ニーナ、拠点を選ぶ
予告なく修正することがあります。
Aug-31-2020、一部変更。
Sep-19-2020、一部変更。
ニーナはゼンが練習に使っている人形と模擬戦をし、派手に打ち負かされてミリアンの回復魔法の世話になっていた。
「あの人形は強いのじゃ。」
ニーナ達はゼンから、練習用の木偶人形を貰った。等身大のデッサンドールの様な、手には五指が備わっていた。目鼻の無いのっぺりとした顔は少し不気味に見えた。
「ゴーレムの一種よ。登録された対象の動きを真似るの。攻撃を当てれば、威力によって色が変わるの。赤は致命傷、小さな攻撃でも同じところに当てて行けば、赤になり動かなくなるの。これがリセット、状態を戻すボタンで、このダイヤルで力と速さは五段階で調整が可能よ。材料の木はこの状態でも生きているの。週に一回か二回、太陽に当てて、水を掛けると傷ついたところが再生される便利機能付きよ。」
ニーナ達は各々、物珍しいのか触ったり、叩いたりを繰り返した。
「登録って、魔物か人か。」
「下はゴブリンよ。上はゼン。自身を登録しておくと、戦った時に自分の弱点や改善点なんかも、見えると思うわ。」
「ゼンさんと戦えるということ。」
「死ぬ未来しか見えんのじゃ。」
「最初は木剣でやってね。ゼンは真剣でやっているけど、真似しないでね。毎回、大怪我だから。」
この日、ゼンが時々、大怪我する理由を知り、ニーナ達は青い顔で頷いた。
ゼンとキキは練習の後、市場を回り年少組の屋台攻略に付き合った。ギルスとエレンは冒険者ギルドにクエストの確認に向かった。
「ゼンとキキは魚が好きなのじゃ。」
「ちょっと違うかもね。いつも肉ばかりだから、魚が食べたくなるのよ。他にも蟹や海老、蛸に烏賊も美味しいわね。だけど、ここには焼き魚しかないのよ。残念だわ。」
「お姉さん、蟹とか海老と言うのは、これの事かね。勇者様がそんな風に呼んでいたような、」
「む、あるな。」
「ゼンが興味を示したのじゃ。」
屋台の店主が見せた蟹を見て、ゼンが桶を覗き込んだ。
「もうすぐ、大漁祭りがある。その時は、もっと色々な魚や、あんた達の言う蟹や海老も獲れるぞ。」
「ほう。」
「ゼン、蟹に海老よ。食べたい料理が沢山、出てきたわ。焼き蟹、蟹鍋、海老フライ。なんと言っても天婦羅ね。どれも美味しいから、早く食べたいわね。他の魚も見て回りましょう。」
キキの美味しいの一言に、ニーナが思いついたとばかり、ゼンを見た。
「のう、ゼン。暫くこの町に留まってはどうなのじゃ。」
「問題ない。旅は?」
「急ぐ旅でもないのじゃ。色んなものを見たいのじゃ。」
「なら、商会を回って、借家でも探してみましょう。」
ニーナ達は市場の一角に立ち並ぶ、商会を回ることにした。ギルドから戻ったギルスとエレンが、肉串を食べながら合流した。
年少組も新たな肉串を手に入れて、商会の看板を見ていると、見覚えのある男が近づいて来た。
「皆様、憶えておいででしょうか。ポンチョ・ビーラでございます。」
「うにゅにゅにゅ?」
「お嬢様、セオンの町で会った行商人です。」
「そうです。行商の方は弟が引き継ぎまして、私はここ、城塞都市に店を持ちました。」
暫く首を傾げて思い出す素振りを見せた、ゼンとニーナは二人そろってポンと手の平を打った。
「おお、思い出した・・・かも知れんのじゃ。ところで、この町に暫く、留まるのじゃ。借りられる家を探しておるのじゃ。知らぬか。」
「おお、私どもは不動産も扱っております。しばし、お待ちを。ご紹介出来る物件のリストを持ってまいります。」
ポンチョは奥へと消え、沢山の巻物を抱えて戻って来た。
「先ずは、こちら。元男爵様のお屋敷でございます。色事がお好きな男爵様で、色町のすぐ近くです。」
「却下。」
ギルスが即座に却下した。年少組が首を傾げているのは、理由が判らなかったのか。
「ごほん、次はこちらです。ミスリルクラスの魔法師が住んでいた屋敷です。広い地下室があります。」
「後で見に行こう。」
「こちらは魔法師ギルドの近くにあります。部屋数も充分ですよ。」
「それも見に行こう。」
