第2章 4話
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星口さん、二回目だからダイビングのコツが分かって、一回目より泳ぐスピードが速くなったから、昴も泳ぐペースを上げた。
エイと遭遇ポイントに着いたが、エイとはなかなか遭遇は出来なかった。その代わり岩陰とかに住むカニとかを見る事が出来た。
潮の流れが急に変わり、星口さんが流れそうになった瞬間、昴は急いで星口さんの手をつかみ流せないようにした。その後、大きなエイがやって来て数匹のレベルでは無くて何十匹の大衆がやってきたから、二人はそれを見ながら水中でハイタッチをして昴と星口さんが大興奮した。
楽しい時間はすぐに過ぎて、昴が水中時計を見てそろそろ終わりの時間だから星口さんに指を上に指し「そろそろ上がろうか」と合図を送った途端事件が起きた。
昴の空気が吸えない状況になってしまいすぐに残圧計を見て、十分前見た時はまだ余裕があったのに今は何故か〇を指していた。昴はレギュレーターを外して、息を止めなら星口さんにジェスチャーで「僕の空気が無くなった」と伝えたら、星口さんはびっくりした。
水深二十メートルでしかも、船から七十メートル近く離れた所だったから、昴はパニック状態になり頭が真っ白になった。そうこうしているうちに息が続かなくなって昴がやばいと思った瞬間、昴より星口さんが冷静になって自分のレギュレーターを外し昴の口に当てた。
星口さんがジェスチャーで「とにかく海面に上がろう」と伝えてきて、一つのレギュレーターで交互に息を吸いながら海面に上がった。二人とも海面に上がって昴が「ここから船に助けを呼ぶの難しそうだから、星口さんの残圧計後どれぐらい残っている?」と聞いた。昴に自分の残圧計を見せた。それを見て昴は余裕持って二割、限界まで使って三割だから一人だったら、余裕で助けを呼べそうだなと思い星口さんに「一人で船まで戻って僕の助けを呼んで来てくれる?」と言って、星口さんに理由を少しかみ砕いて言った。
星口さんが少し目つきが変わって「昴君を置いて行けないよ。ダイビングは二人以上が基本でしょ。まだ三割もあるから浅く潜って行ったら二人でも充分戻れるよ」と言いながら昴より星口さんが冷静だった。
「そうだな、パニックっていて基本を忘れていたよ」と二人はお互いの顔を見た。レギュレーターを星口さんが持って、二人同時に潜った。
今度は星口さんが昴をリードしてレギュレーターが一つだから、さっきよりジェスチャーで息を続くか確認しつつ船に戻って行った。
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