職業の選択。
キョロキョロ周りを見回す――
レンガ造り花壇がある西洋の家のようなものがあちこちにある、今いるところが街の中心だろうか、同じく開始したての人たちもここから始まるようだな。
事前情報は仕入れてないんだ、適当にクエストでもやろうかな。そういえば街の人がクエストくれるって生放送で言ってたような気がする。
話しかけてみるか――
「こんにちは、ここは空気も良くて気持ちのいい所ですね」
木造のベンチに座っている如何にも農作業の合間に休憩してそうなお婆さんに声をかけた
「こんにちは、そうかい?どこも同じような空気だと思うがねぇ。生まれ育ったコメンスの街を褒められると照れくさいねぇ」
異世界って言葉の意味を目の当たりにした気がした、お婆さんにはきちんと感情もあって意思もあるんだなぁとキョトンとしてしまった。
「どうしたんだい?私の顔に何かついてるかい?そんなまじまじみられちゃ照れちゃうよ、そういうのは若い子にやんなよ」
「あ、すみません、ここはコメンスの街というんですかお婆さんと同じでいい雰囲気の街ですね、この辺りに詳しくないものでどういう街なのか教えてもらえませんか?」
「おやおや、それは困っただろうにこのネビ婆さんはここいらには詳しいからなんでもお聞きよ、どんなことが知りたいんだい?」
「そういっていただけると助かります、あ、私は ろく と言います、さっそくですが組合等があれば教えてもらいたいのですが、どこにあるかご存じですか?」
「組合ってことは仕事探してる異人さんかね、狩猟組合は……あそこの人だかりが出来てるとこだね生産組合はあの人だかりを超えて二つ目の筋を右に曲がればすぐ判るよ、採集組合は二つ目の筋を左に曲がってすぐのとこにあるよ。」
人だかりってあれかベンチから少し離れた向かい側に人が集ってるな……あれを超えて二つ目が生産やら採集組合があるところか・・・・・・こっちは俺には関係ないし狩猟組合ってのも今行くと出てこられそうにないな・・・・・・どうしたもんか
「仕事を探してるなら北の街道を少し歩いた所に トバ って爺さんが住んどるからそこに行ってみなちょっと変わった爺さんじゃがこのネビ婆さんに言われてきたと言ったら悪いようにはならんはずだよ」
返事をしようとした時何かがベンチに座っているネビ婆さんのお腹あたりに突っ込んできた
「ネビ婆ちゃんこんなとこにいたの?探したんだから!もう!早く帰ってご飯食べよう!ってあんた誰?」
「これルピス、年上の人に向かってなんて聞き方してるんだい!すまんね、うちの孫はお転婆すぎてねぇ気立てはいい子なんじゃが感情がすぐ出てしまうんじゃよ、気を悪くしないでおくれよ。」
「いえいえ元気そうなお孫さんで、これ以上ネビさんと話していたらルピスちゃんに怒られそうなのでトバさんを訪ねてみます、ありがとうございました。ルピスちゃんごめんね、ネビさんを引き止めてしまって。」
どう考えてもいい印象はもってないんだろうな、そりゃそうか自分のお婆ちゃんがナックル装備した兄ちゃんに話しかけられていたら怪しむわな、トバって人の所に行ってみるかなんかクエもらえるかもしれないし。会釈をして早々にその場を辞去して北に向かった。
変わった爺さんか、まぁ仕事柄年配の方と話すことは多いしなんとかなるだろう、北に向かえばいいのかしかしマップとかないのかね?イベントりとかも見てないなそういえば、道中確認していこうか。
人だかりが出来ている所を避け街の外に続くであろう道を進みながらイベントりを確認システムウィンドを呼び出しイベントリを開く腰にぶら下げてある拳大のポーチが光った。これか……そして中にあるものが整頓されて可視化出来るようだ、このあたりは普通のMMOと変わらないん様だ。
中に入っているものは初心者用のHP,MP,STポーション各三つ、ワールドマップ、パンと水のみ、所持金の表示は一0.000goldとなっている。
ステータス画面や装備確認も出来るようだ、装備確認をすると自分のフィギュアみたいなものが半透明で出てきた。
「この見た目はいかにも駆け出しの冒険者って感じだな……」
よれよれのベージュのTシャツに膝下あたりまでしかないズボン、布でできた底だけ少し生地が分厚い靴、コンに貰ったナックルとレガースを身に着けている。
所持金で何が買えるか判らないし、序盤はすぐレベル上がるだろうし装備に関してはこのままでいいか。
ワールドマップを確認っと
コメンス以外表示されてないってことはマッピングする必要があるのか、方角はこれで分かるしとりあえず北に行くか……運東に進んでた様だ進路を北に変えてぼちぼち行きますか。
