オーク?肉
薬草探しは早かった
「ぴきゅっ!」
手のひらの上のソードスライムが剣を草むらに向けた
「お、薬草っぽいのがたくさん生えてるな…
なんか違うのもあるけど」
「ぴきゅっ」
ソードスライムは幸明に草むらの前に立つように剣で指示すると草むらの方に向かい剣を構える
少し剣が大きくなる
「ぴきゅっ!」
ヒュッ!
次の瞬間ソードスライムは剣を振り抜いた状態で草むらを抜けた向こう側にいた
その直後
スパァンッ!
斬撃音とともに草が宙に舞い上がった
「うおっ⁉︎
まさかこれを取れと⁉︎」
幸明はそう言いながら草に抱きつくようにして収穫する
「まさか…薬草だけを切り取ったのか?」
「ぴきゅっ!」
ソードスライムは大きく縦に揺れる
「めっちゃすげーなぁ…
よし、スラ太郎の所に戻ろう!」
「お待たせ」
幸明がスラ太郎とリーナの元に戻る
「随分と早いけど、薬草あった?」
「ああ、ソードが見つけてくれた」
幸明が薬草を渡す
「ありがとう、スラ太郎のおかげでアルトもだいぶ落ち着いたみたい
これだけあれば街に帰れるくらいには回復すると思う」
リーナが言う
「ん?」
ふと横を見るとオーク?の死体が解体されていた
「ああ、討伐したのに証明部位とかお肉を放置してたから代わりに解体したんだけど…私は不器用だからあんまり上手くなくて…」
「いや、助かるよ
でも、肉はもらうとしても証明部位とやらはいらないかなぁ…
俺の知ってる知識だとそう言うのはこいつを倒したってギルドとかに報告するためのものだろ?」
「うん、そうだけど…」
「俺は冒険者じゃないからさ、こいつはお姉さんが倒したことにしてくれ」
「でも、討伐した部位を持っていけばお金になるわよ?
王都も近いしそんなに面倒じゃないと思うんだけど…」
「ここだけの話、あんまり王都には行きたくないんだよね…べつに悪いこととかはしてないんだけど、ちょっと王都から離れたいなぁ、と思っててさ」
「あー…そーゆー感じのやつか
わかった、じゃあ私はアルトのこともあるから王都に戻って『私たち』が討伐したって報告するわ
その代わり、また会えたらお礼はさせてね」
「ああ、期待してる
俺は幸明、お姉さんは?」
「私はリーナ、アレは私の双子の兄でアルト
よろしくね
あと、オークの肉なんだけど私が知ってるのと違ってすごく脂ばっかりで食べれないかもしれないんだけど…」
リーナが解体した肉を指さす
「んー…確かにかなり真っ白で赤身が少ないなぁ…
まぁ、スラ太郎やソードに脂を食べてもらって俺は赤身を食えば良いだけだし、ちょうど食料がなかったから助かる」
「そう?
私たちも一応、少しはもらっていい?」
「ああ、俺はリュックとかも一切持ってないから持ち運べる量は1人分だけだしな」
「ありがと、もう少ししたらアルトを担いで王都に戻るわ」
「そっか、俺はそろそろ行くよ
スラ太郎、ソード」
呼ぶと2人が手のひらに乗る
「じゃあ、またどこかで」
「ええ、必ず」




