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初めてのダンジョン討伐

「扉を開けるぞ。」


「うん。」


開けてみると中は12畳くらいかな、小さい部屋になっていて、中央には1メートルぐらいの支柱がある。


その上にこぶし大の緑の宝石が置かれている。その一番奥には、銅の宝箱が置いてある。


「ユーちゃん、この支柱の宝石を取ったらダンジョンクリアよ。勝手に地上に戻されるわ。」


「そうか。あの宝箱は?」


「あの宝箱は開けるか開けないは自由よ。開けるなら気を付けてね。罠があるかもしれないから。」


とサラは俺に注意をした。


ハク、罠はどうだ。


俺はテレパシーで聞いた。


「がるる~」


どうやら罠があるらしい。


さて、どうするか。男なら開けるっしょ。


「ハクが、罠があるって、どうする?」


ハクの様子を見て、ミラがみんなに聞いている。


ハク、罠の種類は?


俺はテレパシーで聞いた。


「毒だよ。でも主は関係ないよ。ヴァンパイアだから。」


それを聞いた俺は、


「やっぱり、宝箱は開けるでしょ。こういう罠ってだいたい、毒とか弓とか爆発でしょ。」


「あ、私、毒なら解毒する魔法を知っているわ。」


とサラが言った。


「なら、大丈夫だよ。念のため、みんな離れて。」


「ちょっと、危ないわよ。よく考えてよ。」


とミラが心配しているが、後ろのネロとサラと共に下がっている。


「じゃあ。開けるよ~。」


そういって、宝箱に触れた。


すると宝箱の蓋が上に開いた瞬間、緑の煙が噴き出してきた。


俺は、目を閉じ、息を止めた。


数秒して、噴出は収まったようだ。


でも、俺はそのままだ。


「ワンワン。」


ハクが吠えた。


どうやら毒の煙は飛散したらしい。


俺は目を開け、宝箱の中を見ると、鉄の塊があった。


「あ、それ、魔鉄よ。良かったわね。ユーちゃん。」


3人と一匹が近づいて来て、サラが教えてくれた。


なんだ、魔鉄って。最初の印象は鉄の塊だったから、すごいざんねんだったけど。魔鉄か~。


「サラ、魔鉄ってなんだ?」


「魔鉄って、簡単に言うと魔力を通しやすい鉄。」


「そっか~。これを加工したら武器とかに使えるの?」


「ほら、エルフの倉庫で緑に光った剣あったでしょ。あれ、魔鉄で作れているのよ。この魔鉄と種類は違うと思うけど。」


「へ~そうなんだ。そう言えばさ、ネロの剣、ボロボロじゃない?」


「あ、ばれたぁ。」


ネロは言った。


「王様から貰った鋼の剣って、丈夫じゃなかったの?」


「丈夫だったわよ。ロングソードよりはかなりね。でも、リッチには効かなかったわ。」


「ん、どういうこと?」


俺は、リッチでの戦い見ていないので戦いの様子を聞いた。


「リッチは実態が無くは無いけど、剣が効かなかったの。それで、剣に炎を纏わせて戦ったの。」


「はぁ?」


俺は耳を疑って、ネロの顔を不思議そうに見た。


「こうやって」


ネロは剣を正面に構え、


「は、あ~」


と気合を入れた。


すると、剣が赤く光っているではないか。燃えているように。


「え、なに、これ?」


「どう、すごいでしょ。」


「聞いてないよ。」


「言ってないもん。それで、剣がボロボロ。」


とネロは剣を元に戻し、胸を出して両手を腰にやりどうおって自慢している。


「え、ってことはリッチって、剣では倒せないってこと?」


「そうだよ。」


ネロが教えてくれた。


「ってことは、ミラは?」


「私は、これで」


と言って、ミラも先ほどのネロの真似をした。


まっさか~、ミラまで。


と俺が思っていると、ミラの剣は、青く凍っていた。


「は!どういうこと?」


「ミラってすごいんだよ。私が、水の魔法を教えたらすぐに出来ちやって、どういう訳だか、水が凍ったの。」


とサラが簡単に説明した。


「私がリッチを倒したくて、悩んでいたら、サラが魔法を教えてくれたの。

それでウォーターの魔法を唱えたら、出来ちゃったので、水って寒くなると凍るじゃない。だから、想像したら凍ったの。」


