第3章 9話
弥生は笑顔で「そのままの意味だよ」と答えてきたから昴は余計にわけが分からない表情をして、それを見て弥生は笑っていた。「私はもう自分の夢は追いかける事出来ない」と言った瞬間昴は自分のせいだと思った瞬間「あっ昴、また自分だけ抱え込んじゃって、もう一人で抱え込まないでよ。私は京丹後市に行く事に決めたよ」
弥生が京丹後市に来ると聞いて昴は驚いて京丹後市に来る理由なんて分かっているのに、つい「どうして? こっちに来るの。京都市の方が設備が揃っているのに、何で」と聞いてしまった。
「もう、昴」と怒りながらも顔が赤くなって「私は昴のそばにいたいから私も京丹後市に行く事に決めたよ。十年後、二十年後もおじさん、おばさんになってもずっと昴の事を支えて行くからね。これが私の新しい夢っていうかしたい事」と言われ、弥生からのプロポーズ、嬉しさ半分、弥生自身を犠牲しているの分かったから、弥生の事を抱きしめ「もう弥生、僕の事で京丹後市に来るなんて馬鹿だよ」
弥生が急に笑って「昴もでしょ、私の為に会社を辞めるなんてもう言わないでよ。これからは私がそばに居るから私の分まで夢を追いかけてほしいよ。それが昴の役割だよ」と昴の目を見てはっきりと言い、言おうしていた事を弥生に先に言われてしまったと思いながら、それまでの重かった空気が全部ときはなれたようで、幸せなようやく桜が開花した空気が病室に充満していた。
「昴、私達ってやっぱり似た者同士だね」と急に話したら昴は驚いて「どうして?」と逆質問をした。「昴も自分の事よりも私の事思って自己犠牲するでしょ。私もそうだから」と話したら、昴も笑顔になって「確かにそうだな。これが僕達かな」と答えたら「そうかもね」と答えた。
昴は時計を見て一七時回っていたから「そろそろ帰らないと明日の仕事に差し支えるし、そろそろ帰るね」と言い「分かった。明日から気持ちを切り替えて仕事頑張ってね」と言い、昴は帰り支度をしながら「分かっているよ」
「それじゃあまた来るよ」と言い昴は病室から出て行く姿を、弥生は幸せそうに昴の事を見送っていた。
昴は榊部長にメールで報告しようと思ったが、電話をするのが筋だと思い榊部長の携帯に電話をした。五コール目で榊部長が出て昴は気持ちを張り詰めて「榊部長、お疲れ様です」と力が入った声になってしまった。
「お疲れ様、岡さん力は入りすぎ、もっと落ち着いて話して、電話だから少し聞き取りにくい」と言いさりげなく昴をリラックスさせるようにさとした。昴は一呼吸し「榊部長、ご心配おかけしました。これからも榊部長の下で働かせてもらえませんか。無理を言っているのは承知を上です。お願いします」とお願いした。
「何を言っているの。まだ受理してないから、もちろんこれからも私の下でバンバン働いてもらいますよ。あの封筒はみんなにばれないようにシュレッダーにかけとくね」と言い「ありがとうございます」とつい明るい声で言ってしまった。
「気をつけて帰ってくるんだよ」と言い「はい、分かりました。失礼します」と言って昴は電話を切って、榊部長にまた迷惑をかけてしまったなと思いつつもこれからもあの会社で働かせてもらえる事に安心した。




