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現代神様  作者: 有富有馬
20/23

最終章6 ~大蛇の因果~

 「大蛇の封印が・・・・解けた?」



 同じくその光景を見た、夜鳥も何がなんだかわからなくなっていた。



 何故封印が解けなのか、意味が分からない。



 意味が分からないが、しかし大蛇の封印が解けたのだ。



 それを意識し、響のほうを改めてみる。


 

 「お前は・・・・・」



 夜鳥の顔には今までにない表情が浮かんでいた。



 恐怖の表情が。



 「お前は・・・・・」



 その言葉がきっかけだった。



 黒い霧を纏った響が、夜鳥に飛び込む



 今までにない荒々しい攻撃で、世鳥の胸を切り裂いたのだ。



 夜鳥の体が大砲のように吹き飛ぶ。



 「う・・おお」



 夜鳥が目を見開いたとき、すでに響は夜鳥の目の前まで来ていた。



 風を纏った拳が夜鳥を襲う。



 そのまま夜鳥がまたもや吹き飛ばされ封印石に衝突する。



 大木がまるで石を持つかのように夜鳥を上空へと吹き飛ばす。



 落下する夜鳥に対して、水と砂鉄が押し上げる。


 

 この時点で夜鳥の死は確定していた。



 あとは形を模る怨念が勝手に消えていく。



それでも響の攻撃は止まらない。



 押し上げられた夜鳥を風の拳で下へ殴り飛ばす。



 しかし大木が夜鳥を落下する前に縛り上げた。



 すでに地上に降りた響はその手に力を込めている



 雨が、川の水が、大木の節々がブラックホールのように響の拳に引き寄せられている。

 


 「暴走してやがるのか!!!」



 その光景をうっすらながらも見ていた一真。



 その光景に戦慄を感じれずにはいられなかった。なぜなら・・・・・



なぜなら、今までの暴走とは全く違う。



 その姿はまるで悪鬼を見ているように思えて、一真はならなかった。



 響がその手の力を開放する。



 圧倒的な風が世鳥を大木ごと、今度こそ完全に消し去った。



 その余波が周りを包み込んだ。



 破壊つくされた地上に要はないといわんばかりに、その力は天をのぼり、なお、天候を荒々しくし始める。

 


 (どうすりゃいいんだ!!!)



 ここまで来たら雨粒が痛い。



 一真は今の状況に絶望しか感じていなかった。



 響は今までにない暴走をし、その上、収まる気配は全くない。



 そらに大蛇の封印が解かれた。こちらもどうしていいかわからない。



 わかっていることは頬っておけば世界は破滅に向かうということだけだ。


 

 響を見ると、力を持て余しているのか、大木の樹海で山を飲み込み、いくつもの水弾や風弾、鉄の礫をあたりになりふり構わず飛ばしている。今こうしてあたってないのが奇跡としか思えない。



 大蛇の封印石は、さらに力を放出し始めている。大蛇の頭の分かれか、すでにどす黒い霧が4つほどに枝分かれしていた。



 もうほとんど時間がない。


 

 さらに天候は悪くなる。



 さらに大蛇の黒い霧は枝分かれを始める。



 「くそ!!!」



 拳を地面に打ち付ける。



 どうしようもなかった。 どうしていいか全くわからない。



 いまのこの状況ではどちらひとつすら解決できない。


 

 そんな時だ。



 一真の拳に何かが当たった。



 こんな突風の中だ。石ころが飛んできてもおかしく和ない。が、何か鈍い光が一真の目を照らしたのだ。



 「これは・・・・・・」



 それは、碧色の勾玉だ。



 どこからこんな勾玉が来たのか?一瞬不思議に思うが、一真は思い出した。



 (そういえば、夜鳥の攻撃を食らったとき・・・・・・)



 世夜鳥が響に攻撃した時、響がつけていた勾玉が飛び散ったのを覚えている。



 不思議なことにその勾玉の中は、小さく光っていた。



 一真が手に取ってみた時だった。



 

 グルリ!!!



