ソードスライム
「ちなみに…スラ太郎なのか?」
幸明が訊ねる
ぷるぷる…
剣を持ったスライムは体を左右に揺らす
「別のスライムなのか…じゃあお前はソードスライムだな」
「ぴきゅ!」
体を縦に揺らす
「あれ…急にこの感覚…
スライム召喚!」
幸明は咄嗟にスライム召喚ができる感覚を感じ取り、スライムを呼び出す
ぷるん!
「おお、わかるぞ、スラ太郎だな⁉︎」
ぷるんっ!
スラ太郎は大きく跳ねる
「ふむ…つまりはスラ太郎が剣を吸収したらソードスライムに進化して、スラ太郎は召喚が解除されたと…
でもベースで召喚した時は必ずスラ太郎が来る、と」
幸明は自分の能力について考察する
「しかし…モノを食べてその能力を得るなんて…ピンク色だったり食べ方が吸い込み方式じゃなくて良かったな」
ソードスライムを撫でながら言う
「アルト、アルト、しっかりして!」
リーナがアルトの服を脱がして傷口に草を貼る
打撃と裂傷で上半身は全体的に赤黒くなっている
「ねぇ、回復薬持ってない⁉︎
このままじゃアルトが!」
「いや、俺たちは手ぶらで道具とかもなくて…」
「そんな、私たちも使い切って…道中で採取した薬草だけじゃぜんぜん足りないし…」
「ぴきゅっ!」
スラ太郎が幸明の手のひらから飛び降りるとアルトに貼られてる葉っぱに乗る
シュゥゥゥゥッ…
小さな溶解音とともに薬草がジワジワと溶かされて傷口に浸透していく
「これ…
薬草をそのまま使う時は葉っぱを傷つけて貼ると成分が浸透するって言うから傷つけたけど…そのまま溶かして傷口に浸透させてるの?」
「ぴきゅ!」
リーナの問いにスラ太郎が返事をする
「よし、ソードスライム
俺たちは薬草を探しに行こう
悪いけど薬草の特徴を教えてくれ」
幸明は薬草の見本として一本受け取り森へと入っていく