nAmBAr.12「フレイムシュート」
腕の重みは消え失せ、シャボンの膜はもう見えている。色が違う。透明な感じだったのが虹のシャボン特有の具合がより強い膜になっている。二発目を警戒しながらローニャが言う。
「この15からの領域は『フレイムシュート』か、またアームロック化とは響きの違う系統の罠ワードが来たね。にしてもじっとこうして太陽を見続けるのはしんどいね、それも向こうの作戦なのかも知れないけどさ」
「そうだな、シャボンの膜が妙に近い様に見えるのもその罠としての完成度を誇ってるからとでも言うか」
「とまれあそこまで行けばきっと10に到達するよん、そうすれば多分あの20が踊ってた休憩エリアと同様の事が始まるだろうさ。あともう一歩だ、頑張ろうニパ君」
ローニャがその言葉と共にこちらを見ると二発目が現れた。どうも警戒がどうのと言うよりはその警戒行為自体に価値が有る…?
「ローニャ、二発目が来たな」
「そうだねニパ君。これ端的に言うと変則のだるまさんが転んだ、だね。太陽と視線を外す時火の玉が加速して襲って来る。逆に言えば視線を太陽に向けている限りは安全が約束されると。まあその視線と言うのも二人分揃って初めて完璧って事らしいけど。うう~、あーしもう目が痛くて泣きそうだよーん。地球にはグラサンってアイテム有るんだよね? アレ、欲しかったなん」
「まあ言っても始まらないさ。無い物と有る物で有る物も結構有るだろ、例えば飲食の不必要性とかさ。まるでへその緒で繋がれた赤子のままこうして成人を迎えているかの様な不思議な感覚だとは未だに思っているけどさ」
「うーんそうだね、将棋の持ち駒じゃ無いけど手元に有る物でどうにかやり繰りするしか無いってのは同感だよん」
二人が太陽に視線を残し続けると言うのは並大抵の根気では無理で、ジリ貧で火球の進行を許してしまう事になる。そして我々は二発目の到来を留める事が難しくなって来たのでいっそぶつかって来いとばかりアイコンタクトをする事で視線を一斉に外した。急加速する火球、だがその加速も予期出来た事、ならば今回は前回の様な緊急回避の醜態は取らずとも済む筈で…!
「ローニャ、避けるぞ!」
「うんニパ君!」
二発目は二者の間を通過した、成功だ、火球は露の様に地面に溶け込み跡形も無くなった。だが二発目は二発目、三発目四発目の装填など造作も無い事だろう。私は三発目の到来を少しでも遅らせるべく太陽の方を見やる、案の定だ、休ませる気など無いのだろう、三発目はもう悪意の太陽から分離してこちらへと向かっている。と言っても我々もただその場で避ける事に専念している訳では無い、だるまさんが転んだ、そのゴールは鬼の所へ辿り着く事。まあこの場合そうは言っても遥か天高い太陽をやり過ごしてあのシャボン膜を破ると言う形式では有るが。
悪意の、で太陽がちょっと擬人化されちまったかね