北に進路を変えながら歩いているとごはん時なのかあちこちの家から煙が出ている、「あー僕のおにくぅぅぅ」「食べ終わってから喋りなさい!もう!あなたがそんなでどうするの!」等家族らしい会話もちらほら聞こえてくる。
過去にそんなことも言われたなと少し懐かしい気分を味わっていると塀が途切れており、門にでくわす、ここからでるとフィールドなんだろうな。簡素な装備をした兵士みたいな人が槍を構えて立っているのが見えた
警備兵であろう人に一度トバさんのところまでの道を聞いておくことにした。
「こんにちは、ちょっと道をお尋ねしたいのですが、トバさんの所に行くにはこの道を辿っていけばいいのでしょうか?」
「やぁ、異人の方かい?しかしトバ爺の家はこの街道を歩いて行くと小川が流れている、橋を越えて小川沿いに十分程歩けば左側に小屋が見えるからそこがトバ爺の小屋だ。しかしなんでまたトバ爺のとこに?」
「紹介が遅れました ろく と言います。ネビさんに尋ねてみるといいと言われまして、小川沿いですね解りました。ありがとうございました」
軽く会釈をしその場を辞去しようとしたら憐れむような目で
「ネビさんに言われたのか……トバ爺は気難しい人だ、頑張れよろく……俺はコメンスの副兵長のバッカスだ、無事に戻ることを祈る。」
相当気難しい人なのか、心していくかいかないってのも手なんだが折角教えてもらったしダメならダメで戻ってくる頃には組合も空いてるかもしれんしいっか。
足取り軽く街道を言われたとおりに進む、街道から少し離れたところを見ると兎みたいなのが二、三匹群れを成して移動してるのをちらほら見かける、あれは狩れるのだろうか?一回やってみるか、レベルも上がるかもしれないし
街道を外れ足首位まである草の中に入る、うさぎまで後五メートル程にまで近づいたときうさぎがふと後ろ脚だけで立ち、耳を立て音を聞いてるようなそぶりを見せた。そのまま近づくと逃げるのか?そんな疑問を抱きながらそこに立ち止った
こちらではなく右側の膝辺りまでのびる草の群生地を見ている、つられてそちら側を見ると草がわずかに揺れている――
あと少しで姿が見えると行ったところで草の揺れが止まる――
次の瞬間うさぎが凄い勢いで逃げだした、それを追いかけるように出てきたのは犬のような何かが飛び出してうさぎを追いかける素振りを見せていたが突如進行方向を変えこちらに向かってくる――
そのままの勢いで飛びかかられる、「まじかっ!うおっ」声を上げた瞬間咄嗟に左腕を出す、出した左腕に噛みつかれ、痛みと犬の様なものの体重に負け転がる
やらねばやられる!右手で首辺りを殴りつける「キュイン」とダメージがあったんだろうと思わせる声と同時に左腕が解放された
っ痛、痛覚まで再現されてんのかよ……HPバーを見ると三割ほど削られている。それにしてもこの痛みは厄介だゲームをプレイしててダメージを受けることはあるが自分でダメージを体験したことは無いのだ
束の間の対峙――目を凝らして見ると犬のようなものの情報が見えた――
コヨーテ:レベル3 ???
HPのゲージは見えない、コヨーテかよ対策というか戦うにしてもどう戦うか。殴るより蹴った方がいいのか?左手を噛ませるのは遠慮したいなというか動かせるが痛い足を噛まれると動けなくなる……ってことはやはり右手で殴るしかないか
痛むが左手も動かせる、体をコヨーテに向け斜に構える踏み込んで体重を乗せればそれなりにダメージは期待できるだろうしかし数歩歩かなければ届かない位置にコヨーテが居るもう少し間合いを詰めたい
ジリジリと間合いを詰めながらもコヨーテから視線は外さない後半歩で踏み込めるという位置に来たときコヨーテがまたも飛びかかってくる
「――ッ、おりゃっ!」
胸に向かって飛びかかってくるコヨーテに右手を挙げ手刀を作り真下に振り下ろす。丁度コヨーテの頭が胸元に来た辺りで直撃、歯と歯がぶつかるガキッという音と共にコヨーテが地面に叩きつけられる
しかし装備していたTシャツも一緒に食い破られ少し体が下に引きずられる。追撃に腹あたりを思いっきり蹴飛ばす。
二メートル程転がりコヨーテが止まる……やったか?と思ったがまだ足りなかったらしい再びコヨーテが立ち上がるが足が震えて口からは吐血している相当ダメージを与えたようだ止めを刺しに掛かる――
思い切り踏み込み顎を蹴飛ばす、1メートル程上に吹き飛び半回転し背中からコヨーテが地面に落ちる次の瞬間コヨーテが光の泡となり消えていくと同時に自分の足元も光る――
≪戦闘に勝利し各種レベルが上がりました、ステータス画面を開きポイントを振って下さい≫
「つえぇし痛い……リアルすぎるやろこれ……」
