エピローグ1闇に潜むもの
「あらあら・・・・・・夜鳥君はダメだったみたいだねぇ・・・・・」
真っ黒な狩衣をかぶった男はクスクスと笑いながらその様子を見ている。
「しかし惜しかったな・・・・・・もう少しで封印が解かれたものを・・・・・」
「素戔嗚の血がもっとしっかりとしていれば淀みなく行けたんだけどね~」
「まぁしょうがないといえばしょうがない。あんな状況になるなんて誰もが予想できんかったことだ。」
「まぁ・・・・・しかし、クソ。うまくいっていたんだけどな・・・・・その分いい結果も見れた」
「しかしさすがは加具土命。あの様子だと僕の考えを読み取っていたようだね・・・・」
「しかしむしろ、といったところか・・・・・あれだけの対話でよく見抜いてくれたわ」
独り言をブツブツと呟くその男は立ち上がり歩き出す。
「で、できたらどうだ。こそこそ嗅ぎまわっているのは気づいているよ」
その言葉を合図にその男の後ろから黒い渦が生まれる。
夜鳥が表れた時と同じものだ。
その中から一人の人間、いや一人の悪鬼が表れる。
見るからに優男だった。
髪は方ぐらいまでか、病弱な様な雰囲気を出している。
「彼はね・・・・・夜鳥は僕の古い親友なんだったんだけど」
「それは残念だ。彼は今さっき消えてしまったよ」
知ってる。
その悪鬼は端的にそう答える。
「いろいろなことを僕に教えてくれたし、彼の話すことは僕をわくわくさせてくれたんだ」
「それで?」
「君だろ?夜鳥に素戔嗚の事を吹き込んだのは・・・・」
「そうだとしたら?」
「うん・・・・・そうだとしたら僕は君を許しちゃおけないな!!!」
その男は腕をクロスするように振るう。
するといくつもの黒い空間が出来そこからいくつもの悪鬼が表れる。
その様子はまるで傀儡だ。
「ふうん・・・・・いい力だ。すごい怨念も感じる」
くるりと振り向き黒い狩衣を着た男はその男を見る。
「やりなよ」
狩衣の男は腕を広げそう告げる。
さすがにその言葉に病弱な男も疑問が浮かぶ。
「やれるもんなら・・・・・・」
「!!!!」
その瞬間狩衣の男を中心にどす黒い怨念が噴き出した。
それを感じ取った瞬間、男は戦意をなくしたように傀儡のような悪鬼をしまう。
「まさか・・・・あんたは・・・・・」
「さあね・・・・そのうち分かるだろ・・・・・とりあえず」
すると狩衣の男の姿がうっすらとかすんでいく。
「時間切れだ。また会う時を楽しみにしているよ。『化けの悪鬼くん』」
そして完全に狩衣の男の姿は消えてしまう。




