我 ニートになりたい
我の名前は羽島楓。4年生になったばかりの大学生だ。
そんな我には大きな悩みがある。それは大学生というモラトリアム期間が終わることだ。
それの何が問題なのか。社会に出て働かなければいけないことである。
断固反対だ。
我は働きたくない。
週に5回も8時間は働くことが確定していて、そこに残業やサービス残業と通勤時間がプラスされるのだ。
1日は24時間しかないのに。あとはもうお風呂に入って、ご飯を食べて、家事をしたらその日が終わってしまう。
そんなのはあんまりである。それを週に5回もするなんて我には耐えられそうにない。
そもそも我はアルバイトもしたことないのだ。
今まで働いたことがない人間が急に長時間労働するなんて無理な話しなのである。
だからもし就職出来たとしてもすぐ辞めるに決まっている。
そもそも一人称が我の人間を採用してくれる企業があるとは思えない。
じゃあ一人称を変えればいいじゃないかって?
残念ながらもう遅いのだ。小学校の頃から愛用している一人称を変えることはそんなに簡単なことじゃない。
まあ、色々言ったけれど、何が言いたいかと言えば……
「うー、働きたくないし就活もしたくない」
これに尽きる。思いが強すぎてつい口から言葉が出てしまった。
「まだそんなこと言ってるんですか先輩。早く諦めた方がいいですよ」
そんな我の独り言に反応する声があった。彼女の名前は水色茜。現在大学3年生で僕の一つ下の後輩である。
「人には譲れないものがあるんだよ」
「でも実際のところどうするんですか? 本当に就活とかしてませんよね?」
「してないね」
「先輩の将来が心配になってきますねー」
「じゃあ茜が養ってよ?」
「え、嫌ですよ。先輩が私好みの美少女だったらいくらでも養ってあげるんですけどね」
この後輩。夢が自分好みの美少女を飼うことという危ない奴なのだ。
「我に女の子になれと」
「イエス」
いくらなんでもそれは無理難題だと思う。でも、我も超絶美少女になって誰かに養われたい。
我、朝起きたら超絶美少女になってないかな。