そのまえにポーション使っとくか100回復するから全快になるだろってこれ飲むの?付けるの?どっちだ……とりあえず飲んでみるか。
飲むと左手の出血が消え傷も塞がった当然痛みも無くなったわけだが、何か違和感があるクリックするだけで回復していたのが実際にのまないと回復しないってのは……そのうち痛みにも感覚にも慣れていくだろう……
ステータスウィンドを開く――
ろく:レベル2(1↑) ヒューマン
HP:138(18↑)/138 MP:84(4↑)/80 TP:200/200
str:13(1↑)
vit:12
dex:11(1↑)
agi:10
int:9
mnd:10
luc:6
ステータスポイント 2(2↑)
スキル一覧
【打撃lv2(1↑)】【蹴りlv2(1↑)】【身体能力強化lv1】【スタミナ強化lv1】【回避lv1】NEW【見極めlv1】NEW【カウンターlv1】
スキルポイント 13(3↑)
NEWがついてるってことは行動で得た自動習得スキルってことか、あがった数値だけ横に表示されるのかってことは初期値str12ってことか。
ふむ、見とけばよかったなTPは自動回復結構速いんだなステータスいじってる間に全快しているこのへんの操作MMOと大差ないな行動でスキルを得るってのは不思議な感覚だけど。
ステータスポイントは1ポイントで1ステータスを増やせるみたいだ、strとagiに1づつ振っておこうかスキルは色々取得一覧がでてるが今必要そうなのは無いしちょっと放置しておこう。
小川まだ見えてないし……街道進むには左側は草の背がだんだんと高くなっている、右側は足首程度……右側を歩いて行くか。そこから小川まで十分程戦闘もなく橋についた。
木で作られた簡単な橋だ、人の往来もあるんだろう所々痛んだりして中々に年季が入っている、しっかりした作りの様で崩れることはなさそうだ――
橋を踏みしめながら周りを観察してみる――トバさんの家のほうに続いてるであろう山のほうから流れてきている、低木がつづきその奥は林のようになっている下流側は川沿いに背丈以上の草木が生い茂り所々に降りて小川に入れそうな所もある――
ん?下流側の木に向って何かとろうとしている人影が見えるちょっと様子見にいってみようか――
「もーなんでとれないのよおおおおおおおおおおおお」「おきにいりなのにいいいいいいいいいい」といいながら川沿いの木にむかって棒を伸ばし帽子をとろうとしてる17,8位の女の子?まだ草木が邪魔でみにくいが声の感じからそんなに外れては無いだろう
取れそうだったらとってやるか、これもなんかの縁だ
ガサガサガサッ
草木をかき分けて声のする方へ近づく――
「え?何?誰かいる……?」
帽子をとろうとしていた棒をこちらにむけて警戒している――ガサッ
「結構進むのも大変だな、お嬢さんよくこんなとこ入ってきたね……っと怪しい物じゃない橋から人影が見えたから何かあったのかと思って……ッ」
そう言ってかきわけてお嬢さんと対面したわけだが……目に飛び込んできたのは上半身はさらしみたいなものに下着はパンツだけ横にローブのようなものがかけてある光景だ
しかも胸はなかなかの発育具合、赤毛の濡れたポニーテールに気の強そうな目にくっきりとした鼻口元もシュッとしていてかわいい系ではなくだれが見ても美人さんだ。
白い肌もむき出しになっていて思わず固まった後に顔を横に向けた。
眉をひそめて彼女は
「どなたですか?このへんはあまり人が来ないのに……ちょっとあなた人と話をするときは目を見てって習わなかったんですか?ってあなたひどい服装ですね……胸元破けてますよ?」
「いや、あの、そうだな俺の服装もまぁよろしくないが……」
彼女は自分の胸元をみるそして状況を理解したのか……わなわなと震えながら
「こっちみんなああああああああへんたいいいいいいいいいいい」と構えを解いた棒を思いっきり投げつけて来た
頭部におもいっきり直撃HPの4割を吹き飛ばされながら
「事故だよ事故!待て話せばわかる!痛いって死ぬ死ぬ!!!!」
まだおちている石などを投げつけてくるジリジリHPが減ってる中後ろを向きながら
「とりあえず服着てくれ、帽子はとってやるから頼むそっれで許してくれよおおおおおおおお」
というとバサバサ音をたてながらローブを羽織ったらしい――
「あんた……帽子はやくとってよもうこっちむいていいから……」
振り向くとやはり胸元が膨らんだ濡れたローブを着こんだ女性が数珠のようなを持って佇んでいた、表情は真っ赤で此方をにらんでいるがやっぱり美人さんだな睨んでても様になってるというか綺麗だ
美人さんに嫌われたままと言うのも残念な感じがするので弁明はしておこう……
