三章・第二十五箱「アイドルを乗せて動くロボットを見てるとパイロットの操縦技術とアイドルのフィジカルどっちがすごいのかわからなくなる」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
未希とアークのアイドル大作戦開幕しましたねー。これからどうなっていくのか。
そしてこの現状をややこしいあの女が知ったらどう思うのか。どうぞお楽しみください!
ピュアリィガレスこと御手洗未希をアイドルプロデュースしようと考えたクォンタム・アークは命取締役社長に企画書を提出した。
帰ってきた返答はなんと・・・!
『いいよ、オッケー☆⌒d(´∀`)ノ』
〇
「と、いう事でアイドルやるぞ」
「どういうことですか!?」
「一応この契約書にサインしてくれ。くれぐれもピュアリィナイツだってことはバレないようにな」
「他の幹部に会ったらすぐばれると思うんですけど・・・」
「あと、お前未成年だから後で親御さんの許可取りに行くからな」
「えっ!?」
「当然だろうが。未成年でアイドルやるなら許可いるよ」
「あの、リベリオンズって秘密結社なんじゃないんですか?許可取りに行くとか」
「ああ、ちゃんとフロント企業あるから。そっちの名前使うから大丈夫」
アークは未希にフロント企業の名刺を渡す。
『株式会社オリベリ』
輸送から建設、町のどぶさらいにアイドル事務所まで何でもあります。何でもやりますが売り文句の総合企業。
ここに電話をかければどんな仕事も解決できるとCMでもやってる会社である。
本当にどんな依頼にも対応できるらしく様々な分野の研究施設、様々な職種のエキスパートたちを集めたいくつもの部署が存在する。
その中のアイドル部署に未希は所属することになるのだ。といっても今さっきアークが作ったばっかりで職員はアイドルの未希とプロデューサー兼マネージャーのアークしかいないが。
未希はまだ契約書にサインするのをためらっているようだった。その姿を見たアークは。
「本当に嫌ならやめたって良い。まだ企画書出しただけでキャンセルできるからな。お前が決めるんだ。俺は選択肢を与えただけだ」
相手は敵幹部だ。朝美が『敵じゃない』と言っていただけで自分を罠にはめようとしている可能性の方が高い。
しかし、この提案を袖にして自分に一体何が残るというのだろうか。
(どうせ、もうどうにでもなれって家を飛び出してきたんだ。今更怖気づくな!厚かましい!!)
ぐっと歯を食いしばって契約書にペンを走らせた。それをアークへと渡す。
「よおし。上出来」
〇
翌日。
アークは未希を連れてロボット姿のままで御手洗家へとやってきた。
そしてそのままインターホンを押して出てきた麗に経緯を話して強引に家の中に上がり込んだ。
今、リビングには未希の両親と未希、アークが顔を並べていた。
「と、言うわけでお子さんをこちらでアイドルとしてデビューさせたいのですが。いかがでしょうか?こちらアイドル寮なども完備しているので万全の状態でアイドル業に打ち込んでいただけるかと。しかも今回はこちらからスカウトさせていただいたので全て無料となっております!レッスン料や教材費など一切いただきませんので」
「うーん」
麗の方は顔を見る限り乗り気だ。丁度いいとでも思っているのだろう。
だが、厳次の方は難色を示していた。あれだけ担架を切って元妻から奪い取った娘を有名な会社とは言えアイドルなどという不安定なモノにしてそれが元妻に見られでもしたら実家や元妻の本家から大目玉を食らう事になる。そうなれば今までの後ろ盾を全て失う可能性が・・。
「あ、ご家族のプライバシーは完璧に保護いたしますよ。本名がまずいなら芸名でのデビューも可能ですし」
「よろしくおねがいします」
その一言で簡単に頭を下げた。
こうして難なく両親の了承も得ることができた。早速契約書にサインをさせて未希を連れてお暇しようとした時だった。
義妹である麗良が玄関から出てきた。何やら言いたそうな顔をしているが…。
「麗良ちゃん?」
「え、いや、えっと」
「おい、未希。先に車に戻ってろ」
「は、はい」
アークは未希を先に行かせて麗良と睨み合う。
「…いから」
「は?」
「姉さんに何かあったら許さないから。どんな手を使ってでもアンタの会社潰してやるから」
それだけ言うと彼女は家の中へ戻っていった。
(実の親ですら見送りにも来ないってのにな。義妹ちゃんは何であんなにお姉ちゃんのことを?)
アークが盗聴していたのは未希周辺だけだったので彼女については義妹で家では未希に冷たいという事以外全く情報がなかった。
考えてもわからないのでとっとと車に乗り、出発する。
「ほんじゃ、一か月後のオーディションに向けて特訓しますかねぇ」
「え!?お、オーディション!?」
「うん、ウチにある化粧品のCM制作の依頼が来てるのよ。ターゲットは中高生。ま、最初の小手調べってやつだな。一応他の事務所とかからも志望者来るから負けないようにな」
「ええっ!?」
「学校にはちゃんと通えるようにはしてるし。レッスンは放課後からだ」
「そ、その間にカクメイダーが出てきたらどうするんですか!?」
「行っていいよ。お前の管理任されてるの俺だからな。理由はどうとでもなるさ」
「それでいいんですか?その、幹部としては・・」
「いいんじゃない?だって『ピュアリィナイツに内通者を作った』ってことになるからな」
「えっ!?」
「ま、色々と情報を引き出させてもらうさ。お前からな!(特に外獣とかについて)」
ワザとらしくクラーケンに換装してアームをうねうねと動かして見せる。
(あ、ああ、どうしよーーーー!?)
ばれたら本当にピュアリィナイツから追い出されてしまう。いや、ホント、マジで。
未希の多難なアイドル生活が今始まろうとしていた。
つづく
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