第2章 5話
「そんな事があったんだ」と言いながらも「何で星口さんに告白したの?」と鋭く聞いた。「仕事をし始めて、自分自身に余裕が無くなった時弥生のいつもの天然の優しさに冷めた感じがしてしまった」と情けなく言った。「そこにちょうど星口さんが昴と気があってしかも、命も救ってくれてそこから昴の気持ちもゆらいだ」と彩月は昴の事を呆れたが、そんな昴を弥生はほっとけないのだなと思えた。もちろん弥生の為でもあるが、現に私もそんな昴だからこそ心配でここに居ると思う。ここに居る私も榊部長さんも、もちろんここに居ない弥生も同じように昴がこんな性格で素直だからこそ、昴の事が心配で気になるから、彩月はある意味、昴の事が羨ましいと思えた。
「これから話す事は榊部長は知っている話だけど」と言ったら榊部長が「何の話?」と不思議そうな言った。
「彩月、びっくりしないでね。付き合う前の話だけど、本当に弥生と別れようと思って手紙を書いた」と言った瞬間、彩月はこれにはさすがにびっくりした表情で「星口さんに告白したのは昴だと聞いている雰囲気で分かったけど、星口さんと付き合ってないのに、どうして弥生と別れようと思ったの?」と不思議そうに聞いた。
昴はあの時なんて馬鹿な事をしたのだろうと思いながら「弥生には心配ばかりかけていると分かっていたが、もう僕の事心配しないで幸せになってほしいと言う手紙を書いた。今になったらそれは口実で僕は星口さんを好きになってしまって告白もしてしまったから、弥生には申し訳ないと思い、もう僕には弥生と付き合う資格は無いと思ったから」と言いながら、弥生の事を思ったらまた涙が出てきて顔をうつむいた。
それを見て榊部長は背中をさすっていた。「岡君、もうあの事は気にしなくて良いと思う。彼女さんも岡君の気持ち分かってくれていると思うよ」と慰めた。それを聞いた彩月は、星口さんが好きになったが、心の底から弥生が好きなのだなと改めて感じ瞬間、ふっと思い出したかように五年前の冬の事を思い出した。




