三章・第三十一箱「リアルロボットにメイド服とか着せるのはどうかと思う」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
今日も今日とて日を跨いでの投稿だー。帰りが遅いといつもこうだー。
でももう何回も謝ってるので。これ以上は謝りません!!これが最後です。毎日投稿とか言っといて0時回ってごめんなさい!!
ではお楽しみくだせぇ。
アイドルになる最初の一歩、中学生向けの化粧品CMのオーディションへ送り出された未希は意気揚々と会場へ乗り込んでいった。
アークは別室で未希が戻ってくるまで待機しているように言われているのでそちらに向かう。
そんな彼らのことを物陰でコソコソと観察している奴がいた。
〇
「チックチョー。このままではガレスも覚醒してボクチンの細胞を体から排除してしまうでチュー」
アークたちを見る奇妙なまなざしはこの外獣のものだった。
(だがあいつが朝美に話したことを朝美の中に残していた細胞たちから聞いておいてよかったでチュー)
タッツーは体をぐにょぐにょと変化させて下水道の中へと入っていく。何度か右折、左折を繰り返して出てきたのは未希がこれからオーディションを受ける化粧品会社のトイレの便器の一つだった。
便器から這い出てまたタツノオトシゴの姿に戻る。
その時、トイレに近づいてくる足音がしたので咄嗟に掃除用具入れへ隠れた。
すると一人のスーツ姿の男が入ってきた。
「ふぅ、これからオーディションか。審査する立場というのも緊張するもんだな」
そう呟きながら用を足す男、どうやらオーディションの審査員のようだ。
(これは好都合でチュー)
バタン!
タッツーは掃除用具入れの扉を勢い良く開いて彼に襲い掛かった。
「なんだっ!?」
ぶじゅるぶじゅる・・・。
タッツーは男の口の中に頭を突っ込んでそのまま全身を侵食した。
脳も支配するのでこの男の情報もばっちり手に入る。
「ふぅ・・・。なるほど、なるほど。立場的には重役のようだ。オーディションでの決定権も高い。コイツを使えば未希を落としてこれ以上のアーマーブレスの解放は防げそうでちゅ・・・おっと、ふせげそうだな」
未希のアイドルへの道、ひいては新たなる力の解放を阻止するべく第三勢力が介入する。
〇
その頃、未希はというと。
ガタガタガタガタガタ!
緊張で健康ゆすりが止まらない。
控室の椅子に座っているだけなのに全身が振動している。
「貴方大丈夫?」
「はひ!?は、はいぃ!大丈夫ですよぉ!!」
心配して声をかけてくれた他の参加者の娘はどう見ても大丈夫じゃない未希に困り顔だ。
ほかの参加者はその未希の様子を見て一人減ったなぁと思って未希を鼻で笑っている。
その様子は彼女を盗聴しているアークも届いていた。
(ずっと一人ぼっちの孤独にさいなまれてきた陰キャが一か月特訓したとはいえいきなりオーディションは無謀だったかな?)
だが今更そんなことを言っても遅い。最初だし失敗してもいいとは思っているが最初が肝心ともいう。
一番最初に躓くとそれ以降立ち上がれない者も多いのが芸能の世界である。
(なんにせよ。未希しだいだな)
アークはこれ以上は余計なことはするまいと盗聴器のスイッチを切った。
それとほぼ同時に控室に化粧品メーカーの社員らしき人物が入ってきた。
参加者達は皆立ち上がり、お辞儀をして挨拶する。
「はい、おはようございます。では今からオーディションの説明をさせていただきます。貴方たちにはこれから今しているメイクを落としていただき、わが社の商品を使ってメイクをし直していただきます。自分が一番いいと思ったメイクができた方からオーディション会場へお越しください」
社員の後ろから化粧品を大量に積んだワゴンが運ばれてくる。それを置いて社員は控室を後にした。
社員が消えたと同時に参加者たちが化粧品の入ったワゴンに群がる。
『ちょっと!それアタシが使いたかった色なんだけど!』
『まだあるじゃない!そっち使いなさいよ!』
『ちょっとその化粧水アタシがねらってたのよ!』
キンキンとした叫び声が飛び交う中、未希は座ったままだった。
完全に出遅れてしまったのである。
(ど、どうしよ・・・。出遅れた)
「アンタも行かないの?」
「ひゃい!?」
隣の椅子に座っていた参加者の一人にいきなり話しかけられてびっくりした。
「い、いや。急いでも、何というか、メイクの構想も固まってないですし。残ったものでじっくり考えようかと」
完璧に言い訳だが。
「へぇ、アタシと同じ考えじゃん。ふぅん」
彼女は未希の姿をまじまじと見る。
現在未希は三つ編みを解いて長い髪にウェーブをかけて、メガネをコンタクトレンズにしている。
服装はヒマワリをあしらった黄色のワンピースを選択、しておりフリルの付いたソックスにロリータ靴を履いている。アクセサリーなどの金物はつけていない。
「ほうほう。いいじゃんアンタ。可愛いじゃん。清純派ロリータって感じで」
そういう彼女は全身ゴスロリである。
「あ、ありがとうございます。えっと」
「アタシは網戸 紅っての。芸名は「レッド」っていうんだ。よろしくね!」
「わたしは御手洗未希です。芸名は「THE・蘭姫」って言います」
「え!?何それ!死の呪文!?超かっこいいじゃん!!」
「あ、文字で書くとですね・・・」
テンションの全く違う二人の出会いは何を意味するのか・・。
つづく
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