表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/461

初めての剣術練習

予告なく修正することがあります。

Sep-19-2020、一部変更。

 夜が明けるとすぐにゼンとキキが起き出し、野営地から離れて行った。目を覚ましていたニーナが二人の後を追った。そして、最後の不寝番をしていたエレンが気付き、ニーナから少し離れてミリアンと一緒に着いて行った。

 少し離れた場所で二人は立ち止まり、キキはレイピアをゼンはナイフを抜いた。そして、ゆっくりと素振りするかの様に型を行った。


「何をしておるのじゃ?」


 暫くじっと見ていたニーナが、我慢できなかったのか声を掛けた。


「練習だ。」

「何のじゃ?」

「斬る。」

「うにゅにゅにゅ。」

「正しく剣を使う練習よ。」


 ゼンの少ない説明にニーナは理解できなかったのか、口を蛸のように尖らせて唸った。キキが見かねたように、微笑ながらニーナに説明した。


「何の意味があるのじゃ?」

「練習して何時でも、何処でも戦えるように備えているのよ。」

「キキは魔法師なのじゃ。」

「魔法師が肝心な時に、魔力切れじゃ駄目でしょ。必要がないときは剣で戦うの。」


 暫く考え込むように俯いて、思いついたように顔を上げる。


「妾もするのじゃ。魔法師のキキがレイピアで野盗を倒したのじゃ。格好良かったのじゃ。」

「ゼン、お願い。」

「いいだろ。」


 ゼンは小枝を拾い上げ、ナイフで余計な枝を切り落とし、持ち手を削ってニーナに渡す。


「斬撃は何種類あるか判る?」

「うにゅにゅにゅ。」


 蛸口で考え込むニーナの後ろに、いつの間にかミリアンとエレンが静かに座っていた。


「左から右への横薙ぎ、左肩から右脇腹への袈裟斬り、上から下への唐竹割、右肩から左脇腹への逆袈裟。」

「4つなのじゃ!」


 キキの説明に実演するゼン。説明を遮ってニーナが叫ぶ。


「はずれ。」

「うにゅにゅにゅ。」


 横でレイピアを振っているキキに、茶化され顔をしかめるニーナ。


「逆方向もある・・・」


 ゼンの言葉を遮ってニーナが立ち上がり言い放った。


「八つなのじゃ!」

「残念、はずれ。」

「うにゅっにゅっにゅ。」

「ふふふ。最初の八つの斬撃に突きを入れて九つの斬撃があるの。これを練習するのよ。」


 キキはニーナに説明すると、ゼンに頷いた。ゼンはゆっくりと、突き、左薙ぎ、袈裟斬り、唐竹割、逆袈裟、右薙ぎ、下逆袈裟、切り上げ、下袈裟と続ける。


「私も毎日、素振りはするが、そんなことを考えたこともなかったかな。」


 エレンは感想を口にした。護衛達も毎朝、剣を振っていた。


「これを毎日、最初はゆっくりと正確に、一週間、一か月、半年、一年。」


 キキの言葉通りにゼンは九つの斬撃をゆっくりと繰り出した。


「十年、五十年、百年。」


 徐々に速くなって行き、流れるような動きで九つの斬撃を放つ。それは剣舞のようにニーナ達の目に映った。


「そして、千年!」


 ドンと空気が鳴った。ニーナ達の目には四方八方へ広がる刃が見えただろう。ゼンを中心に五メートルほど、膝丈にあった草が倒れてた。いや、斬られていた。


「何が起こったのじゃ!」


 エレンとミリアンは息を飲み、目の前の光景に言葉が出なかった。


「九斬結界。劣化版だけどね。」


 キキの小さな呟きで、二人は練習を終えて、朝食の準備に取り掛かった。

 出来上がって声を掛けるまで、ニーナは一時間ほど枝を振り練習した。横に同じように枝を振るミリアンとエレンを見て、ゼンとキキが微笑んだ。


「うにゅ、ゼンの笑顔は不気味なのじゃ。」

ゼ♂:剣の練習。

キ♀:ちょっと速かったのでは?

空♂:う~、仕方ない。

キ♀:ゼンの笑顔は不気味?

ゼ♂:顔はどうにもならん。

空♂:最初は美形にしようかと思った。

キ♀:どうしてやめたの?

空♂:ありふれているし、パクリになってしまう。

ゼ♂:ピキィィィィン!

空♂:うおっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