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ユート、冒険者になる 1

取りあえず無事に冒険者ギルドに着いた。


そこには、数人の冒険者がいて、

こっちに振り向いたが興味が無くなったのか掲示板に目を戻す冒険者も居たが、

ネロを見続けている冒険者も居た。


それを無視して受付に行くと、

可愛らしいおね~さんが対応してくれた。


「鼻の下が伸びているわよ~」


「うるさい。」


「ふふ~」


ネロは冗談ぽく俺をからかった。


「冒険者ギルドは初めてですか?」


「初めてです。」


「冒険者になりたいのですか?」


「はい。」


二人で返事をした。


「それでは、こちらの申込書に記入をお願いする前に、何点かお伺いしてもよろしいでしょうか?」


「はい。」


「それではまず、冒険者になると一般の人より大けがを負ったり、最悪、死ぬという、可能性が高まりますがよろしいですか。」


そりゃあそうだろうな。でも、それ以上に冒険って楽しそうだし。問題ない。


「はい」


ネロも「はい」と答えている。


「次は、冒険者になるとギルドからの依頼があった時は、強制的に従ってもらいますが大丈夫ですか?」


「どれくらいの頻度であるのですか?」


「ほとんどありません。

国が危険と判断した時にギルドを通して依頼があり、

冒険者ギルドもそれを断るわけにもいきませんので。

ですが、国からの依頼だからといって全てに従うのでは無く、

それ相応の理由がある場合に限ります。」


「それ相応の理由とは?」


「例えは、一般人に被害が甚大になる恐れが有る時、

例えば、魔物が大群で襲ってきた時とか強力な魔物が現れて人に被害が出た時ですかね。

あ、国同士の戦争は、冒険者ギルドとしてはノータッチです。

ただ、国から要請に冒険者が傭兵になることは、

ただありますが、冒険者ギルドとしては関知しません。」


「他には?」


「ん~ん。冒険者ランクが上の方になれば、

個別に依頼なんかも来たりもしますが、

その時は冒険者の方も力を持っているので、

断ることも可能となっています。

とはあれ、冒険者ランクしだいということでしようか。

冒険者ランクが高い人ほど、

冒険者ギルドへの貢献度は高くなりますから。」


「そうですか。それなら問題ないです。」


ネロも頷いている。


「最後に、冒険者ギルドの仕事で得た報酬の3割は、

強制的にギルドに帰属します。」


「その理由は?」


「冒険者になると、

思わぬ大きな怪我や最悪、

死ぬことも考えられます。

その後の冒険者の生活や残された遺族の方のお見舞金として使われます。

でも、冒険者になる人は多いのですが、

志半ばでやめて行く人も多いです。

万年初級という冒険者も多いですので怪我をする人が多く、

見舞金はスズメの涙と言っていいほどです。

あとは我々職員の報酬と事務費です。」


ま、そういうものなんだろうと思い


「大丈夫です。」


と答え、ネロも「うんうん」と頷いている。


「それではこの申込み用紙にご記入をお願いします。

あ、解るところだけでいいですからね。」


用紙を見ると、

名前、年齢、性別、出身、LV、特技など、

記入する欄があった。

俺たちは申込書のに、

名前、年齢、性別と順番に書き始めた。


すると横のネロが耳元で話しかけてきた。


「私、村のことも話しちゃいけないんだ。」


「そうか、お前、訳ありだもんな。俺と同じにしちゃえよ。」


と言って俺の出身地、ダリルの村を書き写した。


「よし、あとはいいや。これでいいですか?」


「はい。お二人はダリルの村からいらしたのですね。あそこはいいところですよね。」


といってカードを2枚づつ取り出した。


「このカードの少し窪んでいるとこ。ここね。

そこに一枚ずつ血を一滴たらしてください。」


俺はこれをしたら種族がばれると思ったので警戒して


「血を垂らすとどうなるんですか?」


と聞いてみた。


「冒険者になる皆さんは警戒してよく聞いてきます。

それはとてもいいことです。

たぶん自分のステータスが解ってしまうんじゃないかと。

そんなことはございません。

