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ニーナ、オリハルコンクラスになる

予告なく修正することがあります。

Aug-28-2020、一部変更。

Sep-19-2020、一部変更。

 キキはギルスとエレンと一緒に、椅子に腰を下ろして魔法について説明を始めた。慌てて着いて行ったララとロロも神妙な顔をして、椅子に座ってキキの話を聞き始めた。


「オドを使ってマナを体内に取り込み制御するの。先ずはオドの流れを知るところから始めてみましょう。目を閉じて体内のオドを感じるところからね。」


 ギルスとエレンはキキの言葉に目を閉じた。二人の後ろでララとロロも目を閉じていた。


「お臍の下ぐらいに暖かいものがあるイメージを持って、熱を感じたらそれがオド、貴方達の中にある魔力よ。」


 ララとロロが目を開け、ハッとしたように顔を上げる。


「あった。光が見えました。」

「おいらも光を見つけた。です。」

「色まで感じた?」


 ララは緑、ロロは青と答えた。ギルスとエレンの眉間に皺が寄っていた。


「ギルスとエレンは焦らないで、集中してね。ララとロロが言ったみたいに、熱を感じると光が見えるの。色が付いているので、想像しながら集中してみて。ララとロロは同じように、周りのマナを感じてみて。ゼン、少し見てあげて。」

「了解だ。」


 ゼンの返事を聞いて、キキはニーナ達の元へ向かった。メリーが二人に何やら話していた。


「ここで的に魔法を撃ってもらいます。魔法の威力、速度、魔力制御を見ます。これが測定の魔道具です。プレートの色と同じ八段階で評価します。初級と中級までで、上級は使えないとのことでしたね。」


 機械的に説明するメリーを、強張った表情を浮かべるニーナとミリアン。


「うにゅ、キキ。ファイヤーボルトを討つのじゃ。全力で撃っても良いのじゃ?」

「当然、全力でお願いします。心配はいりませんよ、結界の魔道具もありますし、私の障壁もありますから。」


 メリーはキキを見ながら二人に説明した。キキはメリーの説明を聞きながら、笑みを浮かべてニーナを見た。


「問題ないわ。のじゃ姫、やって見せて。」

「ファイヤーボルト!」


 ニーナはレイピアを抜き、キーワードを口にする。レイピアの先に魔法陣が出現し、野球ボール位の火の玉を形成する。ニーナはレイピアを使って、魔法陣の一部を書き換えた。


「超短文詠唱!何を?」

「変数を書き換えて、回転と速度を上げると、威力は飛躍的に上昇する。」


 ビュッとレイピアを振ると、炎の弾丸が的に向かって飛んでいく。着弾と同時に大きな爆発が起こり、辺りの的を吹き飛ばした。


「なんてスピード、なんて威力。これが初級のファイヤーボール。ミスリルの中級魔法、スカーレットランスに匹敵する。それに、魔法陣を書き換えたなんて。」

「ミリアンの番ね。思い切りやっても大丈夫よ。」


 驚いた様にブツブツと顎に手を当て、考え込むメリーを無視してキキが言った。ミリアンが杖を取り出した時、メリーが我に返ったようだ。


「貴方は杖?を使うのですね。少し短くはありませんか。左手?左利きですか?」


 この世界の魔法師は片手で持つ杖や、両手で扱う大杖を使って、様々な魔法を行使する。杖を使って物理的に攻撃する必要もあるため、打撃武器の一面も持っていた。しかし、ミリアンの持つ杖はまるで指揮者のもつタクト、物理攻撃など不可能な杖だった。


「ウィンドスラッシュ!」


 左に持ったタクトの先に魔法陣が出現する。右手に更にタクトを持ち、魔法陣の一部をニーナと同じように書き換えた。


「圧縮率を上げ、スピードを上げる。その切れ味はオリハルコンを切断する。」


 風の刃は鎧を着た木人形に飛んで、キキの言葉通り鎧ごと二つにした。


「貴方も超短文詠唱。しかも、あの威力は。あの鎧は魔法で強度を上げて、オリハルコンに匹敵するのよ。オリハルコンの魔法師に、同じ事が出来る者が一体、何人いることやら。上級のガストブレードを使える者は少ないのに。」


メリーは再び、考え込んだ様にブツブツと呟きながら歩き回り始めた。


「二人とも、良くできました。毎日の練習のおかげね。魔力制御も日に日に上がっているわ。のじゃ姫をミスリル、ミリアンはオリハルコンかしら。この魔道具を見ると、二人ともオリハルコンになっているわ。」

「ふっはっはっは、妾はやる時には、やるのじゃ。」

「お嬢様、笑い方。端無いですよ。」


 腰に手を当て、胸を反らして笑うニーナを、ミリアンが咎めた。そんな二人に落ち着いたメリーが目をやり、キキを見て何かを納得したかのように近づいた。


「キキ様の目にはニーナさんと、ミリアンさんの魔法に違いが見えたのですね。」

「そうね、ニーナよりミリアンの方が、魔力集束も魔力制御も上ね。あと、魔弾のスピードもミリアンが速かったわ。術式はファイヤーボルトの方が上なのにね。のじゃ姫が書き換えたのは、許容値を超えてオーバーロードしたのよ。」


 何気ないような会話だった。他のギルド職員は気にした様子はなかった。しかし、ギルドマスターのメリーと、黙って見ていた筆頭魔法師のエドの目は大きく見開かれた。


「あの、キキ様。もしかして、貴方は。まさか、魔法陣の模様を、意味を知っているのでは?」

「あれは、やはり。文字なのか。」


 キキの一言にメリーとエドが食いついた。溜息を吐いてキキは二人を見た。


「貴方達よりは理解していると思うわ。でも、教えられないの。辿り着いた者にしか理解できないのよ。恐らく、アシャも知らない知識だと思うわ。アシャ達の上位種からのプロテクトが掛かっているのだと思う。理解出来ないというより、記憶に残らないみたいなのよ。あら、あっちも順調のようね。」


 キキは仕方が無いという風に二人に説明をした。ギルドマスターの部屋に戻り、ニーナ達のプレートを作ることになった。


「ゼン殿とキキ殿はアダマンタイトクラスになります。ニーナさんとミリアンさんの個人クラスはオリハルコン、あの僅かな時間で魔力認識から魔力操作まで会得した、ギルスさん、エレンさん、ララさん、ロロさんは将来の期待値も含めて、アイアンランクで登録します。魔法の知識が無かったのに、あの短時間で集束と制御の基本を修めるなんて凄いですよ。」

「魔法師ギルドは年齢制限が無いのじゃ。」

「有りません。優秀な魔法師は何歳でも、必要ですから。」

「ギルス達より上なのじゃ。」


 ニーナが先頭になり笑顔で魔法師ギルドを後にした。


「今日は食堂でステーキの大盛りを頼むのじゃ。」

空♂:大変な事が判ったのじゃ。

キ♀:のじゃ姫にならないの。何かあったの?

空♂:ブックマークされていた。一人だけど。

キ♀:よかったじゃない。貴方のような人間にも慈悲をくれる人間がいて。

空♂:慈悲なのか・・・。それに、評価もいつの間にか18ptになっていた。

キ♀:一人増えたのね。

空♂:430人も見ていたらしい。恐るべし。

キ♀:今のネット社会は誰が見ているのか、判らないものね。

空♂:頑張って行きます。

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