第3章 8話
弥生はお母さんが病室を出て行くの確認してから、昴に「『近くに来たから』は嘘でしょ。本当は私に大事な話があるんちゃうの?」と言ってきたから、弥生は僕の心の中お見通しだなと思った。正直に弥生に言おう決めてきたのに、なんか拍子抜けしながらも「弥生、今行っている会社を辞めて、弥生の近くにいたいから、京都市内に転職しようと思って、榊部長に【退職願】を出したら、榊部長が【退職願】は預かるから、弥生と話し合いなさいと言われてここに来ちゃった」と正直に話したら、弥生はやっぱりと思って呆れて溜め息をつきながら、昴の方向いた。
「この事で昴が来ると分かっていたよ」と言われ、昴は「何で分かったの?」と聞いたら弥生はこの前の土曜日の事語り始めた。
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めぐみが病室出てしばらくすると、彩月が入ってきて作り笑いで「弥生、元気?」と弥生に声をかけてきた。
「元気だよ。今、そこでめぐみちゃんと何コソコソと話していたの?」と聞いてきたから、彩月はびっくりした表情をした。誤魔化そうと思って「何も無いよ。ただ世間話しただけ」と彩月は言った。しかし彩月が昴の事について何かを知っている事は明らかだった。答え方のタイミングが不自然だった。
「彩月、嘘をつかないでよ。昴の事でちょっと話していたでしょ。昴がどうしたの? 教えてよ」
彩月は弥生の一番の親友だからこそ昴と弥生の問題だから口を出さないでおこうと思ったが、弥生に問い詰められたから正直に話す事に決めた。次第に彩月の表情が真剣になって行った。彩月の表情をくみ取り電動ベッドの頭を起こした瞬間、彩月が「無理しなくていいよ」と言ったが弥生「大事な話そうだからちゃんと聞きたいから」と言い彩月と目線を合わせた。
「ここに来る時、偶然昴に会って……」と昴が会社を辞めようと思っている事を語り始めたら、弥生は最初は驚いていたが、急に笑いながら「そんな事か。多分近々ここに走ってくるよ」と弥生の答えに彩月は驚き「何でそんな事言えるの?」と聞いた。
「私の為に会社を辞めようと思ってると思うが、昴の上司に二回しか会った事は無いけど、私が見る限り昴の事を良く考えてくれている人だと思うから、そんな事で辞めさせないと思う。ちゃんと私と話しなさいってきっと言われてここに来ると思うよ」と自信を満ちた表情をしていた。
彩月は不思議そうに弥生に「事故が起きてからあんなに暗かったのに急に明るくなって、久しぶりに弥生の明るい声を聴いた。安心はしたけど、何で急に明るくなったの?」と聞いた。
「めぐみちゃんに、大切な事を気付かされた」と言いながらも、顔が赤くなっていた。「はいはい、岡岡コンビの惚気は聞き飽きましたよ」と二人はいつの間にか笑っていた。
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昴はもう彩月め余計な事言ってと思いながらも、心配してくれて弥生に言っただろうと思った同時に、弥生には全部お見通しだな弥生には敵わない思って、一呼吸して、「全部弥生の言う通りだよ。榊部長が弥生と話なさいと言われたよ」と話し始めた。
弥生は昴の話を黙って聞いていて、こんなに私の事を想っていてくれて昴は昔から変わらないなと思いつつも、今回ばかりは私の為に辞めさせるわけにはいかない。しかし、昴の気持ちも汲んであげたいと思い、私も昴のそばにいたいから、心の動揺が急にしたから一呼吸して、「昴、退院したら私は京都市に戻らないよ」と言って来たから昴はびっくりして「どういう事?」と聞き返した。