部活動記録022〈乱舞、再び〉
影の時間は止まってしまった。
だが、火の手は止まることを知らずそのまま影の方へと向かっている。
遠くでは優太さんが住民の避難を終えていた。
「影君も早く行くよ!ここももうすぐ火災にやられてしまう!」
強引に腕を引っ張られてもそれを振り払った。
もう誰とも関わらずに死んでいきたい。
僕は勝負に負けた。
残された運命は『死』、それだけだった。
やっぱり俺は、あの時に死ぬべき人間だったんだ。
生きることが僕の最大の罪だ。
そう、僕の大罪だだ。
誰からも愛されず、誰も愛してはいけない。
「もう、構わないでください。早く逃げてください。」
向けられた好意を突き放し、誰にも知られず死んでいきたい。
神はそんなことことも許してくれないというのか。
「優太さん、お願いです。僕を置いて逃げてください。」
優太さんは僕の頬を強く叩いた。
「君はまた手放して弱くなるのかい?」
何故その事を知っているんだ?
「君の経験した世界を僕は知らない。けど、君の考えること、君の身になにか起こっているのかくらいは想像つくよ。きっと君は誰にも知られず死にたいと思ってるはずだよね?でもね、君があそこに入った時からもう勝手に死ぬことは許されないんだ。どんなに辛くてもね」
「じゃあ、、、僕はどうすれば、、、」
僕の胸に手を当て優太さんが言った。
「ここに誰かがいる限り、君が負けることは絶対ない」
目頭が熱くなるのがわかった。そして僕は感情が抑えられなくなった。
時間が止まっているようだった。
だが、さっきとは確実に違った。
「さぁ、とにかくここから逃げよう」
その時無我夢中に走った。
高台に逃げ、街を見下ろした。
消防車がすぐな駆けつけ、消火始めた。
火の拡大が遅かったおかげで3時間ほどで鎮火した。
「勝負は引き分けかな?」
後ろから神谷が歩いてきた。
その後ろには青柳もいた。
「せっかく死ぬチャンスだったのになんで手放したの?」
俺は青柳の胸ぐらを掴んだ。
「もう俺は手放さない。そしてお前を許さない」
「だったら実力で示せよ」
その時、スマホに着信が来た。
「出ないの?」
掴んでた手を離し、電話に出る。
「影君助けて!部室に変な人たちか乗り込んできたの!」
すぐに青柳の方を睨んだ。
「早く行ってあげたら?」
走って部室に向かった。
着いた時にはもう遅かった。
光も里中もうつりもコロンも宮野先生もいなかった。
そしてそこには見覚えのある紙が4枚。
『嫉妬』『色欲』『強欲』『怠惰』
この4つが紙にひとつずつ書いてあった。
そしてもう1枚。
黒い紙に赤い文字で『憤怒』
その一言が書いてあった。
「ガラララ」
部室のドアを開ける人物がいた。
「お久しぶりですね、偽騰さん。」
そこに居たのは五月雨がいた。
「その謎、私が解いてあげますよ」