「すまん、わざとじゃないんだほんとに人影が何か取ろうとしているのが見えたから手伝おうと思ったんだ、下心は無かったんだ!まさかこんな美人さんだなんて思わないし、ほらその……俺もびっくりしたんだ!」
やばい思い出して鼻の下が伸びそうだ。ってHPバーをみてそんな感情が吹き飛ぶ、のこりHP32と表示されている。100以上この子にやられたとこさっきのコヨーテよりつえええじゃないか……
「そういうことにしておいてあげます、後さっきのことは忘れてください、いいですね?3,2,1はい忘れました、何もなかったです。もし思い出したら……」
悪魔のような笑顔でこちらをみている、美人がゆえか笑いながら怒るというのがうまいというか素直に怖い
「お、おっけ……帽子と、とるね」
投げられた棒よりも少し長い木の枝を帽子を見る、5メートル程かなこれなら届くな手に持った枝を伸ばし帽子をひっかけ手元まで持ってくる。
「はい、どうぞお嬢さん」
といい彼女に手渡した。
「ありがとう、実際困ってたので助かりました」
「いいえ、どういたしまして、じゃあ俺はこれで行くよ、どこまでいくか解らないが気を付けて」
「あ、私の名前はリンシャと言います、お名前を伺ってもよろしいですか?」
「俺は ろく 異人でトバさんの所にいく途中なんだ、ではまたね」
「あ、ちょっとまってください!トバさんは今小屋に居ませんよ?うちの家に居ます。よかったら案内しましょうか?」
「ああ、そうなのか……迷惑じゃなければお願いします。」
相変わらずローブは濡れたまま顔は徐々に笑顔を作りながら街道にでてトバさんの小屋のほうではなく、橋を越えて森にまっすぐ伸びる街道を色々な話を聞きながら進んでいく
「少し遠いですし、ボア系のヌシの縄張りがありますが滅多な事では襲ってきませんので安全に進めると思いますよ。ろくさんあんまり強そうではないですし私が守ってあげますよ」
「コヨーテ一匹に手こずってるので強いとは言えませんが……出来る限り自分でも対処するから大丈夫だと思うよ、それにボアってイノシシか何かかな?どんな姿をしているの?」
「ボアはそうですね肉の塊に4本足で個体差はありますが牙があって突進してきます、危害を加えなければ襲ってくることはありませんよ、後コヨーテやウルフはこの辺りにもいますのでそちらのほうは襲ってくるかもしれません」
「やっぱイノシシか、コヨーテなら一回戦ってるしそれはなんとかなると思うよ、ウルフは見たことないけど……」
「装備整えた方がいいですよ――
30分ほどそんなこの世界についての事や装備について教えてもらいながら歩いていた
「ブフォッブフォッ」「グルルルル」
街道は左右森になっている右前あたりからそんな獣の声が聞こえてくる……
「ろくさん戦闘になるかもしれません、準備しておいてください、多分ですがボア系が来ます」
「今の声かい?ウルフとかコヨーテもいるんじゃないのか?」
「たぶんボアを囲んでいるウルフだと思いますがボアが勝つ可能性の方が高いです、左側の森から湖が見えますよねあそこに洞窟があってそこがヌシの住処でここはヌシの縄張りの中です、間違いなく助けに来ると思います。
「え、ヌシと戦うの……レベルいくつくらいなんだろうか……って中ボスかエリアボスだよなぁ……」
イベントりからポーションを二つだしておく、さっきリンシャに減らされたHPは自然回復で全快している、イベントりからだしたポーションはポケットにでも閉まっておこうこれならすぐに出せる。
リンシャがどれほどの腕なのかは解らないのが少し怖いがやるだけのことをやるしかないだろう。
ドドドドドドドドッドドドドドドド
地鳴りがしそうな音と共に左側から3メートルはある巨体が走って目の前を横切っていく、過ぎ去る前にこちらをみられた気がする。
「たぶん逃げ切れません、覚悟してくださいなんなら私が食い止めますから逃げてください、この街道を真っ直ぐすすんで分かれ道を左にすすんで行けば私の家があります、トバさんもいるので安全です」
「すまない、女の子を一人おいて逃げることは出来ないよ、しぶといって良く言われてたからねやれるだけやろう、逃げ切れなくてもリンシャの家のほうに近づきながら戦闘していたらトバさんが気づくってことはありえないかい?」
「なくは無いですがまだ10分はある道のりです、確実に追いつかれて対峙しないといけなくなると思います。」
「なら今注意がこっちに向いていない間少しでも距離を稼ごう、ウルフも見たところ後2匹だ。にしても一発でウルフ吹き飛んでねーか……」
目を凝らしてウルフやヌシの集団を見る
ウルフ:レベル4 ?????