「こちらは市場も冒険者ギルドに近く、立地は良いのですが少々、建物の方が古くなっていまして。」
「ついでに見に行くか。」
ポンチョは数件の物件を見せたが、大き過ぎたり、小さ過ぎたりでギルスが却下した。中には、幽霊屋敷の噂がある屋敷や、呪いの屋敷などもあった。当然、全員が却下した。そして、三件の物件を見に行くことになった。
「こちらが元魔法師のお屋敷です。」
ポンチョの案内でニーナ達は中に入った。三階建ての広い屋敷の中を見て回わった。
「沢山、部屋が有るのじゃ。」
「のじゃ姫、駄目よ。」
扉を開けようとするニーナを、キキが鋭い声で止める。
「魔術トラップね。ちょっと待ってね。見えるようにするから。ビジュアリゼーション。」
キキの魔法で、扉に魔法陣が浮かび上がった。中には魔法陣の無い扉もあるが、殆どの扉に魔法陣が浮かび上がっていた。
「魔術トラップ、爆発、強制転移、毒と物騒ね。」
「中に何が有るのでしょう。」
ミリアンの言葉に全員がキキを見た。
「そうね、一つ開けてみましょう。初級で大丈夫ね。レストレクション。」
「キキは凄いのじゃ。解呪魔法も使えるとは。」
キキを先頭にニーナが部屋の中に入った。机と椅子しかない殺風景な部屋だった。
キキが机の上の羊皮紙を見て、溜息を吐いた。ニーナも近づいて、溜息を吐いた。
「はあ、何とも。魔法師ギルドの試験じゃ。クラスアップに失敗したのじゃ。わざわざ、トラップまで仕掛けて、封印することもないのじゃ。」
キキがいくつかの部屋を解除したが、失敗作の魔道具、一桁台の答案羊皮紙、書き間違えたスクロール。部屋を確認するごとに、ニーナ達は疲れていくようだった。
「地下に行くのじゃ。」
ニーナも少し疲れたように言った。地下に降りるとキキは、魔法陣を可視化させた。
「あら、初級では無理ね。それに、物理的にロックされているわ。デレクション。」
「俺がやろう。」
ゼンが扉を触ると、ガチャガチャと金属の擦れる音がする。
「中にもトラップが有るかも知れない。のじゃ姫たちはここで待ってね。」
ゼンとキキが入り暫くして出て来ないため、ギルスとエレンが様子を見に入り、すぐに出てきた。
「何があったのじゃ。」
「趣味だな。」
「趣味ね。」
ゼンは指で頬を掻きながら、キキは少し上を向いて答えた。
「ギルス兄ちゃんとエレン姉ちゃんの顔が赤いよ。」
「何があったのですか。」
「あの、あれだ。な、エレン。」
「ちょっと、私。あれは、あの。」
ロロとララの質問に答えることが出来ず、ギルスとエレンはゼンを見た。
「却下だ。」
次の物件に向かい、ニーナ達が屋敷に入ろうとすると、魔法師ギルドから男が一人、飛び出してきた。
「おお、エルノワールの皆様。ここを拠点にするのですか。しかも、この屋敷に。キキ殿の魔力制御やゼン殿の御業を見ることが出来るのですね。おお、申し遅れました。ギルドマスターのカイトス・プラトーワイズです。」
「却下ね。」
「却下だ。」
キキとゼンが即座に却下し、次の物件に向かった。
「ここは市場にも近く、冒険者ギルドと商人ギルドもそう遠くありません。しかし、少し建物が古いのです。」
貴族や富豪の屋敷だっただろう広い庭は雑草が生い茂り、屋敷も所々に穴が開き屋根も半分程が崩れ落ちていた。半壊した家と言う方が合っていた。
「古いというより、ぼろ屋敷なのじゃ。」
空♂:アクセスが600人を超えた。
キ♀:600人で怖気づいたの?ランキングトップは貴方の十分の一の長さで、千倍のポイントよ。
空♂:トップと比べて欲しくない。
キ♀:でも、実績も宣伝も無いのに600人は凄いのかも知れない。
空♂:だろ?探し当てるのは偶然だと言ってもいいだろう。偶然が600人。驚きだ。
キ♀:本当、どうやって辿り着いたのかしら。
空♂:こうやって、辿り着いたコーナー。応募先はこちら。↓^^)
キ♀:コメントに書いてもらいなさい。
空♂:話を戻そう。
キ♀:拠点を探したのね。
空♂:魔法師の地下室で何を見たのか気になる。
キ♀:いい子は聞かない方がいい物よ。
空♂:悪い子が興味を持つ物かな。
キ♀:大人の少し偏った趣味の玩具よ。
空♂:むふふ。
キ♀:あら、妄想の世界に旅立ったわね。




