第三章・第三十九箱「嵐の前は静かだっていうけど大体風の音がうるさい」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
ここ二日、投稿をちゃんとできなかったのは。ワクチン接種してぶっ倒れてました。
しかもさらに酒も飲んでました!すいません!
では!どうぞお楽しみください!!
今日も今日とてアイドル活動に勤しむアークと未希。
今回は半ば強引に居候させられた伊達家からの出発だったのだが彼らの前に黒塗りの高そうなリムジンが現れた。
〇
「あれ?」
自分たちが待っていたのは迎えのGAO社員だったはずなのだがこのリムジンはどう見ても迎えには似つかわしくない
車のドアが開いて出てきたのは。
「やぁ」
「命代表!?」
「僕も出勤途中でね。道すがら君らを拾って仕事先まで送ってあげようかと」
驚いていたのはアークだけではない。
未希と隣にいた円香も固まっていた。何故なら二人ともこの男を知っているからだ。
「おいおい、未希ちゃんはウチに所属してるんだから驚かないでよ」
「あ、はい、そういえばそうだった。リベリオンズのフロント企業のアイドル部署に所属してたんだった」
「え!?それ初耳ですよ!?社名も違ったしアークがダブルワークでもしているものと!尚更未希がいて良い場所じゃないです!」
「おいおい、悪いけど今更未希ちゃん、いや、『THE・蘭姫』は手放せないからね。大きな仕事を初オーディションでとってきた有望株なんだから。それにTHE・蘭姫についてはちゃんとした契約もあるし。無理をすると色んな人々に迷惑かけちゃうけどそれでよければどうぞ?」
「う、うぐ・・・」
喚き散らしそうな円香の口を先回りして塞ぐ。さすが命代表だ。
「円香、いや、ギャラハット。心配しないでよ。ガレスを人質にしたり内通者として使ったりなんてしないから。他の幹部はどうか知らないけど僕はそこまで小さな男じゃないよ」
「じゃ、じゃあ行くね円香」
「気を付けて。いえ、本当に!」
アークとつるんでる時点で気を付けるも何もないと思うのだが。
〇
車の中ではニコニコの命代表とアーク、緊張して固まっているTHE・蘭姫の三人が沈黙の中にいた。
「どうしたの?暗いなぁ二人とも」
「いやー、完璧に代表のせいですよ」
「えー。僕は新しく入ったリベリオンズのお仲間に挨拶しに来ただけなのに」
「いや違いますから。別にこいつはリベリオンズに入ったわけじゃないから!」
「冗談よ、冗談」
「笑えないんですよ!」
アークとの談笑?の後でTHE・蘭姫の方をじっと見つめてくる。
「えーっと・・・なんですか?」
恐る恐る聞いてみるが。
「うーん、別に」
「そ、そうですか」
ただただニコニコしながら見つめてくる。超不気味である。
そんな空気の中、リムジンがGAOの本社へと到着した。
〇
「じゃ、頑張ってきてねー」
アークたちを送り出して命代表は車が見えなくなるまでこちらに手を振っていた。
「ぶはぁっ!?」
やっと止めていた息ができるようになってTHE・蘭姫の呼吸が戻った。
「なんなんですかあの人!?」
「さぁ?あの人の考えてることなんて俺わかんねーもん」
アークは命に対するイメージが更に混沌としたものになっていった。
〇
「命代表」
「ん?なぁに」
よくみると運転手はあの褐色銀髪美人秘書であった。
「彼女を野放しにしておいていいのですか?放っておけばリベリオンズの害となるやも。洗脳でも施してこちらの戦力として迎え入れた方が…」
「だめだめ。言ったろ。彼女らピュアリィナイツたちも『本能解放』の対象だって。彼女らにはカクメイダーがどれだけ人類にとっていい作用を施すかを知ってもらいたいんだけどなぁ」
「『言いたいことも言えないこんな世の中に押しつぶされ死んでいく人々を救う』貴方のその崇高な使命に共感して私たちは付いて来たのです。邪魔になりそうなものは」
「だーかーらーダメだってば。洗脳とか特にだめだよ。それは僕が一番嫌悪するやり方だ。本能解放ってのは本来自発的に行われなければいけないんだ。誰かから強制されればそれは本能解放じゃなくなる。カクメイダーは彼らの押し込められた心を引っ張り出す手伝いをするだけ。浄化されてもカクメイダーであったころの気持ちは残ったままだ。そして一度本能解放を体感した人間は変わる良くも悪くもね」
「そうでしたね。代表の目的を達成するためにもピュアリィナイツはあのままでいてもらわねばならなかった。愚問でした。お許しください」
「いいよぉ。僕もやってることが回りくどいことぐらい分かってるさ」
彼の心は誰にもわからないが彼の目的は本能解放の先にあるようだ。