ウルフ:レベル3 ?????
ヘッドボア:レベル?? ?????
ボア:レベル5 ?????
≪行動により【見極め】のレベルが上昇しました≫
足元が光ると同時にスキルアップのアナウンス、正直それどころじゃない。
「リンシャ!走るぞ!」
「はい!」
後ろでは「キュインクーン」といった叫び声が聞こえてくるまた1匹やられたということは次の叫び声が終わったらこっちに来るわけか……
「リンシャそういえばヌシと戦ったことあるのか?というか勝算はどれくらいあるんだ?」
「そ、そうですね戦ったことはないですが……2割程度でしょうか……」
「トバさんが居たら百パーセント勝てるのか?」
「もちろんです、昔はブルーノースの騎士団長でしたからね」
「そうか、ならやることは一つだな、リンシャ!急いでトバさんを呼んできてくれ!」
そういいながら振り向き立ち止る、
「ろくさん!私も戦いますよ!少ないですが勝算はあるんです!」
リンシャも止まったがそこは首を振る
「リンシャ、俺いまからトバさんに用事があるからって言ってたよね、そのトバさんの知り合いがここで怪我でも負ったらただでさえ気難しいと聞いているのに話もしてくれないかもしれないじゃないか、それに負ける確率が高いなら尚の事年下の女の子と一緒に戦う事は出来ない。一応男子なんでね!」
「触れられたら死ぬと思って下さいよ、それに無駄死にするのはカッコ悪いです!」
「しなないように善処します」
「死んだら私がろくさんを使役してあげますよ!男性は立てろってばあちゃんにもトバさんにも言われてますからね……5分でもどります死なないで」
「いいお嫁さんになると思うよ!さんきゅ」
「エンチャッテッドカーズドウェポン」
「あまり役に立たないとは思いますが呪術を付与しておきました!すぐもどります!」
ナックルとレガースに黒い霧の様なものが纏わりついている、それに呪術?そんなものまであるのか……ファンタジーしてるなこの世界は
「ブフォオオオオオオオオオオオオ」「キュウウウウウウウウウン」
どうやら最後のウルフが屠られたらしい……来るな……
ドドドドドッドドドドドドドドドド
轟音と共に落ち葉や土を蹴り上げながらこちらに向かってくるヘッドボア――
一撃でどれほど食らうのかはわからん……へたしたら即死……これは辛いな木を背にして待ち構える――
そして俺に向かってすごいスピードで突っ込んでくる接触する1メートル手前で横に飛んだヘッドボアは曲がれないらしくそのまま木に突っ込む――
木に突っ込んだヘッドボアの勢いはそれだけでは止まらず木をなぎ倒してから止まるそしてこちらに向き直り「ブフォ、ブフォ」
鼻息を荒げてこちらを見る……横に飛んで転がりすぐに体制を立て直し、気がなぎ倒されるのを呆然と見送っていた――
「やっぱり一緒ににげりゃよかったかな……ハハハ」
乾いた笑いとともに冷静に……確か湖がみえていた流石に水の中までは追って来ないだろう、一か八かあそこまでにげて飛び込むか――
進路を右に向けジリジリと進んで行くヘッドボアは相変わらずこちらを向き鼻息を荒げている後ろを向いたら突っ込まれそうだ、そして確実におれよりも早い500m程先には湖
チラッと湖を見たその瞬間!
「ブフォオオオオオオオオオオ」
またしても突進してきた後ろに木は無い左には先ほどの倒された様な木がある木の後ろを廻り幹の反対側に身体をよせる、直後メキィッっという音と共に先ほど立っていた場所に近い木の半分が牙によって抉り取られる。
その瞬間を見逃さず湖の方へ駆け出した!STがメリメリへるが残り距離300mヘッドボアも体制を立て直してまたも俺に迫る音を頼りに振り返らず感で左に転がる
装備してたシャツが牙に引っ掛かり振り回されると同時に破け前に5メートル程拭き飛ばされる吹き飛ばされる瞬間一矢報いる為に頭部を思いっきり蹴っておいたが微々たるダメージなんだろう。吹き飛ばされただけで5割HPバーが吹き飛んでいる。洒落にならないこれは死に戻りするだろう――
背中から地面に接触した衝撃で呼吸がし難い
「ハァ…ハァ…息もっまともに出来なくなるとはリアルすッぎるだろッ」
ポーションをとりだし一息に飲む――HPが回復息もまともにできるようになる、状況は変わらない……避け続けることが出来るのか――
ヘッドボアをみる目のあたりにナックルやレガースと同じような霧がかかっている……?
