ハイエルフに会う
エルフの町に着くと、エルフの村長と、もう一人、なんか高貴そうなエルフがいた。
「よくやってくれた。ユート殿。」
村長は俺たちを迎えてくれた。
「こちらのお方はハイエルフじゃ。」
そう村長が言うと
「おじさん 」
と言ってサラが近づいて行った。
「お、サラではないか。大きくなって元気じゃったか?」
「うん。おかげさまで、おじさんは?」
「わしは相変わらずだよ。ダンジョンのおかげで目が覚めてしまって、おかげでサラにも会えたよ。で、そちらが、サラの彼氏か?」
「そうよ。ユーちゃんよ。」
その言葉を聞いて俺は、頭に手を置いて、
いや~
と思ったが、ネロとミラがなんか言いたそうだった。
だけど、サラのエルフ村での扱いを知っているだけに、我慢しているようだ。
「ユート殿、この度は、ありがとうございます。ダンジョンの討伐を引き受けていただいて、さらにはこんなに早く討伐していただけるとは。」
「いえいえ、俺は何もしていません。すべてそこにいる。ネロとミラとサラとハクがやったんです。」
「そんな謙遜なさるな。ユート殿が居たからこそ、ダンジョンの討伐が出来たのだから。」
ハイエルフは俺を褒めている。
「う~ん。」
実際にクリアしたのはチート娘たちだから俺は考え込んでしまった。
「ユート殿、これからもサラを頼む。泣かさないでくれよ。って、俺たちエルフがサラを泣かしていたのか。ははは~。」
「もうおじさんたら~」
「でも、本当にありがとう。こうやって冗談を言えるのもユート殿のおかげじゃ。
しかもエルフの森も救われた。このご恩は一生忘れない。」
「いいですよ。忘れて。な、みんな。」
「うん」ネロとミラは頷いてくれた。
「いやいや、そういう訳にもいかない。そうだ。村長、あれを持って来てくれ。」
「あ、これですか。」
そう言って、村長の背中の影から緑に光る剣を出した。
「そうそうこれ。よく解ったな。」
「いや~、実は、ダンジョンの討伐を無事に完了したら、ユート殿に差し上げようと思っていまして。」
「なにぃ。なに俺の魔法剣を勝手にあげようとしているんじゃ。」
「す、すみません。もう目覚めないかと思いまして。」
村長はバツが悪そうだ。
「まあ良い。お主、これが持てるか。」
「あ、持てます。この前、持たせていただきました。」
「なにぃ、これが持てるのか。」
「だから、ユート殿に渡そうと思って。」
村長はハイエルフに反論した。
「お前はだまつちよれ。どれ、見せて見ろ。」
そう言って緑の魔法剣を渡された。
「あのぅ、いただけるのは有り難いのですが、俺が使わなくちゃダメですか?」
「ん、どういうことじゃ。これは、使う人を選ぶぞ。」
「ネロっ」
俺は、魔法剣をネロに向けて投げた。
ハイエルフはその行動をみて、何しているんだって顔で見ている。
ネロは鞘を左手で受けて、右手で魔法剣を掴んだ。
「おい、魔法剣に魔力を吸われるぞ。すぐに離せ!」
ハイエルフは心配そうに叫んだ。
だがネロは、ハイエルフを無視して、魔法剣を抜いた。
魔法剣の部分はより緑に輝いている。
「マジか。俺でもそんなに輝いてなかったぞ。」
ハイエルフはビックリしている。
ネロは魔法剣を理解したのか、両手で構え、
「はぁぁぁ」
と息を吐き出した。
すると、魔法剣の色は緑から赤に変わった。
しかも、剣から炎が発生し揺らいでいる。
「はぁ~。なんだ、お前は?」
ハイエルフはビックリを通り過ぎているようだった。
ネロは、2、3回、魔法剣を振り回し、納得がいったようだった。
すると魔法剣は、赤から緑に光が戻って、最後には普通の剣に戻った。
それをネロは鞘にしまった。
「だめだ。理解できない。わしでさえ、制御して、切れ味を高めるだけで精一杯だったのに、
それをあんな小娘が、あのように使いこなすなんて・・・」
ハイエルフは信じられないという顔をしている。
村長は少しハイエルフの様子を見て笑っている。
そんな村長の態度を見て、
「おい、村長、知っていたのか?」
「ネロさんがそこまで出来るとは思っても見ませんでしたが、ユート殿のお仲間ならありえるかなぁなんて。」
「そうか。」
「あの~、ネロが使ってもよろしいんですか?」
俺は、ビックリさせてしまったので申し訳なく聞いた。
「好きにしていいよ。もう疲れた。」
そう言ってハイエルフは村に戻って行った。
その後をサラが追いかけて行った。
村長が
「ごめんなさいね。ユート殿。ハイエルフって我儘な方が多くて。」
「いえいえ、なんかビックリさせて申し訳な
い。」
「とんでもない。気になされずに」
そう言いながら村長は笑っていた。
俺たちも村に入り、家に戻った。
「ユート君、いいの? この剣、私が使って?」
ネロは確認してきた。
「いいよ。ネロにぴったりだろ。」
「ずるいな~。ネロとサラだけ、魔法の武器をもらって。」
ミラは拗ねている。
「何だよ、ミラ。お前のも考えているよ。
宝箱から魔鉄が出たろ。ライオネル城に戻ったら、鍛冶屋で自分好みの剣を魔鈇で作ればいいじゃん。」
「ほんと? ほんとにいいの? 絶対だからね。ユート。」
「いいよ。みんなもいいって言ってくれるよ。なぁネロ。」
「いいよ。ミラだけかわいそうだから。」
「なんか、上から目線じゃないネロ。」
ミラはちょっとぶすっとしている。
「お待たせ~。今日はごちそうだって。」
サラが夕食と共に帰って来た。
エルフの方たちが運んでくれた夕食はやっぱり豪華な野菜だった。
なんだか味気ない。
でも俺たちは我慢した。
だってやっとエルフの村から出て行くことが出来るからだ。
「ユーちゃん。さっきのハイエルフいたでしよ。あれ、一番の古株なんだ。」
「へ~。いくつなの?」
「わかんない。でも、1000才は超えていると思わ。」
「すっげ~。そうなんだ。なんかサラと仲がよかったようだけど?」
「そうなの。私のことを理解してくれていて、小さい時は遊んでくれたんだ。
でも、ハイエルフだから、眠りに就いちやって。ずーと会えないでいたんだ。
ダンジョンが出来たおかげで目を覚まされ、久しぶりにお会い出来てうれしかったわよ。」
「良かったな。」
「うん。ユーちゃんのおかげだよ。」
「おれは、ダンジョンを発生させていないよ。」
「ちがうよ。ユーちゃんに会えたからって意味。」
「良く解らないけど、サラが良いんならいいや。」
サラは、とてもうれしそうだった。
「サラ、ダンジョンで見つけた魔鉄でさ、ミラの剣を作ってもいい?」
「全然いいよ。私も魔法の弓もらったし。」
「だってさ、ミラ。」
「本当。ありがとう。楽しみだな。何を作ろうかな。」
「でっかいハンマーなんてどうだ。」
「あ、ユートが悪さした時にお尻を叩くやつね。」
やば、墓穴を掘った。
「私にも貸してね。」
ネロも同調した。
「いや、なんでもないです。」
俺は小つちやくなった。
サラはクスクスと心の底から笑っている。