彼が目指す先の世界とは。何故そこまで心の内を晒すことにこだわるのか。
〇
「というわけでお二人の衣装は対照的な黒と白で、シックな大人のメイクと明るくかわいいメイクどちらも簡単にできるというのを前に出す方向で・・・」
「なるほど」
「黒ならゴスロリ着て良い?」
「ダメです。こちらが用意したドレスでお願いします」
「ちぇー」
「THE・蘭姫さんは何かご要望はございますか?」
「え、えっと、私の髪色って地味じゃないですか。少し明るめにしたいのですが」
「それならかまいませんよ。こちらからも提案しようかと思っていましたし」
「じゃあ、どの色ならいいですか?」
「そうですね」
THE・蘭姫は担当者からどの色ならいいかを伝えられ、専属のスタイリストへと連絡する。
「では、明日からの撮影。双方とも抜かりなきように」
「「はい」」
「そしてアーク。貴方は」
「はい?」
「ちゃんとした格好で来るように!」
「?。今だってちゃんとスーツ着てるじゃないですか」
「そのコスプレの上からね!まずはそのコスプレを辞めなさいと言っているのです!!!」
「すみません。もうこれ俺の体なので。脱いだりできないんですよ(マジです)」
「またわけのわからないことを!・・・もういいです!貴方はスタジオに入れませんので。外で待機していてください!スタジオには他社の方々もいらっしゃるしどう考えてもわるめだちしますから!・・・全く、命代表はなんでこんなのを」
という事で解散となった。
明日は待ちに待ったCMの撮影である。
〇
その夜。アークたちは伊達家へ帰宅すると明日の撮影について話し合うことに。
「スタジオに入れなくなっちゃったー」
「いや、なっちゃったーじゃないでしょ!もし何かあったらどうするの!?なんでそのコス脱いでこないの!?」
「だーからこれは俺の体だっつってんだろ」
「アークのこだわりはわかるけどさ。これ以上不信感買ったら降ろされちゃうよ?」
「その場合はまた別方向からアプローチする。まぁ今回のCMを成功させればいいんだよ。終わりよければすべてよし。コスプレプロデューサーの前例がないなら結果を出しまくって認めさせてやりゃいいのさ。その為にも頑張ってくれ」
「もぅ、わかったよ」
未希はしょうがないなぁと笑みをこぼした。苦笑いしながらもアークを信頼しているのだ
「髪色だけど今のうちに変えるぞ。明日だと面倒だから」
「え?でもスタイリストさんとは現場でって」
「なんかあって髪色変えられないってなったらそれはそれでまずいからな。こっちで出来る事は今のうちにやッとこう。まぁすぐ済むから」
そう言ったアークの背後からクラーケンがにゅるんっと伸びてきた。
「え、いや、それはちょっと・・・」
「大丈夫だから、痛くないから、刺さるとしても先っちょだけだから」
「いやあああ!?」
少し強引なヘアメイクが開始された。
そんな二人のイチャイチャ?している様子を扉の陰から除く者がいた。
(キィイイイイ!!)
古典的にハンカチを噛みしめながら嫉妬の視線を送る円香であった。
(ずるい!ずるい!ずるいいいいい!!あんなにイチャイチャしてええええ!)
数分後アークの施術が終わった。
「よっし、後はしばらく待てば色が定着すっから」
「うー、早いのはいいけどすっごい頭に違和感が…」
「しばらくすればなくなるよ。じゃ、俺は風呂入ってくる」
「いってらっしゃい」
(!!)
アークは部屋を出ると風呂場の方へ。そしてその後ろをニヤケ面の円香が尾行していった。
〇
『中身を手入れするのも久しぶりだな』
風呂の中からごしごしという音が聞こえる。
(こ、これはよくある。お風呂場で鉢合わせパターン!!)
服を脱ぎ捨てて風呂のドアに手をかけ、思いっきり開く!
そこには!?
「ん?お前、裸で何してんの?」
アークが自分の頭を取り外して洗っていた。
あまりの衝撃シーンに固まってしまう円香。
「まぁ、とりあえず」
バリバリィ!!
いきなり円香の体に電流が走った。
彼女はそのまま気絶してしまう。
「全くこいつは羞恥心ってもんがないのか?」
アークは円香の体を拭いて服を着せると彼女の部屋まで運んであげた。
そして自分の部屋に戻ると未希は既に眠っていた。
「よく寝てるな。さてと」
アークは眠る必要がないので家の屋根のてっぺんに上って警戒態勢に入った。
少しでも外獣の気配を察知したら動けるようにだ。
「次のCM撮影、あいつも動くだろうな~」
アークはもうすぐタッツーが行動に出ることを予感していたのだった。
つづく
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