暗闇か何かか?しかしヘッドボアはこちらをキチンと捉えているようで真正面を向いている――少しでも湖に近づけるように後ずさる……
ヘッドボアは相変わらず鼻息を荒げ時折何かを払う様に首を振りながらも突進してくるしかし先ほどまでのスピードはないそれでも俺より早いのは確かだが。
横跳びしまたしても木にヘッドボアをぶつける形で避ける辛うじて木は倒れて居ないしかし折れる寸前なのだろう飛び蹴りでもしたら倒れそうだ。
HPバーを見るとHP,MPは満タンだがSTがもう50程しかない、更に空腹度も20%程になっている。STの自然回復が遅い……空腹度も関係あるのかもしれない。そんなことを思いながら次の手立てを考える
ヘッドボアがまたしてもこちらに向き直る、そして目のあたりの霧が消えている――
当然速度も戻っているんだろう、次も避けれるのかどうか解らない、それでも避けるしかあるまいでなければ死に戻り確定だ。
気合を入れ直ししっかりとヘッドボアを見据える
ヘッドボア:レベル??? ????? ?????
見極めがあがったからか表示されている文字が増えている意図してみようと思ったわけではないが何だろう?今はそれどころではない――
またしても鼻息とともに突進が来たッ横に飛んで避けるっ今度はうまく避けきれたが次の瞬間体のちからがガクッと抜け凄い疲労感に襲われた
「え?やばいからだがうごかない……ちょ、ちょっとたんまっって無理かああああああああああ」
またしても鼻息を荒げながら突進してくるヘッドボア――
「あ、おわった――
「どっせええええええええええい」凄い声の雄叫びと共にヘッドボアの前に立ちドでかい両手剣を撃ち下しヘッドボアを真っ二つに叩き割る姿が目に入る
呆気にとられ「ぇ……?」という情けない声しか出ない。
真っ二つに割られたヘッドボアは光の粒子となって消える。
≪戦闘に勝利し各種レベルが上がりました、ステータス画面を開きポイントを振って下さい≫
いや、それどころではない、何が起こった?ってかこの人何?え?混乱している――
ご老体なのは間違いないが筋骨隆々2m近くの大男白髪で刈り上げてあり顎のあたりには威厳のある髭鎧もつけず1,5メートル程の体験を構えている
「よぉ遅くなってすまんのぉ、あんたがろくか?リンシャが大慌てで帰ってきおっての、ヌシにろくという男が襲われているからたすけてこいと言うんでのぉガハハっまぁ無事だしええよな?」
豪快に笑いながら話しかけてくるご老体。
しかしまだ体が動かない。イベントりからSTポーションを取り出し一息に飲む。STが100程回復けだるさが取れ動けるようになった。
「ふはー、死ぬかと思った……ありがとうございます。おかげで助かりました、リンシャは無事でしたか?」
「おおぅスタミナぎれたぁ情けないのぉ若いのに、リンシャもスタミナが切れてひぃひぃいっておったわい、しっかしヌシに挑むとは中々気概があるやつじゃのぉ。普通は逃げるぞい。縄張りから逃れれば追っては来んのじゃからなタァッハッハ」
「まだまだ修行中の身で……リンシャも無事なら良かったです、って逃げ切れないってリンシャはいっていましたが……逃げれるんですかっ!?」
「街道から百メートルも反対側に行けば縄張りの外じゃ、そっからは追って来ん。しらずに対峙しておったのかタァッハハハハハ。久しぶりに面白い奴にあったわ。しかも得物はどうした叩き折られたか?」
「あ、いえ武器はこれなんですよ逃げ切るのに精いっぱいでリンシャも教えてくれればいいのに……」
「なに、無事だったから良いじゃろ、ほれ、立てるか?」
ご老体に手を差し伸べられ手を取り起こしてもらう、体もごついが手もごつい爺さんだ――
「ギュルルルルルルル」
腹の虫がなったらしいすごく恥ずかしいんですが……
「なんじゃ腹の虫は元気じゃのぉ、とりあえずリンシャにお元気な顔をみせてやってほしい、ついて来るんじゃ」
「すみません、あのお名前を伺ってもよろしいでしょうか?私はご存じのとおり ろく といいます。」
「トバじゃ!コメンスの外れで暮らしておる隠居人じゃよ」
「あなたがトバさんでしたか、コメンスのネビさんからトバさんを訪ねなさいと言われて――
リンシャの家に戻るまでに今まで道中の話、トバさんの過去の話等をしながら歩いていた。そこで解ったのがトバさんはブルーノースという国の騎士団長で歴代最強の名を持っていたという伝説級のご老体であった。
すこし国の話を聞くと後二つレッドウェストとイエローイースタンという国家があるという事がわかった。
職業選択で剣術師になるのであれば鍛えてやろうというお言葉も貰った。――
石造りであちこちにツタが伸びている三十畳程の二階建ての家の前に着いた。