 響の禍々しい目が一真をとらえた。



 ユックリとユックリと響は一真に近づいてくる。



 その両手にはすでに風の力が宿っていた。



 「っ・・・・!!」



 絶体絶命だった。



 もうどうしようもない。あきらめかけたその時だった。



 悔しさのあまり勾玉がと握っていた一真自身の右手から妙な感じがした。



 「これは・・・・・・!!!」



 その勾玉を見たと同時に、砲口を上げ、響が突っ込んできた。


 一瞬にして響は近づき一真を蹴り飛ばした。



 その勢いのまま、マウンドポジションで一真を殴り殺そうとする。



 (やるしかない!!)



 痛がってなどいられなかった。



 いつもどお動いてくれない体に鞭を撃って一真は備える

 響きが拳を振り下ろす前に一真は響の胸に向けてその右手を押し付けた。



 するとどうしたことか、



 まるで、ガス欠を起こした車のように、響はユックリと気を失っていく。それと同時に、響きを纏っていた黒い霧も、そして長く伸びた髪も、青く染まっていた目もゆゆっくりと元に戻っていった。



 上に響が乗りかかる形になった一真は。右手を離さずに響をどかす。



 「・・・・まさか・・・」



 一真がその手を外すと、そこには先程の碧色の勾玉があった。



 その光はまるで何かに吸収されるかのようにどんどん小さくなり、最後には消えてなくなった。


 

 とりあえず響の暴走は止まった。



 しかし



 しかしだ。



 まだ安心するには速すぎる。



 天候も元通りになっているが、大蛇の封印石だけは前にもまして、その勢いを増している。



 すでにその分かれている黒い霧は七つになろうとしていた。



 恐らく八本すべて現れた時、大蛇の封印は完全に解けてしまうのだろう。



 「しかしどうやって止める!!?」

 最悪な状況だ。



 一真が知る唯一の止める方法は復活前に響の血を引き抜くことだ。



 しかし血は夜鳥が引き抜いている。



 これでは先の方法は使えない。



 一真も確認はするも封印石から響の神地からは感じれない。

 


 手の打ちようがない。



 すでに七本目の頭は終わりに際しかかっている。




 「どうすれば!!!」 



 そんな時だ。



 ヒュウウウ!!!



 という強くわないが、厚さがあると言ったらよいのか。そんな風が一真の後ろからやってきた。おもわず一歩前に押されてしまう。



 一真が焦りながも振り返る。



 そこには右腕を上げた響がいた。



 「なんだ・・・・まさか・・・」



 一真の中で期待感が生まれつつあった。



 響の手に風が集まった。



 そよ風のような優しい風が。



 そしてそれが過ぎ去ったあとにはある物が現れた。



 一真は数秒だまりこんだ。



 「なるほど・・・・そういうことかよ!!素戔嗚さんよ!!!」



 一真の顔に笑みが浮かぶ。



 ソレを受け取ると最後の力を振り絞って、封印石の場所まで進んでいく。



 すでに大蛇の頭は八つ目の半ばに入っている。



 急ごうとするおも体が言うことを聞かない。



 無理にしたら倒れ込んで、それで終わってしまいそうだ。

 引きづりながらも一真は進む。

 

 そしてついに一真は大蛇の封印石の前にたどり着く。



 肩で呼吸をしながら一真はにらみつける。



 その封印石からほとばしる、あり得ないほどの負の力を肌で感じると、恐怖で体がお互かなくなりそうだ。



 それでも一真はにらみつける。



 そして、ひきづってまで持ってきたそれに一真は力を込めた。



 「おおおおおおおお!!!」



 響から授かった、天羽々斬を、封印石に向けて力いっぱいぶつける。



 

 ガギュィィィィン!!! 




という 



 鋭い音が響く。



 そると、すでに八本目の頭部までできていた大蛇の怨念は、まるで霧が吹き飛ばされるようにして、あたり一面に拡散して、もだえ苦しむようにして消えうせた。



 それを見た瞬間・・・・・今度こそ、一真はその場で力なく倒れ込んだ。



 カシュアン



 という天羽々斬が地面にぶつかる音が響き渡る。




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