自己紹介(裏)
これは、第二視点からのお話
あぁ、何だか詰まらなそうだな
彼は、なんでこんなにも楽しそうなんだ
私には関係の無いことだ。
茶色のリュックを背負わされ、私は『祐介』と共に入学式に向かうのだ。
私は、物心つく前から両親は離婚し父は実家である東京へと帰ったのだ。
女手一つで私を育ててきた母は現在、癌との闘病中だ。
そんな中、私は母の友人である『武弘』さんの家庭に預けられている。
今日もこの一家と一緒だ。
「ゆうすけ、さとみちゃんとおんなじクラスだって」
「うん、またおんなじだね」
「そうね」
これには少し安心した。
流石にこんな一年生が生きていくのに知人無しでは厳しいだろう。
此方の様子を伺う様にしているこの少年は、私が唯一気を許している相手と言っても過言ではない。
子供っぽいが、他と比べるとまぁ大人な方だ。
時刻は8時前
この一家と共に始業式を受けに行く時間だ。
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始業式が終わり、各教室へと移動した。
隣が祐介のようだ。
「さとみちゃんは怖くないの?」
はぃ?意味不明だ、『比較的大人』と言うさっきの言葉は取り消しだ。
怖いものか、面倒なのだ
「えぇ・・・何が怖いの?」
「え、え・・・お父さんも・・・お母さんも居ないし」
これは聞き返したつもりが質問の根拠が出てきたではないか。
「慣れよ慣れ」
こいつは幼いくせして何てえげつない質問をするのだろう。
「あ、うん、そうだもんね」
このぎこちなく、的はずれな返答で察した。
彼の根拠だったのだ。
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担任は若い女性だ。
奴は自己紹介を迫ってきたのだ。
面倒な女はモテないぞと、言うわけにはいかない。
どうやら自己紹介では『氏名』『好みの物』『目標』を確定しているようだ。
この3つを確定しているのが更にモテない理由だ。
他人の自己紹介の時は『数学』でもしておこうか。
[直角三角形ABCにおいて、角A=30° 角B=60° 角C=90°のときの、辺AB、BC、CAの対比を求めよ。]
舐めているのか?[AB:BC:CA=2:1:/3(ルート3)]
「次、さとみちゃんだよ。」
彼だ。
私は教壇前へと移動した。
「『奈々野 智美』です、私は『数学を解くこと』と『読書』が好きです。なので、勉強に力を入れたいです。以上です。」
「読書が好きなんだ、どんな本を読んでるのかな?」
人を馬鹿にするな。だからモテないんだ。
そうだな『老人と海』はもう読んだしな、『重松 清』さんの『卒業』かな
「『重松 清』さんの『卒業』です。」
目の前の『売れ残り』は唖然としている。
私は教師が嫌いなんだ。
彼は私を認めているようだ、微笑んでこちらを見ている。
やはりいつもの祐介だ。
初めまして。
原武 康則 です。
こんな感じで一話毎に二人の視点から書いて行きます。
応援宜しくお願いします。