「まぁゆっくりしていきなリンシャに何か作ってもらうとええじゃろわしも腹が減ったしの」
相変わらず豪快にガハハと笑いながらそう言っていたがここトバさんの家じゃないよな?と思いながらも勢いよくドアを開けた。
「……。」
「……。」
「失礼しました。」パタンッ
「どうしたんじゃ?入らんのか?」
「いえ、今はやばいと思います、というか逃げましょう今すぐ!」
走り出そうとする俺をトバさんが捕まえ……
「じいちゃん絶対ににがさんといてえええええええええええええええすぐいくから!!!!!後じいちゃん剣かして!!!!!!!」
ドアの中からそんな声が聞こえてくる。ガチャガチャドタドタ音を立てながら……
「ろく……なにがあったんじゃ?」
「その、なんといいますか、リンシャがローブ脱いでるところでして……」
「ターッハハハハハハッハそりゃいいもんみれたのぉガッハッハ」
「それで、その出来れば逃がしてほしいんですが……」
「わしがりんしゃにしばかれるからやーじゃー。」
明らかに楽しんでいるトバさん。言ってないですがこれ二回目なんですよ……流石に命が無いと思うんです俺……
キィィィィ
「ろく……覚悟はいいかしら……うおぉぉりゃあああああああああああ」
「痛い痛い、いや事故だ事故!俺が悪いわけじゃないってえええええええええええ――
この後思う存分木剣でなぐられボコボコにされ意識を失った。――
――パチッ
見慣れない天井ふかふかのベッドここどこだ……?
ふと起き上がるベッドに寝ていたらしい、記憶をさかのぼると……死に戻りは免れたのか……忘れよう。
ということはここはリンシャの家の中かな?歩き回るとなんかフラグを立てそうなので誰か来るまで待っているか――
意識がもどって数分後――
コツコツコツ誰かが近づいてきている。キィィ扉の開く音と同時に目を開けて体を起こす。
「あら、起こしちゃった?でもちょうどよかったわご飯食べるでしょ?降りましょ」
赤髪の美人がそう言って近づいてくる。
「ああ、すまないありがとう、どうしてここへ?叩き出されてるかと思ったよ」
そう言いながらベッドを降りる。
「とばじいちゃんとばあちゃんに自分でやったことの責任は自分で取れって言われて……たたき出すのも可哀想だしベッドに寝かせておいたの」
「事故だと認めて貰えたようで……「何もなかったでしょ?。」
またしても笑顔で青筋を立てている。実に恐ろしい。
「介抱していただきありがとうございましたっ」
それいじょうリンシャは何をいう事も無く顎で下に降りろと合図してくる。従わないとやばいというのは解った。言われたとおりに下の階に降りる。
テーブルの上にはパンやチーズ肉の炒め物なんかが乗っていた。椅子にはトバさんとリンシャがばあちゃんといっていた人物が腰かけていた。
「おう、起きたかなかなかの叩かれっぷりじゃったのガッハッハ」
「トバ、あんたが先に入って居ったらこうはならんかったんだろうに……あんたも叩いてやろうか?」
「まぁいきとるしええじゃないか。それより腹が減った飯じゃ飯」
「あんたの家じゃなかろうに……ったく――ろくといったかい?あんたも座りな、わしゃリンシャの婆ちゃんのシュイじゃ孫がすまんかったのぉ、かわりといってはなんじゃがタンとお食べ」
「すみませんありがとうございます。」
「リンシャーあんたもはやくお食べよ。」
「わかってるわよぉ!もう!」
シュイさんとトバさんが向かい合って座っておりトバさんの横に俺が座る……とするとシュイさんの横……つまり俺の前にリンシャが来るわけで……
気まずい、凄く
「……。」
「……。」
あ、これなんていう料理なんですか?凄く美味しいですね!と肉料理を頬張りながら苦し紛れに言ったりとした回があってか少しずつ和やかになっていく食卓でご飯を頂いた――
「そうじゃろく、ネビにいわれてきたんじゃろ?ということは仕事か修行かどちらかと思うんじゃが……お主剣使わんしのぉ。シュイ婆に稽古つけてもらったほうがええんじゃないかの?」
「あー確かに、シュイ婆ちゃんなら魔術でも武術でもなんでもいけるもんねぇ。」
リンシャが納得したように頷いている。
「ろくにその気があるならわしゃかまわんよ?どうじゃろくやってみるか?後戻りは出来んがのぉ」
シュイばあさんはローブに身を包んでいるお世辞にも殴る蹴るが出来るようには見えないんだが……
「大丈夫じゃシュイ婆は本気になればわしより強いぞ?全盛期でも敵わんかったわ、ガッハッハ」
「トバさんも敵わないシュイさんって凄いですね……ちなみにどんな職業なんですか?」
「ちなみに私は呪術士よ!」
リンシャは呪術士かということはそういう系統なんであろうか?