「へ~、そうなんだ。ってそんなに簡単に出来るのか?」


俺はかなりビックリした。


俺は出来たけど、ミラまでとは。


「へへ~」ミラも胸を前に着きだし、両手を脇に沿えてどうだって姿勢をしている。


「ということは、サラも剣?」


「私は、魔法が有る程度出来るから。」


あ~それは聞いている村長に。


「だからこうやって。」


サラは振り返りさっきのボス部屋に向けて、右の人差し指と中指を下から上に上げた。


すると、ゴゴゴゴっと地面から先が尖っている巨大な山が急に出てきた。


「はぁあ?」


俺は今日、ビックリの日だ。さっき騙されたといい、このチートな3人娘といい、なんなんだ。


いくらLVを上げたからってこんなになるものなのか。


ネロとサラはいい。この2人は特殊だから。


でもミラは? 人間だよな。ステータスを見せてもらった時は普通だったよな。


こんなに伸びしろがあるものなのか。訳が解

らん。


3人のステータスを見せて貰えればすぐに解るのだが、いちゃもんを付けられて、

今度は結婚しろってサラに言われたら困るので簡単に見せてとは言えない。


ま、ステータスを見るより、その人の雰囲気で強さが解る方が今後のためにもなるだろう。


だって、得意、不得意分野があって、相性により勝敗を決するってことがありそうだから。


「それより、あんた。毒は大丈夫なの?」


ミラが思い出したように言った。ネロもサラも心配している。


「ん、息を止めて、目は閉じていたから大丈大。」


「はぁ~。そんな単純なものなの?」


ミラは呆れている。


「だって、問題ないもん。」


俺はお茶目に言った。「ユー卜君ってやっぱりおかしいわ。」


ネロはぼそって前たが、お前たちも十分おかしいよ。


って言いたかった。


「じゃあ、クリアーしますか。」


と俺が言ったら3人は


「おー」


と叫んだ。


俺が支柱の上にある緑の宝石を片手で持ち上げると、辺りは真っ暗になり、

気が付くと、俺たちは地上に戻っていた。


ダンジョンの入り口があった場所に。


ダンジョンは綺麗に消えていた。


「もどって来たね。」


サラは呟いた。


「なぁ、サラ。この宝石はどうしたらいい?」


「あれ~、持ってきちやったの?」


「だめだったかな??」


「うそうそ。冗談よ。それは、ダンジョンクリアの証し。素材にもなるみたいだから持っているといいわ。」


「そっか。しまっておこう。」


そう言って俺は魔法の袋に入れた。


「ユート君、これ。」


ネロは俺に袋を渡した。


「ん、なにこれ?」


「ダンジョンで敵を倒したら宝箱が出て、その中に入っていたの。渡しておくね。」


「え、見つけた人のでいいよ。」


俺がそう言うと


「別にいらないから、ユート君にあげる。」


そうネロは言った。


俺はとりあえず装備して何の袋か確認したら、魔法の袋だった。


しかも、俺が持っている魔法の袋と同じぐらいの容量。


こういうのって、やっと手に入れたと思ったら、すぐに簡単に同じものを手に入れるってことあるよなぁ。


「ネロ、魔法の袋だけどいいの?」


「いいわよ。別に。」


相変わらず無頓着だ。


「じゃあ、どうするか? 俺は持っているし、ミラかサラに持ってもらうか。」


「ミラでいいわよ。今回、ミラが死ぬほど頑張ったから。」


とサラがミラを讃えた。


「そうか、それならミラに。はい。」


俺はミラに魔法の袋を渡した。


「ありがとう。でもみんなのだから、みんなの荷物も入れるからね。」


とミラはお礼を言った。


「そう言えばさ、さっきから死ぬほど頑張ったとか言っているけど、怪我はしなかったの?」


「あ、ハクが治してくれたよ。」


とサラが説明した。


なるほどそういうことか。この3人と1匹は、なんかまだまだ俺に隠し事をしているみたいだが、面白いからこのままでいいや。


「じゃあ、みんなエルフの村に戻ろう。」


そう言って俺たちはいつもの道を歩き出し帰路についた。


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