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ガレキ  作者: がっかり亭
17/46

No where

 タカラは、またアトリエに居た。

 とりあえず、道具や素材を整理していたのだ。

「まず原型材料は……」

 ファンド、スカルピー、ポリエステルパテ、プラ板、プラ棒、針金……

「えーと、パテが……」

 ラッカーパテ、光硬化パテ、木部用パテ、耐水パテ、エポキシパテ……

「細工道具が……」

 スパチュラ、デザインナイフ、ヤスリ、サンドペーパー、彫刻刀、ピンバイス、ニッパー、リューター、セラカンナ……

「スプレーが……」

 サーフェイサー、トップコート、離型剤、エアー缶……

「塗料が……」

 ラッカー、水性ホビーカラー……

「塗装関係が……」

 エアブラシ、筆、マーカー、マスキングテープ……

「接着剤が……」

 瞬間接着剤、セッター(硬化促進剤)……

「型関連が……」

 シリコン、レジンキャスト、簡易型取り剤、型取りブロック……

「他に液体ものが……」

 薄め液、バリアーコート……

「うーん、他にハサミとかライターとか一般に使うものを含めても、相当な量の道具使ってるなぁこれ」

 買ったはいいが全然使っていないものも多い。

 スカルピーなどはその筆頭だが、他にもダイヤのガラス切りなんかも持っていたりする。

 また、原型制作がラクになるように、ファンドを固めた棒や玉、切り出し用のレジンのブロックなども作ってある。

「何にしても、この世界にないものばっかだな。上手く使えばはじめのうちは勝てるかもしれないけど……研究されるとまずいな」

 そもそもレジンはプラスチック程度の強度しかない。

 今までの二戦はこの世界にない道具で、いわば奇襲したようなものだ。

 だが、一年も戦いが続くとなれば、いずれは対策を施されるだろう。

 そうなった際、素材では圧倒的に不利だ。

「でもなぁ……板金とか鋳造とかできないしなぁ」

 金属加工の技術は流石にない。

 せいぜい技術の授業でハンダゴテを使ったことがあるくらいだが、ハンダゴテは持っていない。

 つまり、強度を上げることは難しい。

「そうも言ってられないか。……勝たないと帰れないしな」

 呟いて、思い出す。

「……帰る……か」

 普通だったら、もっと死に物狂いで帰ろうとしているだろう。

 やはりタカラは己にその衝動が弱いことを、改めて確認した。

 しかし、そんな自分が好きなわけではない。

 変わりたいと、誰しもが思うような感情だって持ち合わせているのだ。

 だから、

 何かをしなければ。

 気持ちだけが焦っていく。

 そうして、暫く部屋の中をうろうろして、

「……そうだ! この世界にどんな素材があるか、町に行ってみよう」

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