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ユート、オーク討伐の依頼を受ける2

「今日の夕食は、魚のスープよ。」


俺たちのテーブルに魚のスープが置かれた。


そのスープにはなんと、魚が丸ごと入っている。


大きいイワシみたいな魚が。

でも魚は、下処理がちゃんと出来ていて内臓は綺麗に取られていた。

もちろん魚だけではなく、野菜も沢山入っている。


ネロは、スプーンで魚をつんつんしている。


「ネロ、魚、見たことないのか。」


「ん、これ、魚って言うんだ。」


「ああ、川とか海にいるぞ。」


「へ~。私の村にも川はあったけど、いなかったな~。」


「そうか、大きい川には必ずいると思うよ。」


「あ~私の村の川は、上流の方で水が湧き出ていて、細い小さな川だったわ。」


「そうか。」


と言って俺はまず、スプーンでスープをすくって飲んだ。


「あ~うまい。」


魚の出しが良く出ている。ちょうどいい塩加減で本当にうまい。


ネロは俺の感想を聞いて安心したのか、スープを飲みだした。


「わ~おいし~。しあわせ~」


などと言ってちょびちょび飲んでいるが、魚には手を付けていない。


俺は、スプーンで魚をほぐして食べた。


タンパクな味だったがこれはこれでおいしい。

骨もあまり無くて食べやすい。


そんな様子を見ていたネロは安心したのか、魚を食べ出した。


「ユート君、魚っておいしいね。ほんと、ユート君と一緒にいて良かった。私一人だったら絶対に食べられなかったわよ。」


「ははは~、よかったな。」


そんなこんなで夕食を食べ終わり部屋に戻ってオーク狩りの作戦会議を開いた。


「な~ネロ。この村ってお前の村の方か?」


「うちの村はその村のず~と奥の方。」


「そうなんだ。」


「だぶん、この村はユート君に助けられた場所のずっと奥の方だと思うよ。」


「あ~だからネロが追いかけられていたのか。

そうするとオークのほかにゴブリンも居そうだな。」


「たぶん居ると思うわ。」


「どうやってやっつける?やっぱりネロが言っていたように落とし穴に入れる方法がいいのかな。」


「無理無理。何体やっつけようと思っているか知らないけど2人でそんなに穴なんか掘れないよ。」


「そうだよな。ちなみに50体全部行こうと思っている。」


「それだとどうしようかな?」


「ん~ん」


2人で討伐方法を悩んでいた。


「なあ~、ネロのクリーンってオークに効果あるの?」


「たぶんあると思うけど外見がきれいになるだけで、

オークそのものがきれいになるとは思えないよ。」


「そっか殺した後にクリーンをしたらどうなるんだろう?」


「解らない。」


「そっか~。ん~ん。焼くか?」


「それはやめておいた方がいいわ。

くさい煙ですごいことになるんだから。」


「そうなのか?」


「村で一回、焼いたのを見たことあるけど、

とてもじゃないがその辺一帯が、

魔物も近づかない土地になっていたわ。」


「そんなにすごいのか?」


「いや、少し話を盛っているけど、すごいわ。」


「そっか~、なんかいい方法ないかな~。

そう言えばさ、俺にクリーンをかけてくれた時、

たしかオークの血の匂いがきれいに落ちたようだったけど、

無機質なら問題ないんじゃないの?」


「無機質?」


「そ、要は、死んでいるもの。」


「どうかな、やって見ないと解らないわ。」


「たぶんこの前のオーク、今も放置されていると思うから、試してみない?」


「うん。いいよ。やって見よう。」


「じゃあ、それが確認できて、問題がなかったら楽かもしれないね。

ま、村長さんにオークを討伐したあと、放置していいかどうか、聞いてからだけど。」


「そうね。」


「じゃあもう寝よう。」


二人は眠りについた。



次の日、ネロと出会った記念すべき場所にいる。臭いけど。


「臭~い。あ~もう嫌だわ。これからオークを討伐するなんて考えられない。」


と愚痴っているネロ。


「しょうがないだろ。お金を稼ぐって、こういうもんだ。

他の人がやりたがらない方が報酬もその分多いんだぞ。」


「だって~、鼻が曲がりそうよ。」


「それより早くあの死体にクリーンを唱えろよ。あ、そこに落ちている頭の部分だけな。」


「もうユート君、怖いんだから、クリーン。」


もちろん周りには誰もいない。

っていうかこんなところ近づきたくない。絶対に。


腐りかけているオークの頭にネロがクリーンを唱えたが、

まだ、臭いが充満している。

だって、近くにオークの胴体の死体があるから。


俺は恐る恐るオークの頭に近づき、臭いを嗅いだ。


「ん、そんなに臭わないぞ。」


見た目は、腐っていて目が垂れ落ちていて本当にグロテスク。

でもなんか綺麗に見える。

剣で突き刺してオークの頭を持ち上げ、

胴体からかなり離れて、臭いを嗅いでみたが臭わない。


「ネロ~こっちに来て嗅いでみろよ。」


「え~、やだよ気持ち悪い。」


「いいからいいから。」


「ちょとぉ、付けないでよね。」


恐る恐るネロは臭いを嗅いでいる。


で、わざと剣をちょっと上に挙げたら、


「わ~。ばか~、 ユートのばか~! !」


て、俺はその反応速度に腹を抱えて笑ったが、

ネロにすっごい恐い顔で睨まれた。


一応、クリーンの実験は終了。

死んでいる物、そう、物に対しては綺麗になるみたいだ。


これだったら、オーク討伐はかなり楽になる。


ただ、ネロの魔法が村人にばれてはいけないので、オークを討伐したあと、どうしようかと悩み中である。


「オークを討伐したら基本は放置でいいよ。」


って村長が言ってくれれば簡単なんだけなあ。



依頼主の村に行く途中、

ネロがさっきのことで拗ねたみたいで、一言もしゃべってくれない。


そんなに嫌だったのか。


「ごめんよネロ~。許してよ~。」


ネロはむすっとしている。


「じゃあ、この討伐が済んだらアイス買ってあげるからさ。」


「ん、アイスって何?」


怒った声で聞いて来た。お、乗って来たな。


「アイス知らないの?冷たくて甘くておいしいんだよ。」


「ふ~んそうなの。」


興味無さそうに返事はしているが、ネロの顔は少しニヤけている。


あとちょっと押せば許してもらえそうだぞ。


「クッキーに付けて食べるんだよ。」


「な、何~、クッキーだと。本で読んだことしかないのに。」


「そうだよ。アイスとクッキーの甘さが重なりあってそれはそれは、この世のものとは思えない。

とてもおいしいお菓子だよ。」


「本当に食べさせてくれるの?」


「さっきの許してくれる?」


「うん。許す。絶対だからね。嘘つくと絶交だからね。」


「わかったよ。」


俺は以前、祝福を受けた時に、

お祝いとしてアリスが町の喫茶店に連れて行ってくれた。

その時、アイスを食べていたのだ。


まったくネロはどこの小学生だ。

地球でもこんな話に引っかかる子供はいないぞ。

単純で楽だけど。


ま~あ、それだけこの世界は貧しいのかな。


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