊まで消滅させられたみたいだぜ?」


「まじかよ…復活までどれくらいだ?」


「軽く10分程度かな。」


トーチには一人で来るように言っているため、あの精霊は連れてこないはず。精霊が居ると居ないとじゃ、数倍の戦力差が出来てしまう。それほど精霊の力は強大なのだ。


「念には念をだ、一応足止めもあるし、しっかり休憩しとけよ。」


「あぁ。大丈夫だ。」


さて…あいつはどんな顔で来るかな?



王都の北側の森『マスの森』。別名『罪人の森』と呼ばれる森は、罪人の処刑と、埋葬を行っている森で、住人や、商人でさえも、迂回して近づかないほどの森は、日中は霧が濃く、夜中は、満月の光も通さない完ぺきな暗闇に変わる。


王都上空で、高速で飛行する人影がある。北に向かっているようだが、赤い靄のようなものが、尾を引いている。赤い靄の正体は、『深紅(しんく)』と、呼ばれているもので、収まりきらないほどの魔力が、肉体を魔力の奔流に巻き込み、体を壊しながら、使用者の限界を超えさせる、限界突破のようなものだった。


深紅は、生物が一度に扱える魔力の限界を数十倍は、超えるほどの魔力を一度に集め、心臓部に集まる事で、血と共に常に全身に魔力を送る為、発動中は尽きることの無い魔力を使う事ができる。圧縮してある魔力は、普段の数倍強い魔法が撃てる。


深紅を発動させているのはトーチ。北の森上空まで来たら、体内に今も貯めている魔力を一気に解き放ち、森全体を覆う。


「くっ…流石に範囲が広い…」


物体に魔力を当て、魔力の流れから、地形を把握する魔法。探索魔法の一種で、扱う者は、大気に均等に魔力を流すため、範囲が広ければ広いほど、技術と、魔力が求められる。


少しの間だが、慣れない深紅が流石に応えるのか、体が悲鳴を上げ、血を吐いてしまう。


見つけた…あそこか…


遺跡の位置を聞き忘れ、探索魔法で探すことに掛けたのだが、見事当てられたみたいだ。しかし、4人いるな…3人じゃない?となると、敵は3人になる・・・


少し不安になりながらも、遺跡へ向かう。

大体3日のペースで出したいと思っているんですが、リアルが多忙であまり書く時間が無くなってきました。遅くなる時もあると思いますが、更新は続けようと思います。目指せ100話!


セリフが少し多いので、キャラが崩壊する前に少し減らそうと思います。

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