三章・第二十二箱「ロボットの自己修復機能はナノマシンを使ってることが多い」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
ここからガレス編がはじまります!ガレスこと未希ちゃんはアークとどう絡んでいくのか?
どうぞお楽しみください!
リボルトとアークの合体型カクメイダーを使っての本能解放はピュアリィアーサーの根性パワーによって粉砕された。カクメイダーエネルギーは十分に回収できたもののリボルトは不満そうであった。
〇
リボルトとアークは本社に戻り、報告書を作成していた。二人並んでパソコンのあるデスクに座っている。
リボルトだけがとても不機嫌そうな顔である。
「いいじゃないっすかリボルト先輩。今回もノルマは十分果たせましたし。機嫌直してくださいよ」
「いーや!不満だね!合体型を作るのに僕がどれだけ手間暇かけたか。毎回地下プラントの一角を借りてエネルギー分離機でカクメイダーの力を六つに分割してるんだ。カクメイダーエネルギーはすごくデリケートだから六等分する工程を少しでもミスったら大爆発するんだよ!それを毎回毎回、あんなでたらめパワーでやられちゃって…」
「手間暇かけた作品がぶっ壊される辛さは分からなくもないですがね。でもカクメイダーよりピュアリィナイツが強いのは明白でしょう?どんだけ改造しても所詮カクメイダーじゃあいつらは倒せないってことですよ」
ウィーン、カタカタカタ。
アークのデスクのプリンターから制作した報告書が出てくる。
「もうできたのか!?」
「ええ、おれタイピング得意なんですよ」
ほとんど内部コンピュータで制作したものをWi-Fiを通して出力したものだが。
「そんじゃ、今日の業務時間はここまでですね。お疲れさまでした」
リボルトに挨拶してそそくさと命に報告書を出しに行くアークをリボルトは怪訝な表情で見つめていた。
「何急いでるんだアイツ?」
〇
今は夜の九時。朝美は自宅の自室で火傷の傷を氷嚢で冷やしていた。
家族の前では何とか我慢してやり過ごしてバレずに済んだが早く直さないと心配をかけてしまう。
どうしようかと考えていると『コンコン』と部屋の窓を何かが叩く音が。
「?」
窓を開いてみると。
「よう」
アークがにゅっと顔を出した。
「やっぱり来たんだ」
朝美はにっこり笑ってアークを部屋の中へ迎え入れた。
「なんか、来るの分かってたって感じだな」
「うん。アークは私たちにケガさせたままで放っておける人じゃないでしょ?」
ほら、と。患部をアークの前に差し出してくる。
アークも話が早くて助かるとすぐにクラーケンで治療を始めた。
〇
「ほい、おわり」
「すごいね!もう全然痛くない!」
「その保護フィルムは明日の朝まで剝がすなよ。跡が残るぞ」
アークはそう言って部屋から出て行こうとすると。
「なんでタッツーを殺そうとするの?」
朝美がそんなことを言ってきたので振り返った。
「何でそう思う?」
「攻撃の仕方。私たちには死なないように配慮してるけど。タッツーに対しては絶対殺すって意気込みみたいなのがあった・・・と思う。勘だけど」
(なんて勘のいいヤツ)
アークは内部コンピュータに助けを求めた。そして出たてきた言葉が。
「俺、タツノオトシゴ嫌いなんだよね。目が気持ち悪い」
「ふぅん。言う気ないってことね」
「前にも言っただろ。おいおい教えてやるって」
「アークが悪い人じゃないのは知ってる。そんなアークが殺したいって思うタッツーって…。タッツーに一体どんな秘密があるっていうの?」
「他の二人もお前ぐらい察しがよくて俺の話聞いてくれればなと思うよ」
「アーク!」
「またな」
次の瞬間アークの姿はその場から消えていた。
「タッツーはまだ私たちに何か隠してるってこと?」
朝美は本当に勘の鋭い少女である。
〇
翌日の放課後。ピュアリィナイツはまた生徒会室を貸し切って会議をしていた。
会議のテーマは『この先どう強くなるか』というものである。
「えー、私たちはカクメイダーを退けてはいるものの幹部を倒せたのはレジーのみ。他の幹部、特にアークには惨敗を喫し続けています。マニアンとタッツーも加えて今後の私たちのパワーアップについて話し合いましょう!」
「惨敗してるのは円香だけでしょ」
「ともかく!まずはマニアン!貴方の祖国、ピュアフィリアの昔話を教えてください。もちろん初代アーサー、初代ガレスについてです」
「ああ、まずガレスなんだけど。彼女は・・・・」
皆がピュアリィナイツのさらなるパワーアップのヒントを話し合っている中で未希だけがうつむいて考え事をしていた。
(アークっていうのが現れてから円香もおかしくなってく。朝美もそれについて何も言わないし。敵もどんどん強くなっていってる。朝美はもともと強い、円香は新しい力を手に入れて幹部すら倒せるほどになった。あたしだけ何もできてない。なんか、居辛くなっちゃったな。ピュアリィナイツを始めたのも半ば強引に朝美に引きずられてやることになっただけだし。私がいなくても二人の力があれば・・・。)
「未希!聞いているのですか!」
「あ、ひゃい!?」
「どうしたの未希?なんか、暗いというか」
「未希が暗いのはいつものことでは?」
「じ、実はちょっと体調がすぐれなくて・・・ごめんね!私帰る!」
未希は荷物をまとめてバタバタと生徒会室を出て行ってしまった。
「未希!?」
「全く、未希はいつもあんな感じなんですから」
〇
未希はピュアリィナイツでの自分の立ち位置に悩んでいた。
何もできない、何も持っていない、役立たず。自身にそんなレッテルを張ってしまっていたのだ。
(ピュアリィナイツ辞めたいな。足手まといになるくらいならいっそ。でもあそこを失ったら私は)
そんなことを考えているうちに自宅の前まで来ていた。
大きなため息をつきながら彼女は玄関のドアを開ける。
「ただいま・・・」
その彼女の声に応えるものは誰もいない。
つづく
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