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ニーナ、王都を発つ

予告なく修正することがあります。

Aug-28-2020、一部変更。

Sep-19-2020、一部変更。

 ニーナ達は魔法師ギルドに平行登録し、宿に戻って夕食を摂った。


「また、ギルドプレートが増えるのかと思ったが、増えなかったのじゃ。」

「パーティークラスが有るのは冒険者ギルドだけ。その他は個人登録しかないそうよ。冒険者でパーティー登録していないと、プレートが増えるのよ。」


 ニーナはギルドプレートを顔の前で、揺らしてゼンのプレートと見比べた。


「右端に二つの色が有るのじゃ。うにゅ、ゼンのプレートは左に色が着いているのじゃ。」

「お嬢、説明を聞いていなかったのか。右端の上が冒険者、下が魔法師、左端の上がは商人ギルドのクラスだ。俺達は冒険者でパーティー登録をしたから、真ん中が冒険者のパーティークラスで、アダマンタイトになっている。お嬢の冒険者クラスがブロンズだから、右上がブロンズだろ。魔法師クラスがオリハルコンだから、右下がオリハルコンになったのだ。ゼンさんとキキさんは商人ギルドにも並行登録しているから、左上がシルバーの商人クラスだ。あれ、ゼンさん。左下がミスリルって、何時の間に盗賊ギルドに登録したのだ?」

「盗賊ギルドの試験が有ったのよ。暇潰しに受けてミスリルになったの。」

「暇潰しでミスリルに成るのか。」

「理不尽なのじゃ。」


 冒険者ギルドで個人登録しか行わないと、ギルドプレートが複数になる。時折、胸元でカチャカチャと鳴らしながら、歩いている人間がそれだった。


「それにしても、ゼンさんとキキさんが魔法師としてもアダマンタイトクラスとは、納得いえば納得だけど。私達、凄い人とパーティー組んでいるのだな。」


 エレンの感想にニーナ達は頷いた。そこへ、宿の女将が料理を運んできた。


「頼んでいないのじゃ。」

「これは王国初のアダマンタイト冒険者で、魔法師でもある皆様へのサービスです。海の魚を使った料理です。」


 ヒラメのような魚を野菜と茸と一緒に、ワインベースの出汁で煮たアクアパッツァの様だった。


「美味しいのじゃ。魚と言えば、ロイが住む土地では沢山、獲れると聞いておったのじゃ。」


 数日、王都で旅の準備と観光に費やし、ニーナ達の屋台巡りに付き合った。


「あの屋台は初めてじゃ。ララ、ロロ。偵察に行くのじゃ。」

「ニーナ様、あたいの鼻が美味しいと告げています。」

「銅貨十枚だって。ちょっと、高いぞ、です。」

「お嬢様、初めて見る焼き菓子のような料理です。上に黒いソースが掛かっていますね。」


 年少組はお好み焼きのような料理を売る、屋台に夢中になっていた。ギルスが苦笑しながら四人分を注文した。そんな光景を見ながら、ゼンは建物の壁に背を預け立っていた。


「そんなに気配を殺していると、間違って斬りそうになる。」


 誰に言うでもなく呟いた。通りかかった老人がゼンの横に荷物を降ろし、ゆっくりと荷物の上に腰を下ろした。


「ふう、そろそろ夏かの。暑くなってきおる。」

「出発する。」

「ここに拠点を構えては貰えんのう。あの御方も残念に思われるであろうよ。そうそう、噂じゃが、キリオン伯爵はニーナ殿を諦めておらんようじゃ。気を付け為され。」

「斬った場合は?」

「あの伯爵の悪逆非道な振る舞い、もう少しで裏が取れるであろう。そうなれば、罰も記録されまい。それで、どちらに向かわれる。」

「辺境伯領。」


 ゼンが答えると横の路地で何かが動いた。


「遠い道のりですな。一月以上じゃ。王都の東に城塞都市がある。その手前がキリオン伯爵領じゃ。」

「対処する。着いて来るなら姿を消すな。」

「伝えよう。」


 老人は立ち上がり荷物を持ってフラフラと去って行った。

 屋台攻略を終えた年少組を連れて、市場を見て回り野菜や果物を買い、一軒の魔道具屋で足を止めた。

 看板に「貴方の夢を魔道具に、ボーロ魔道具商会王都本店」とあった。ニーナ達が中に入ると、店員が近づいて来た。


「ようこそ、ボーロ魔道具商会王都本店へ。王都一番の品揃えですぞ。オーダーメイドも専属の研究班、製作班が受け賜わりますぞ。」


 小さめの家電量販店ぐらいの店内を見て回った。


「これは面白いのじゃ。」

「それはカメラと言いまして、風景を写す魔道具です。サーチゴーレムという魔物の目と核を使用しています。専用の印刷の魔道具で紙に転写出来るのです。このように。」


 写したニーナの顔が紙に印刷された。面白がったニーナは他のメンバーを写した。

 勇者の町で見た冷蔵庫や扇風機に、エアコンの様な魔道具まで並んでいた。


「これは投影の魔道具です。近くでないと駄目ですが、演劇を夜空に投影して多くの人々に楽しんでもらうための魔道具です。」

「面白いのじゃ。こっちの大きいのは何じゃ。」

「これは殺菌の魔道具という物で、魚屋や鳥の卵を扱う商人に人気が有ります。しかし、大きさもですが、価格も高額です。王国が買い取り殺菌所という建物を造り、王都の住人に安全な生鮮食品を供給しているのです。」

「凄いのじゃ。しかし、値段も凄いのじゃ。」


 金貨十枚から数百枚まで、殺菌の魔道具に至っては白金貨が必要で、庶民どころか貴族ですら、買えない代物であった。一通り冷かして店を出て、ニーナ達は市場へ戻り雑貨屋や道具屋を巡った。

 ゼンとキキが魔法具店でスクロールとポーションを補充して宿に戻った。

 翌日、ニーナとキキの二人で冒険者ギルドに行き、出発と次の目的地を告げた。


「明日、夜明けに出発するのじゃ。次は城塞都市、ショアガードなのじゃ。」

「やはり、行くか。何時でも王都に帰って来てくれ。屋敷も準備するから。」

「世話になったのじゃ。また、何時かなのじゃ。」


 翌日、夜明け前に王都を出ると、冒険者風の二組の男女が馬に乗っていた。


「やあ、僕達は君達に付く護衛兼、隠密だよ。」


 爽やかな笑顔で告げる青年を前に、ニーナ達は武器に手を掛け油断なく身構えた。


「隠れていない隠密とは、珍しいのじゃ。」

空♂:投稿したはずが、出来ていなかった。

キ♀:また、消えたの?

空♂:萎える。

キ♀:頑張ってね。読んでいる人間がいるのよ。

空♂:頑張ろう。やっと、王都を出発する。また、同行者が増えた。

キ♀:変わった隠密ね。

空♂:国王への連絡係が主な任務。でも、同行者が増えると大変になるな。

キ♀:そうね、私達の見せ場はしっかりしてね。

空♂:(ㅎ-ㅎ;)

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