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無償の想い……  作者: GTマニア
エピローグ
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48/50

エピローグ 4話

 めぐみは弥生の優しさに気付いてアイコンタクトでありがとうと言いながら「私も一服してくるね」と言った矢先、海翔が「め……」言いかけた時、彩月はいつものように海翔の足を踏んで「あっいた。何するねん彩月」と怒った。彩月はわざとらしく「踏んだ、ごめんごめん」と言いながら弥生の優しさに便乗した。

 煙草に火をつけた。もう風はやんでいた。煙はまっすぐ上に立ちのぼって夜の闇の中に消えて行くのを見ながら、めぐみと出会った時の事を懐かしく思い出していた。煙草を二口か三口を吸ったところでめぐみが「昴君、煙草一本ちょうだい」と声をかけてきた。

 びっくりした表情をしつつも「別に良いけど煙草だよ」と言い、煙草の箱を揺らし、めぐみに差し出してライターで火をとぼした。

「ありがとう」と言いめぐみは煙草を吸ったら思わず「にが」と言ってしまい昴はすぐに「大丈夫?」と声をかけた。「大丈夫だよ。久しぶりに煙草を吸ったからちょっとびっくりしちゃっただけ」と笑顔になった。

「それなら良いだけど。めぐみちゃん、よくここへ来れたな」と言った途端めぐみが「弥生ちゃんが気を遣って目で『行っておいで』って視線を送ってくれたから」と聞いたら、弥生ったらと思いながらありがとうなと思って弥生達の方へ一瞬視線をやった。

 めぐみは煙草を吸いながら口を開いた。「昴君に初めて出会ってもう八年も経つのか。あのボンベの事故も懐かしいな。もう昴君とこのダイビングツアーに来れると思わなかった」と昴に話した。

 昴は、ちゃんと命の恩人としてまだめぐみにちゃんとお礼を言えていないなと思い「めぐみちゃん、そうだな。僕もここにいるの不思議なぐらい」と言い一呼吸して、「七年前、僕の命を救ってくれてありがとうございます」と言ったらめぐみちゃんが「何よ。今更」と茶化すように言い、「ちゃんとお礼を言えてないなと思ってさ良い機会だから」と話したら、めぐみは「いいえどういたしまして。この話はおしまい。私も昴君にちょっと聞きたい事があるだけど聞いていい?」と煙を噴いて聞いた。

「めぐみちゃん何?」と聞いた。「昴君、私に告白してくれた時、もし私がその告白を受けていたら弥生ちゃんを振るつもりだったの? 教えて。それを聞きたかったからこのウッドデッキに来た」と冗談半分も真剣さが表情に現れていた。

 昴はこの話をするには煙草を吸いながら話すのは少ししゃくだなと思い、携帯灰皿を取り出し煙草の火を消した。両手をポケットに入れ当時の自分自身を振り返るようにめぐみに話し始めた。

「あの当時、僕社会人なりたてで忙しくしてて、その時も今みたいに弥生にいつも励まされていて、なんだかそれが当たり前になって行って気持ちが冷めていた」と話したらめぐみが「昴君が弥生ちゃんを想えなくぐらい余裕が無くなっていたんだね」と返したら昴は頷いてこう続けた。

「気晴らしにこのダイビングツアーに申し込んで、今だから言えるけどめぐみちゃんに出会ってちょっといい人だなと思った。事故が起きて自分の事よりも僕を助けてくれたからちょっとずつ気持ちが傾いて行ったかな。弥生の事を忘れようとすると弥生の事が頭から正直離れ無かった」

「昴君、聞いてみたら心の奥の方では弥生ちゃんの事好きで好きでたまならかったじゃない」と言いつつ、もし私が告白を受けていても弥生ちゃんには適わなかったと思うが、せっかくの機会だから昴の話を最後まで聞こうと決めた。

「その時は本当にめぐみちゃんの事好きだった。それは信じてほしい」とはっきりと言った。めぐみは笑顔で「分かっているから話を続けて」と促した。それに答えるように「前に話したと思うが、弥生をとうとう卒業出来る時が来たんだなと思って思い切って告白したよ」

 それを聞いためぐみは「もしその告白を受けていたら」とかからかうに聞いたら、「多分弥生の事卒業出来ていたと思う」と答えたから、あの時は本当に私の事好きでいてくれていたのだなと思うと少しだけ嬉しかった。

「せっかくだから僕も聞いていい? 何であの時僕の告白を振ったの?」と聞いた。めぐみは笑って「昴君、私に告白するのちょっと早かったかな。まだ昴君の事友達として見ていなかった。振ってメールのやり取りしていて少しずつ昴君に恋していったかな」

 それを聞いた昴は独り言のように「弥生と似ているな。だからめぐみちゃんに恋したんかな」と小さく声に出てしまった。めぐみはそれ聞こえて「どういう事?」と言ったら話をそらすように「そろそろ戻るわ。明日のダイビング計画、明日のバスで一緒に練ってくれない」と頼んだ。「仕方が無いな。いいよ」と言いみんなが居るコテージに二人は戻った。


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