ステータスがこんなことで簡単に解ることはございません。

ステータスを確認する魔道具はあることはありますが、

とても貴重で、国に一つあるかないかです。

それに、祝福を受けられたでしょう。

協会の教皇やその側近の一部が鑑定を行えるスキルを持っていると言われていますが、

ステータスを見たからといって、

他の人にその内容を業務外で話したらそれは協会の教皇ですら重罪で死刑になります。

ですので、ステータスの秘密は完全に守られています。」


なるほどそういうことだったのか、


「それなら安心ですね。」


といい、針で指先を刺し、プク~と血が膨らんだ。


それを1枚、2枚と垂らした。


隣でネロが針を指に刺すのをためらっていたが、

早くしろとの思いで、

肘で脇腹をつついたら意を決したように指に針を刺していた。


「はい、ありがとうございます。少々お待ちください。」


血を垂らしたカードを持って受付の人は奥の部屋に入って行った。


「なに、ビビってんだよ。」


「だって痛いじゃない。」


「こんなのチクッてやればいいんだよ。」


「やだよ、こういうのがかなり痛いんだよ。」


と話していたら


「お待たせしました。こちらがユート様でこちらがネロ様になります。」


カードを受け取ったらそこには、

ラサールの町冒険者ギルドと書かれており、

名前とランクFが表記してあった。


「それでは簡単にご説明します。

このカードはあなたの生死がわかるカードです。」


そう言って、冒険者ギルドのマークが入っているカードを指差した。


「こちらの冒険者ギルドのマークがあるものは、

行った先の冒険者ギルドに預けてください。

冒険者になると行方不明になることが多いです。

ですので、これは冒険者ギルドで管理し、

生死を確認するカードと思ってください。

討伐クエストで冒険者ギルドがランクを誤って付けて、

冒険者が危険な目に遭った時には、

冒険者ギルドが行方不明者になった冒険者を探索する場合もございます。

ま、ほとんどありませんけど。

それと、ここがランクの表記ですね。

一定のクエストをクリアするとランクが上がって行きます。

上に上がれば上がるほどクエストの難度も高くなります。

ちなみに一番上はSSランクで、

全世界で7名いらっしゃいます。

冒険者になりたての方は、

次のEランクを目指してください。

冒険者のルールですが、

特に難しいことはありません。

こちらの紙に書いてありますので、

あとでよくお読みになってください。

人外のことはもちろんのことマナーを守っていれば、

問題ありません。

クエストの受け方については、

そこの掲示板に張り紙がしてあるので、

よく読み、番号を受付に申し付けください。

受理されたらクエスト開始です。

達成できるように頑張ってください。

クエストは、途中棄権は出来ません。

した場合は、ペナルティがございます。

ペナルティも依頼内容によって異なりますので、

よく確認してください。

最悪の場合は冒険者証の取り上げとかいう場合がありまあすのでお気を付けてください。

最後に冒険者になると特典がございます。

紙にも書いてありますが、

冒険者証を提示すると加盟店で割引を受けられたりします。

一番良い割引は宿屋だと思います。

冒険者は町から町へと旅をするので、

行った先で泊まることが多くなると思います。

つまり、簡単にいうと観光料金の宿泊料だとお金がかなり掛かり、

出費も多くなりますので、

その辺が一般の人と違いがあります。

ま~宿屋の方では冒険者が長期滞在してくれるっていうメリットがありますからね。

そういうことです。

これで説明は以上です。

何か質問はありますか?」


「ん~ん、今のところないです。」


「何か解らないことが合ったらいつでも聞いてください。」


「ありがとうございます。」


そうして冒険者の手続は終わった。


少し掲示板も見たかったが、外をみるとだいぶ暗くなってきている。


「とりあえず宿屋に戻るか。」


ちょっとしたハプニングもあって結構な時間になっており、

ネロと冒険者ギルドを後にした。


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