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第七章 ユウトの選択
新潟の施設。
静かな朝の光が差し込む部屋の中で、ユウトは窓の外を見つめていた。
あの激しい名古屋の夜から逃れ、ここでの生活は安全だが、心の闇は消えなかった。
「俺は……このままでいいのか?」
施設の職員や仲間たちは優しく接してくれるが、ユウトは自分の過去と向き合うことを避けていた。
ある日、彼のもとに一通の手紙が届く。
それは蓮からだった。
「ユウト、お前には選択肢がある。
逃げることもできるし、戦うこともできる。
でも、俺たちはもう黙っていられない。
お前も一緒に、あの街を変えよう」
ユウトの心は揺れた。
ここでの平穏を捨て、危険な闘いに身を投じること。
それは、命を賭けることでもある。
一方、名古屋では燈と蓮が再び動き出していた。
燈の監禁された情報がもたらされ、救出作戦が練られている。
ユウトは決断を下す。
「俺は……帰る。もう一度、あの街で戦う」
その夜、ユウトは施設を抜け出し、名古屋への帰路についた。
彼の胸には、柚衣の遺志と仲間たちへの思いが燃えていた。
選択は、自分でしかできない。
名古屋の闇に、再び光を差すために――。