「降霊術士じゃ。」
・・・・・・え?なにそれ怖い。硬直してしまった。
「ばあちゃん以外に降霊術士って数えるほどしかいないんだからぁ!」
嬉々として婆ちゃんの自慢をしているところ悪いんだが俺ゾンビとかお化けとか超苦手なんですが……霊を降ろすとかいて降霊術だよね……
「イメージ出来てないみたいだから婆ちゃんみせてやったら?丁度じいちゃんもいるし」
「シュイ婆いっちょひさしぶりに鍛えてくれや!わしもまだまだ伸び盛りじゃて!ガハハハハ」
「トバも懲りんやつよのぉ、まぁろくに魅せる為じゃ良かろう。」
そういいながら外に出る面々、戸惑い過ぎて帰りたくなる……帰れる状況じゃないですが――
外に出ると木剣をもっているトバさんとシュイさんがいるそしてシュイさんが
「剣豪降臨 ????」
降霊にたのであろう、空気が変わった、唇が渇く、離れて見ているだけで凄い威圧感を放っている、見た目はシュイさんである。
「トバよ。いつでもよいぞ」
「剣豪さんにゃ毎回まけてるからのぉ今日こそは勝たせてもらわにゃのぉッ――セイッ」
「腕はほんとにあがっておるようじゃの、剣豪様も喜んでおるわい」
木剣をうちあう音が響く――トバさんが上段から打ち下ろしシュイさんが受け流す、受け流したところで半歩前にでて堂を薙ぎ払う流れるような剣戟、トバさんもそれにあわせ身を翻し柄の部分で弾き返す一歩間違えば持ち手が粉砕されていそうだ。弾き返された反動を利用して一回転して着地そのまま地を蹴り足元に一閃、トバさんもこれに即座に反応剣先を地面に刺しその上に逆立ちするように一回転、トバさんの木剣はシュイさんから放たれた一閃により斜めに倒れ掛かる――次の瞬間空中で身をねじり地面に刺した剣先を強引に外し、シュイさんの背後をとりながら打ち下ろした一撃で決まったかに思えた、事実決まったのではあるが……
「いやいや参った参ったさすがじゃのぉ、剣豪様にはまだかてんわい」
「剣豪様もお喜びだよ、あんたと闘うのは楽しいらしいの」
そういいながらお互いが木剣をしまう時にトバさんが降参した理由がわかった、背後はとっていたが打ち下ろす前の段階でシュイさんの木剣がのど元に当てられていたのだ。シュイさんは後ろを振り向いておらず、どこから見ていたのか……何がどうなったのかすら判らない。あれほどの剣戟をしてなお二人とも息を乱していない。技術の高さが伺える。
「ね?ろくおばあちゃんすごいでしょ!?みたあの剣豪様以外にも武人さまも拳豪様もいるのよ他にも魔術の炎帝様とか色々いるんですから!わたしの自慢のお婆ちゃんよ!」
リンシャ……凄いのはわかったけど顔近いって……いい匂いだけど――リンシャの肩をもって
「凄いなリンシャの婆ちゃんは!尊敬するよ!」
さりげなく顔を離しておいた、後が怖い。
「お婆ちゃん!ろくもきにいったみたいよおおおおおおおおおおおお」
「剣術にすすまんのなら仕方がないぉシュイに任せるかの。」
「うむ、任された。トバが気に入る男じゃ大丈夫であろう、転職の試験はこの裏にある祠のお参りじゃ、武人様が眠っておられる。ろくにとってもちょうどよいじゃろう。」
「じゃがもう少し修業を積んでからにしたほうが良いんではないか?まだ戦闘経験が少ないわい、湖の洞窟でもいかせたらどうじゃ?」
「それもそうじゃのぉ、武人様に備える水晶も序にとって来てもらうかの。」
「よかったじゃないろく!、お婆ちゃんもトバさんも賛成だって!」
何か話が勝手に進んでる……今から辞退しますとか言ったらやばいよなぁ……適当にバックれるか!水晶をとりにいっていくえふめいになるってシナリオで……無理かね……
「お腹痛い……どうしてこうなった……」




