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第十三章 絶望の淵で
名古屋の夜は深く、そして静かに絶望を呑み込んでいた。
燈は薄暗いアパートの一室で、壁にもたれかかりながら過去の記憶と闘っていた。
「こんなにも、俺は弱かったのか……」
かつての自分が抱えた傷、裏切り、そして柚衣の死が胸に重くのしかかる。
ユウトは遠く離れた場所で、蓮の堕落を知り、言葉を失っていた。
彼らの戦いは一筋縄ではいかず、次第に深い闇に飲み込まれていく。
だが、燈は諦めなかった。
絶望の淵に立ちながらも、彼女は己の内なる炎を掻き立て、立ち上がろうとしていた。
街のあらゆる場所に、かすかながらも反撃の兆しが芽生えていた。
しかし、それは同時にさらなる試練の始まりでもあった。
裏切り、悲しみ、そして怒り。
それらが交錯し、燈の心は揺れ動きながらも、確かな決意へと変わっていく。
「俺たちは……まだ終わっていない」
そうユウトに告げ、燈は目の前の闇を睨みつけた。
絶望の淵で、彼らの赫き業火は、いままさに燃え盛ろうとしていた。




