狩衣の男・・・・
出雲の隠された歴史、素戔嗚、大蛇・・・・・・
数々の謎が生み出した激闘の数日が終わってから数日がたった。
今なをその疲れがあるのか、響も香澄も誰もが寝静まっていた。そもそもあの戦いで生き残れること自体が奇跡といってよかったのかもしれない。
それほどに夜鳥の力ははてしなく、想像が追いつかないレベルだったのだ。
「終わりましたね・・・・・」
「ああ・・・・・」
その手にはコップを握り二人は酒を飲んでいた。祝杯というわけではないだろう。
むしろ、今から話すことのキッカケといった感じだ。
「栄吉さんは・・・・・響を何故・・・・・戦場へ?」
「ああ・・・・・・」
栄吉はコップに入った酒を飲みほす。
「響曰く、生と死の狭間というところで素戔嗚に出会ったそうだ・・・・・・そしてお前の所へ向かえと言われたらしい・・・・」
「それで・・・・・」
一真は栄吉に酒を注ぐ。
数秒の間をおいて一真がしゃべる。
「あの勾玉の事も栄吉さんが・・・・・」
「ああ・・・・・あれは響が夜鳥に心臓を貫かれたところに落ちとった・・・・・・もしやと思い持って入ると響きに近づくにつれその輝きを増していった・・・」
栄吉はすぐさま酒を飲みほす。
「一真よ・・・・わしはあれを響に渡したが・・・・あれは、まさか・・・」
「・・・・・多分・・・・・あの勾玉が響の封印を担っていた物でしょう・・・・」
「・・・・やはりか・・・・・」
「というより、まだ封印をしているといった方がいいかもしれません・・・・」
「??どういう・・・」
「現に俺が暴走した響に勾玉を押し付けると、吸収されるようにして暴走が止まりました・・・・・・まだ・・・・・二、三はただの封印以外の要素があるはずです・・・・・それに・・・」
一真も酒を飲みほした。
その行為に栄吉も首をかしげたくなる。それほどにまで珍しいことだった。
「あの式は・・・・神世七代・・・・別天津神並の封印式です・・・・」
その言葉を聞いた瞬間、栄吉はコップを落としそうになる。
「まさか・・・・」
「夜鳥が言っていました・・・・・・響が悪鬼を殺していると・・・・・実際あいつは羽島京子さんの息子を助けていた」
「確かに・・・・」
「おかしいんですよ・・・・・・俺は響が暴走した時その神力を感じ取っていたのに羽島京子以前では全く感じれなかった・・・・・にもかかわらず、夜鳥はそのことを知っていた・・・・」
「??どういうことだ・・・??」
「条件は分かりませんが、俺が近場にいても分からないほどの結界でよ」
コトリとコップをおく。
「・・・・どちらにしてもあの封印は天津神のトップレベルの封印術なのは確かですよ・・・・」
そして・・・・・・そう一真はつなげる。
「さっきも触れましたが・・・・・・夜鳥はなぜ俺たちが気づけない神の封印式を気づけたのか・・・・・・・」
「前にも話したな」
「ええ・・・・・夜鳥以外に響のことを知っていたのは黒い狩衣の男・・・・」
「夜鳥とつながっているかもしれんということか」
「というより、その狩衣の男が夜鳥に情報を流していた。少なくとも夜鳥が教えたということはないですよ」
「・・・・ずいぶんと言い切るな」
「あの話し合いの時、俺達は『夜鳥が素戔嗚の血を強化の為に狙っている』そう結論づけていましたが・・・・結局は違った」
酒に手を伸ばすペースがだんだんと速くなってくる。
それと反対に、体は寒さを増している気がしてならない。
「だから俺の考えも間違っていたんです。血を奪わなかった狩衣の男。血を奪った夜鳥。その二人の違いが素戔嗚の血の隠された大蛇復活という力があると分かりました。・・・・・ここまでは、合っていたんです。でも・・・・同じ目的をもっていたと思われる、二人。狩衣の男は奪わなかったが、夜鳥が奪ったということは・・・・」
「狩衣に男は夜鳥が知らない事を知っていた。そして何よりそれが大蛇復活のためには重要だった。ということか・・・・・現に大蛇の封印式の解除は不安定だったそうだな」
コクリと一真はうなずく。
一真が封印石の場に現れた時、封印石は血を受けてなお順調には解除されていなかった。
そして響が暴走したタイミングと同じくして、いっきに解き放たれたのだ。夜鳥にキーとなる素戔嗚の血を抜き取られていながらも。
「狩衣に男か・・・・」
今にも後ろに現れそうなその男に一真は恐怖を感じれずに入られなかった。
その言葉を皮切りに静寂が訪れる。
ただ二人とも、酒を入れ合い淡々と飲む。
「『神隠し事件』は終わっていない」
「・・・・・・・・・・え?・・・・・・・・・・・・」
不意に一真が告げるその一言が栄吉の思考を飛ばす。
ピタリと栄吉の動きが止まってしまう。
自身にとっても大切なものを失った日だ。
「すみません・・・・場を混乱させたくなくて黙っていました。・・・・・傀儡の悪鬼が・・・・・そういったんです・・・というより傀儡の悪鬼の時も今思えば響だったんでしょう・・・・」
それ以降・・・・・会話が途切れた・・・・・・
二入とも何を言っていいか分からないといった状態だ。
「神隠し・・・・事件・・・・」
その言葉が雄弁に事件の内容のひどさを伝える。
解決したと思ったら、見つかる新たな謎。
より深い場所にある新たな謎が生まれる。
そのことを知るのはこの二人。
この二人が死ねば・・・・真実への手がかりは闇のかにに消え去る。
とてもじゃないが、勝利を喜んでなどはいられなかった。
これにて現代神様はおわりです。
終わりまして自分のクソ度を改めて実感しました。
とてつもなく読みにくい!!
そこを直していきたいです。
伏せんみたいな終わりでした。
次を書くことがあれば頑張りたいです。




