あとがきと、人物メモ ☆
「放蕩息子と蟲の姫」を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
以下、あとがきです。
(活動報告に書いたものと同一です)
前々から書きたかった暗い街のお話。
姶良の名前自体は(火山だし)九州辺りから拝借したカルデラなのですが、
街の景色は、夜に神戸の線路沿いを歩きながら作りました。
高架下沿いを歩くと、ぽつぽつと明かりの燈る店。どこかの店から漏れる笑い声。
そして遠くを見上げれば、神戸市街のビル灯りが見えていました。
それでも、そこかしこの影に溜まる暗闇には何か潜んでいそうな怖さがあります。
そんな、暗闇の中でも明るい声が響く場所と、そこから焦がれるような煌々と灯る光が、姶良の街のはじまりです。
そして蟲。
昔から昆虫が好きで、黴が好きで、それを組み合わせた生命体に。
夜光虫の映像を見てからあんな景色が見たかった。
ただただ、綺麗な景色が見たい、書きたいという欲望をぶつけてしまいました。
内容は軽いのに、どことなく重い文章になってしまった事だけが心残りです(笑)
ある日、唐突に思い立った「ボーイミーツガールが書きたい」。
細かい事を全部吹き飛ばして、夢の為に旅立つ少年少女が書きたい。と。
それが、このお話の始まりでした。
気が付けば男女逆転してましたね。
思いついた当初は、カリンが我儘王女で朔が大人しめの歯車技師(カリンと日輪を足して二で割ったような)だったのは今はもう懐かしい話です。
ただただ真っ直ぐに突き進む少年少女が書きたかった。
だから朔とカリンが旅立ったところで、このお話はお終いなのです。
本当はこの先どうなるか、妄想はあるのですが、
それを語る事はないかと思います。
主人公は二人ではなくなってしまうし、場所も姶良ではなくなってしまうので。
最後に、このお話を最後まで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。
□登場人物メモ
◆カリン(火輪)
『きみと一緒にいる時だけは、別の未来を信じる事が出来るから』
キャライラスト:himmelさま(http://1432.mitemin.net/)
月白種族の女の子、15歳。
イメージカラー赤、柘榴石。太陽。
長い黒髪に赤メッシュ。後ろで括った感じ。
ルーペを首から下げてて、いつでも蟲を観察する気満々。
袂に蟲を飼っている、ちょっと変わり者。蟲博士。
若干12歳にして原始菌の樹海を踏破する力がありながら、現実に絶望する少女。
割とクールな女の子。クールというか空虚?
小さい頃に天蓋の上に行ったことがあるが、その時に幼馴染の一人を失くしたため、その事に関してはあまり語りたがらない。
そのせいで今のクールな性格になったが、本来は熱血で粘着質の研究者肌。
あまり物怖じせず、何にでも興味を持つため、周囲はひやひやしている。
優しい兄の日輪が大好き。
◆サク(朔)
『さよならだ、姉上、母上――俺は樹海を越えて、外の世界へ『星』を探しに行く』
キャライラスト:himmelさま(http://1432.mitemin.net/)
宗主一族の男、17歳。
イメージカラー青、藍晶石。月。
髪の色は銀髪に近いうっすい金髪。ねこっけでくせっけ。目の色は青。
左側の髪を細く伸ばして三つ編みにしていたところ、カリンに居場所が分かるようにとそこに鈴をつけられる。
左手が義手(一見、義手とわからなくてもいい)で、首に大きな傷がある。
身軽。運動神経がいい。棒術は得意。
カリンの兄である日輪の親友(自称)。
小さい頃、やんちゃだった日輪が御苑に入り込んで見つかったことにより知り合い、友達になった。
二人で遊んでいる時に事故に遭って左手を切断、首にも深い傷を負う。お陰で、大きな歯車は今も苦手。
◆ヒノワ(日輪)
『仕方ないな、キミたちは。いつだってオレは振り回されて、心配するばっかりだ』
月白一族の男の子。18歳。
カリンの兄、腕のいい歯車技師。
イメージカラー緑。緑簾石。
目の色は緑。髪の色は黒に緑メッシュ。肩までは届かないけど、短髪ではないくらい。前髪長めで左右に分けてる。
服も緑系統。やせがた。
カリンとお揃いのルーペを首に下げている。
一度読んだ本の内容は忘れない。博識で、優しくて穏やか。カリンにはとてつもなく甘い。
しかし昔は、御苑に忍び込む程度にはやんちゃだった。
朔に対して深い負い目があるせいで今は大人しいが、本来は活発で過激な思想の持ち主。
◆シュクヤ(夙夜)/ナギ(凪)
『よし、行くぞー! 待ってろ、永久機関!』
月白一族の男の子。15歳。
カリンの幼馴染、二重人格の歯車オタク。
ヒノワの元で修行中の歯車技師。
イメージカラー黄色。琥珀。
目の色は琥珀、髪は茶髪。髪は長めで、ポニーテールできるくらい。
顔は中性的で、女性に見えない事もない。身長はカリンより頭一つ分大きいくらい。
凪は夙夜の双子の姉。カリンと一緒に『蓋』の上まで行く時に死亡した。
その時に、ショックを受けた夙夜が創り出した女の子の人格が「凪」
(夙夜)
のんびり屋。何を言うにも「たぶん」とつける。
歯車オタク。機械いじりが大好き。
人型の歯車機械を自作して「凪」を創るのが夢。
(凪)
はきはきと話す、しっかりした元気な女の子。
かりんを可愛がっている気風のいい姐さん。
夙夜よりよっぽど男前。
◆ユヅル(弓弦)
『天の上を目指すなどと言う戯言が通ると思うのか、朔。お前は母上の元へ戻るんだ』
宗主一族の女、20歳。
朔の二番目の姉。
イメージカラー紅。紅柱石。
朔と同じ髪色でポニーテール。長さはカリンより短い。
朔と似た感じの着物で、襷がけ。
御苑の警備・警護を束ねる。めちゃくちゃ強い。朔の格闘とワイヤーアクションの師匠。
母親に言われて朔を連れ戻しに来る。
奔放に生きる朔に苛立っている。
努力家。