エピローグ 2話
コテージに荷物を置き明日のダイビングのオリエンテーションが行われる公民館へ向かった。「この道でめぐみちゃんとの将来の夢とか聞いたと思うと懐かしい」と独り言が出ていた。弥生が昴の方を向いた。
昴は「なんかあった?」と不思議そうに聞くと急に笑って「何でも無いよ」の答えに、昴は弥生の事が余計に気になり「教えてよ」と弥生に言ったら「昴の心の声が聞こえきただけ」と返したら「声に出ていたの」と聞いてしまった。「完全に声に出ていたよ」と言われ昴は頬に朱を注ぐいでしまった。その後ろで海翔、めぐみ夫妻は彩月を交えて談笑していた。彩月が「オリエンテーションって何を教えてくれるのかな?」とごく自然にめぐみに聞いてきた。
めぐみは「ボンベの使い方とかを二時間半かけて教えてくれる。私は途中で居眠りするかもしれない」と答えたら彩月はめぐみを思わず二度見して「めぐみちゃんが居眠りするの? びっくりだよ」とめぐみに言った。そうしたらめぐみが大きな声で昴に「昴君」と叫んだ。
昴はびっくりして体をビクッとして後ろを向いた。「めぐみちゃん、何よ?」と聞いた。「昴君も講座の時居眠りするんでしょ?」と言われドキッと図星をつかれ「何で分かったの」と聞き返した。
「私もするから」と答えたら昴はびっくりして「めぐみちゃんも」って言いながら二人で笑って昴前を向いて歩き出そうとすると弥生がそっぽ向きながら頬を含ませていた。それに気付いた昴は「ごめん」と謝り、弥生は「別に」と言いながらも表情は笑っていた。話しているうちに公民館へ着き、中央通路側に弥生の車椅子を止めてその隣に昴が座った。昴は左を向いたらめぐみが座っていてこっち向くの待っていたように小声で「懐かしくて昔みたいにここに座っちゃった」と言い昴は海翔の事が気になり「海翔は?」と見回した。
めぐみは人差し指を立てて後ろを指した。「私の真後ろにいるよ」と言い昴は「海翔、ここで良いの?」と聞いた。「良いよ。めぐみの横に彩月が座りたそうだったから。それに昴もう動くの面倒だろ」と言い「海翔、気を遣わしてごめん」と手を合わせた。「いつもの事」って言いながらめぐみ楽しそうだからまっいっかと思った。
主催者の挨拶が終わり、ダイビングのオリエンテーションが始まった。始まって十五分ぐらい経った時、昴の様子を横目で見た。昴はもう弥生の肘掛けに肘を置いて寝ていた。弥生は昴ったらと思ったが今日は頑張ってくれただもんね少しぐらい休ませようと思い寝かせていた。その奥でめぐみもぐっすりと居眠りをしていてこの二人は何回もこの講座を聴いているから寝てしまうの仕方が無いかと思った。
そして二時間半後、オリエンテーションが終わり弥生が揃って寝てた二人に「昴、めぐみちゃん起きてよ」と二人の肩を揺らしながら起こした。昴が寝ぼけた表情で「もう終わったのか」とあくびをしながら立ち上がった。めぐみも起きて「さてこの後は宴会だ。一杯飲もう」と言いつつも海翔に昴との過去を言おうと決心を固めていた。
「昴、めぐみちゃん」と低い声で彩月が二人の事を呼んだ。振り向くと彩月が「二人ともこの年になって居眠りは良くないよ。罰として明日私達三人の荷物持ちをしてもらおうかな」と言って昴が「弥生の車椅子を誰が押すの」と言ったが、荷物持ちしたくないのが丸わかりで弥生が「彩月に押してもらうから大丈夫。荷物持ち頑張って」って笑顔で言ってきたから仕方なく、「はい、荷物を持たせてもらいます」と渋々答えた。弥生がめぐみに釘を刺すように「めぐみちゃんもやで」と言い「分かってますよ」と答えた。
海翔が「そろそろコテージに戻ろうか。お風呂を入ってから一杯しようよ」と言ってきたから昴は「そうだな。一旦戻ろう」と言い男女別にそれぞれのコテージに戻って行った。