三章・第二十四箱「踊るロボットは大体手足がぬるぬる動く」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
今回ガレスが大変なことになりそうになったりします。ではお楽しみください!
いつもながら日を跨いでしまう私をお許しください。(__)
自分の家を追い出されることを知った未希は自分の居場所を求めて家出をした。
しかし、行く当てなどあるはずもない、今の矮小な自分が仲間に頼るような図々しいマネはできない、こうなればもう誰でもいいかと考えた矢先だった。
彼女はいつもの黒いロボットと出会ってしまったのだった。
〇
結局コロッケを与えたことで家にまでついてこられてしまった。
しょうがなく部屋にあげて紅茶を入れて差し上げる。
「で、何であんな時間にあんな所にいてなんで俺に付いて来たわけ?」
「・・・」
理由を聞いても答えようとしない。ただうつむいているだけだ。
まぁ、アークは理由など聞かなくても彼女を盗聴して全て知っているのだが。
「理由言わんのなら出てけ」
「っ・・・」
追い出されたくないのかポツリポツリと今までの経緯を話し始めた。
〇
「まぁ、詰まるところもうどこにも居場所がないってわけか。そんでどんな奴の所でもいいから転がり込もうと思ってた矢先に俺と出会ったと」
「うん」
「俺とお前の立場、覚えてるか?」
「ピュアリィナイツと敵幹部」
「そうだな。それを理解してるなら俺に助けなんて求めるなよ」
「朝美が貴方は敵じゃないって。だから…」
あのお団子頭め。余計なことを吹き込まれたものだ。
実際、こうして危害を加えず保護してしまっているから否定しづらい。
(邪険にして、放り出して、本当に薄い本みたいなことになったら…。恐らくピュアリィナイツ自体が崩壊しかねないよなぁ)
アークは紅茶をすすりながら考えた。こいつの蟠りを解いてやるにはどうすべきかを。
(ま、何せこいつは今居場所を求めて彷徨ってる浮浪者。自己嫌悪の繰り返しでちゃんと居場所があることにも気づいてない。いや、場所はあれどもそれが自分のいて良い場所だと認められてない。ってことは今までの場所を引き合いに出しても無駄だな。新しい居場所を作ってやるしかないか。あ~、めんどくさっ)
紅茶を飲み干して未希の方を見据える。
「お前、どうしたい?」
「へっ?」
いきなりの質問の意図が未希には理解できていなかった。アークはそのまま続ける。
「親にちゃんと自分を見てほしいのか?家族として認めてほしいのか?」
「私はただ居場所が欲しい。ここにいて良いよって私を受け入れてほしい。隣に…誰かいてほしい」
「なるほどつまり、『自分をちゃんと認めてくれる人』が欲しいんだな?」
「え、う、うん」
「それって人数制限とかある?何人ぐらいいればいい?」
「い、いや何人でも別に」
悲しみの淵にいる人間でそこまで細かく考える奴は稀だろう。
アークは未希からの回答を内部コンピュータにインプットして彼女が今すべきことを演算し始める。
ガシャガシャガシャ・・・チーン!
<演算完了。彼女ノ生年月日、身長、体重、スリーサイズ、声紋、顔面偏差値、来歴、趣味趣向、星座、手相等カラ彼女ニ最モ適シタ行動ヲ算出シマシタ>
「なるほど。企画書作らなきゃ」
そう言ってクォンタムは自身と会社から支給されているパソコンをつないで資料作成を始めたではないか。
「え、あ、あの・・・」
「ああ、風呂なら沸いてるから入っていいぜ。バスローブとかバスタオルは脱衣場の棚の中にあるから。今日は泊めてやるからゆっくり入ってきな」
「いや、そうじゃなくて。一体何をやってるんですか?」
「企画書作ってんだよ」
「だからなんの!?」
「リベリオンズの宣伝用アイドル設立の企画書。取締役に提出してGOサイン出たらすぐ取り掛かろうと思ってさ」
「あ、アイドル?」
「お前作詞とかできる?俺、作曲ならすぐできるんだけど」
「ま、まさか」
「うん。お前を認めてくれる人たちをいっぱい作れて確固たる居場所も確保できる。ま、売れればの話だけどな」
「か、帰ります!!」
急いでアークの家を飛び出そうとしたがクラーケンに絡めとられた。
「逃がさん。お前は悪の枢軸の一人である男に助けを求めたんだ。必然、意味の分からない状況になるのも考慮してたんだろ?まぁ虎穴に入ってトラに食われたとでも思っとけ。それにも企画書のデータ送っちゃったし」
「そ、そんなあああああ!?」
御手洗未希をアイドルプロデュース☆彡計画。始動。
つづく。
では面白いと思ったらブックマーク、その他、評価、コメントお願いします!




