部活記録018〈パラレル・ワールド〉
頭の中で様々な記憶が行き交っている。
コロンとうつりが初めてやってきた時のこと。
里中が『ダスト』に目覚めた時のこと。
充のお父さんに文句を言いに行った時のこと。
神谷と対面した時のこと。
光がシュシュを外した時のこと。
光が俺に怒った時のこと。
光が本気で泣いたこと。
光が……
「はぁ!」
目覚めたのは家であった。
立ち上がろうとしたのと同時に激しい頭痛が襲ってくる。
味わったことの無いほどの激痛。
平衡感覚も失い、腹から濁流が押し寄せてくるようで耐えられずその場に出した。
それでも頭痛は収まらない。
自分には何も出来ず、ただその場で悶え苦しむしかできなかった。
声にならない叫び、悲鳴、唸り。
本当に自分が出してると思えなかった。
一体どのくらいたったのだろうか。
何分、何時間経っても頭痛は収まることを知らない。
影にはこの感覚にどこか馴染みがあり、胸が張り裂けそうになる。
そしてまた、意識が遠くなっていく。
・・・・・・・・
ぼんやりと見えてきた光景はとても楽しいとは言い難い場所であった。
雷がなる程の豪雨。
影は高架下で一人蹲っていた。
手には、刃渡り20センチ位のサバイバルナイフが握られていた。
その体はまだ幼く、20センチがとても長く感じた。
そして影は気づく。
これは過去の自分であることを。
5歳ほどの影は死のうと思っていた。
そのため、誰にも見つからない雨の日の高架下にいた。
誰かに見られたら罵声を浴び、その場にいられなくなってしまうからだ。
楽になろう。
その一心でナイフを首元に近づけた。
鼓動が早くなり、手元がおぼつかない。
寒さのせいなのか体が震え、思わずナイフを下ろした。
耳元では自分へ向けられた罵声や、焼けていく人の悲鳴。
そして、両親の声が聞こえた。
覚えてないはずの両親の声が聞こえてきた。
この時、僕は思わず涙を零した。
雨で冷え切っている頬を熱い涙が通って行く。
そして彼は立ち上がった。
立ち上がった先にあったものは、今までに見えてなかった色鮮やかな雲のようなものが見えていた。
……これ今の偽騰影という人間が生まれ変わった瞬間だった。
そして意識が戻り、倒れていた体を起こした。
頭痛も収まり、部屋を出た。
ドアを開け、歩みを進めた。
人気のない住宅街を歩く。ただひたすら歩く。
向かうべき場所は分かっている。
着いた先にはあの男、神谷信哉がいた。
「さぁ、お喋りでもしようよ」
その男は全てを見透かした様子をしていた。
「やっぱりここに来てたんだな、さっきも」
不吉な笑を零した男はこちらへ1歩、また1歩と近づいてきた。
空がくもり、辺りが暗くなってきても2人は気にしなかった。
時が止まったかのように




