15 作戦は粛々と
「精霊王。何か作戦はあるのか?」
学園へ乗り込む準備は整い
各部隊長が集まる中、王様が師匠に意見を求めている。
あれから、遅れてきた師匠と
王城前に魔法陣を描いた。
数人なら陣は要らないが、大人数を転移するには
魔術を合わせた魔法陣は必須だ。
魔法だけでは、補えないものがある。
魔力量の問題も多少あるが、それだけではない。
単純な魔法なら良いが、転移や攻撃もそうだが
組み合わせが複雑な魔法を
魔法陣や魔石、物に付与したりするのが魔術だ。
魔術は、それだけでも無いのだが
魔法よりバリエーションが豊富だ。
魔法と魔術を組み合わせる事で
ある程度、何でも可能になるのだ。
できない事は、出来ないのだが。
師匠は、何だか様子がおかしかった。
私の気のせいだろうか?
ケンカになるのは、いつもの事だ。
でも、今日の師匠は何かが違う気がした。
だけど、今は
お兄様を助けに行かなければ。
私は、気合を入れ直した。
師匠が、各部隊に指示を出していく。
先ず、最初に先攻隊が気配を消し
学園の周りに魔法無効化の陣と結界を張る。
学園内に居る者全てを、まずは学園内に閉じ込めるということだ。
闇魔法の事もある。
使用した者は勿論、協力者もいるはずだ。
ある程度の期間は学園内から出さずに
一人一人調べる事になる。
魅了に侵されている者は、魔法無効化の陣を
発動すれば眠りに就くと考えられる。
強力にかけられて居る者は、無効化が付与された
指輪や腕輪を付ける事にした。
勿論、学園内はコチラも魔法が使えなくなる。
なので、もしもに備えて魔具を使用する。
魔力量が少ないもの、ない者でも魔法が使える様にと作られた魔道具だ。
一般的に売られている物は、威力はそれなりになってしまう。
しかし、魔導士団の使用する魔道具は威力が凄まじく使えるので
この様な場合に有効活用出来るのだ。
それと並行して
貴族や商人の動きを探ることになる。
学園封鎖は、直ぐに情報を敢えてばら撒く。
その辺を調査したり探るのは
王家の中でも、一部にしか知られていない
王の番犬と言われる諜報部隊。
その全容は、王になった者しか分からない。
私の今回の役割りは、
先行隊が結界を張り終えたら、その中に浄化魔法をかける事。
そして
お兄様と第一王子を連れて帰ること。
闇魔法の件などは、お父様が中心に動くという事になっている。
私を心配しての事で、表だって動くなという事だ。
でもいい。
私は、お兄様が心配なのだ。
お兄様のケアに集中したい。
師匠も動いてくれている。
きっと
大丈夫。
作戦会議は終わり、速やかに各々が動く。
私と師匠も、魔法陣の前まで移動した。
まず、先行隊を学園の手前に転移させた。
すると師匠が
『落ち着いたら話をしよう。』と言ってきた。
やっぱり、なんか変だ。
その後は、バタバタと作戦を遂行した。
お兄様も、王子も酷かった。
元々の魔力量が多いからか、魅了が解けても
直ぐに眠る事は無かった。
ただ、魅了をかけていた例の少女エリアーナから
離れたくないと暴れる始末。
あんな、お兄様を見たのは初めてで戸惑いもあったが
それより、エリーエリーと叫びながら泣くとか
マジで、ドン引きだった訳で…
魅了魔法ってスゴい。
呆れた師匠が
思いっきり腹を殴り気絶させていた。
それにもドン引きだ。
王城に用意された部屋に2人を連れて帰り
ベットに寝かせた。
師匠が思いっきり殴ったので、回復魔法をかけ
寝ている、お兄様の額にキスをした。
早く、目覚める様に願掛けしながら…。
暫くして、お父様が一度 転移で戻ってきた。
お兄様が心配だった様だ。
寝てる兄を確認すると
「マリー、リュカは暫く起きないだろう。
起きるまでは、この部屋で保護する。
とりあえず、お前は家に帰って休みなさい。
後の事は心配するな。
マリーは、まだ子供なんだ。
神様との約束があるのは分かるが
父さん達に任せてくれないか?」
そう言われて
頷く事しか出来なかった。
帰る前に、王子の様子も確認して屋敷へと転移した。




