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転生して1/10プラモになったら村の守り神に間違われた話。  作者: 海人藤カロ
第三章「転生したら敵役のロボットだった話」
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三章・第三十二箱「艶消しの有り無しは好みがわかれる」

おはこんばんにちは海人藤カロでーす。

三十二箱、とうこうかんりょうでーす。どうぞお楽しみください!

 未希こと『THE・蘭姫』の初めてのオーディション。会場の控室で彼女は網戸 紅という紅色の髪のゴスロリ少女と知り合った。

 彼女は『レッド』という芸名でデビューするらしい。方向性の違う二人の出会いがこれからどんな運命を導くのであろうか?



「へぇー、親から家を追い出されそうになって家出したら今のプロデューサーにねぇ」


「うん、紅ちゃんは?」


「紅ちゃんじゃねぇ!今のアタシはレッドだ!」


「ごめん!レッドはどうして芸能界に?」


「アタシはスカウトかな。同人誌即売会とかで自分の写真集とか出しててよ。結構人気なんだぜ?そこにスカウトが来てこの通りさ」


「ほぇ~、すごいんだねぇ。私は逃げ出した先で運よくこうなっただけだから。レッドは自力でここまで来てる。頭が下がるよ」


「なーに言ってんだよ。運も実力!この世界じゃな。『運』こそが最も重要なファクターだっつっても過言じゃないんだぜ?」


「そ、そうなんだ」


「いいか!芸能界ってのはなぁっ!!」


 そこからレッドの芸能界がどういう世界、決まり事、暗黙の了解というものを熱弁してくれた。


「だからお前は他人の事なんて気にせず自分らしくやりゃいいんだよ!」


「レッド。ありがとう」


「漫画だと最後にお互い頑張ろうっとか言うとこなんだけどな。悪いけどアタシはそこまで優しくねぇ。勝つのはアタシだ!!」


 THE・蘭姫はレッドのその芸能への姿勢に気概に心底感服した。

 もし自分がこういう人間であればもっとましに家族と付き合えただろうと思えるほどに。 

 今の自分では勝てる気がしないと考えそうになった。


(あっ)


 しかし、そこでアークのことを思い出す。

 ここで負けを認めてしまったら彼にしてもらったこと、四十三コーチ、亞里亞トレーナー、鴉揚羽先生から習った全てを否定してしまう。

 そう、自分が何のためにここに来たのかを思い出した。自分を変えるために、もう二度と『自分に負けない自分になる』ためだ。


「か、勝つのは・・・私でしゅっ!」


 ・・・噛んだ。


「くくっ・・。ああ、その意気だ!」


 握手を交わして人がいなくなったワゴンへと向かう二人。既にオーディションの火蓋は切って落とされていた。



 マネージャー、父兄控室ではアークの存在がとても異彩を放っていた。

 皆スーツなどのきちっとした服装をしている中で一人ロボットのコスプレがいるのだから当然だ。

 場の空気が完全に凍り付き、皆押し黙っている。

 そこへ控室のドアをたたく音がして誰かが入ってきた。


「やっほー、頑張ってるかーい?」


 それはリベリオンズ(フロント企業ではオリベリ)代表の大革命であった。


「み、命代表!?」


 いきなり命の前に躍り出て土下座をし始めるオッサンがいた。


「こ、この度は我が事務所のアイドルを斡旋していただいて本当にありがとうございます!!」


「いやー、部下がアイドル部門を立ち上げたいとかいうもんでね。ウチで扱うアイドルにライバルぐらいいた方がいいと思って人材を探してたら君の所に面白そうな娘がいたからさ」


「いえホントにもう!ウチの『レッド』も超有名化粧品会社『GAO(ガオー)』のCMのオーディションを受けられると知ってもう!ホントに喜んでおりましてもう!!感謝の言葉もございません!」


「感謝はちゃんと言葉にしてほしいな」


「す、すみません!?ありがとうございまああああす!!」


「あ、ごめんね。今日はちょっと別の要件でね」


 そう言って命はアークの方へ視線をよこす。そしてアークを手招きした。

 アークは命と共に控室を出て行った。

 残された関係者たちはとても困惑していた。


「あのコスプレ男、命代表とつながりが?」


「ほら、命代表が部下がアイドル部門作るからーとかいってただろ」


「アレが部下?あんなの雇ってるんだな。命代表は独特な感性をお持ちなのか?」



 アークは命と共にGAOビルの屋上へやってきた。


「アーク、キミの手腕を確かめるためにそこそこ出来そうな娘を当て馬にさせてもらったよ。もし勝てなければアイドル部門は潰す」


「ああ、そういう」


「あら?驚かないんだね」


「あーんな顔文字の付いたOKの返信だけで部門作れるわけないと思ってましたし。何らかの試験はあると思ってましたんで」


「それともう一ついいかな?」


「なんですか?」


「君は最終的に彼女を、ガレスをどうしたいのかな?」


「あー・・・」


 気づかれていた。いや、命なら気づいてもおかしくはなかった。

 だって何度もアイツらと戦ってきたなら本名知っててもおかしくないし。

 一応、未希の宣材写真と資料は送ったしな。


「アイツの『本能解放』が終わるまでは面倒見るつもりです」


「・・・ほぉ。ガレスを本能解放させると。ってことは気づいたのかな?アークは」


「命代表、アンタはピュアフィリアの連中と元々仲間だったとかそんな感じですか?」


「ふふふ、正解」


 もったいぶらずに普通に答えてくれた。


「まぁ、正確にはリベリオンズを創設したご先祖様がだけどね」


「ご先祖様・・・」


「オーディションが終わるまで時間もあるし昔話をしてあげようか。題して『リベリオンズができるまで』」


 というわけでアークはリベリオンズの歴史をご拝聴させていただくこととなった。



 アークと命の昔話と時を同じくしてオーディションの方も始まる。


「では、一人ひとり、メイクを見させていただきます」


 五人の審査員たちが最初の参加者へ詰め寄る。

 いよいよGAOのCMオーディションの開始である。



つづく


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