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ガレキ  作者: がっかり亭
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16/46

「な、何を……」

「それはこっちのセリフですっ!」

 レキは顔を真っ赤にして叫んだ。

「何で……何であんな危ないことをしたんですかっ!」

「危ない、こと?」

「わざと敵に取り込ませたことです!」

「あ、ああ……そりゃ事前に言ってなかったのは申し訳ないと思うけどさ、敵を欺くにはまず味方からって言うか……」

「違います! そんなことはどうでもいいんです! 何でわかってくれないんですかっ!」

 レキは涙を浮かべ、

「あなたと私はリンクしているんですよ! 仮に初めから電撃が流されていれば、あなたはショック死していたかもしれない……っ!」

「あっ……!?」

 タカラは、それこそ雷に打たれたような衝撃を受けた。

 レキは作戦を黙っていたことに怒っているのではない。

 タカラが不用意に己の身を危険に晒したから怒っているのだ。

「私は、肉体が壊れても死ぬことはありません。でも、あなたは違います。死んだら、終わりなんですよ! 生きているんですっ! だからっ……だからっ……わああああん!」

 レキはついにぼろぼろと泣きだした。

「う……」

 タカラは、こんなに他人から心配されたのは初めてだった。

 だから、言葉が出ない。

 何かを言おうとして、手を伸ばすが、後が続かない。

 見かねてエポナがレキを抱きかかえた。

 髪を撫でられ、レキはぐしぐしと泣く。

「えぐっえぐっ……タカラさんの……ばかっ……!」

 タカラは茫然と見つめるだけだった。

 その背中を、どん、と押す者がいた。

「わっ……!」

 振り向くと、そこに居たのはヤミタだった。

「バカが。何を(ほう)けているんだ。さっさと行け」

「行けって……何を……」

「斬り捨てられたいのか」

 ヤミタは腰の剣に手を伸ばす。

「わ、や、やめろよ」

「いいから行け!」

 タカラは、ヤミタに脅される形でレキの前に出た。

 レキはまだエポナの胸の中で泣いていた。

 その眼が、タカラの方に向く。

「あ、そ、その……」

 じとー、そう音がしそうなほどレキは見つめている。

 泣いて、目は真っ赤になっている。

 そうだ。

 泣いたんだ。

 おれのために。

 だから――

「ごめん」

 タカラは頭を下げた。

「心配かけて……ごめん」

「……」

 レキは、エポナから離れ、ゆっくりタカラの方へ歩いて行く。

 怒っている。

 タカラはまた頬を叩かれる覚悟をし、目をつむった。

 しかし、


 こつん、


 来たのは、小さな衝撃。

「え?」

 頭のてっぺんを、軽く小突かれたのだ。

「……これで、許してあげます」

 レキは、泣き腫らした目のまま、笑った。

「……反省して、下さいね。……今回みたいなことは、ダメなんですから……」

 ぎこちない、笑い。

 だが、それはタカラの胸を打つには、充分の笑みだった。

「……ああ、約束する」

「じゃあ、指きりしてください」

「うん」

 タカラは、この世界にも指きりはあるのかなどと無粋なことは聞かず、小指を差し出した。

「指きりげんまん、ウソついたら槍千本飲ーます。指切った」

 槍?

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