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役目を終えた元魔王の現代ダンジョン配信~腹パン魔王に配下の食レポを添えて  作者: やしき丸


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新たな挑戦

 新宿ダンジョンを制覇して新しいダンジョンが生成されてから1か月が経った。

 ダンジョンを出て打ち上げに行こうとした俺たちは、待ち構えていた探索者協会の八継(やつぎ)さんに呼び止められた。


 探索者協会はみくちゃんの配信を見て新宿ダンジョンの制覇を確認し、続けて新たなダンジョンが生成されたことで関連性を疑い、事情聴取をしたいと言ってきたのだった。


 八継さんが選ばれたのは俺と面識があったからで、俺の記憶を見た八継さんには神の存在がバレてしまい、結果的に神についてはかん口令が敷かれた。

 神による拉致の二例目であるナギサについても問題視されたが、同一事件として扱われ、結局これについてもなかったことにされた。


 新ダンジョンは国による調査が終わるまでは侵入禁止とされていたが、その入口は俺たち四人しか開けられない。

 ダンジョンは謎の空間内にあるとされているため、外からではどこまで続いているかもわからず、調査は難航した。


 結局探索者協会は俺たちに協力を求め、俺が入口を開けて1層の調査を行った。


 協会から派遣された調査チームを連れて中に入った俺たちを待っていたのは、ボスだった。

 1層からボス戦かと驚いたが、その強さにさらに驚くことになった。

 

 なんと、俺一人では勝てなかったのだ。

 異世界でナギサと戦って以来の本気で戦った俺だったが、ボスは予想をはるかに超えて強く、結局俺とナギサが協力してなんとか倒すことができた。


 その戦いを見た調査チームは、新宿ダンジョンクリア者以外の立ち入りを禁止することを発表した。

 新ダンジョンの入口には警備員ではなく、自衛隊のスキル持ちで構成された部隊によって厳重に警備されている。


 新しいダンジョンは、これまで同様その地名から『高尾ダンジョン』と名付けられた。




◇◇◇




【高尾ダンジョン】ダンジョン配信総合スレpart5213【解禁】



543:名無しのダンジョン配信リスナー

ついに高尾ダンジョン解禁だってさ


544:名無しのダンジョン配信リスナー

なお入れるのは四人だけな模様


545:名無しのダンジョン配信リスナー

1層の映像公開されてたけどやばそうだった


546:名無しのダンジョン配信リスナー

ってか魔王が勝てなかったのは初だな


547:名無しのダンジョン配信リスナー

なんなら全力を出したのも初


548:名無しのダンジョン配信リスナー

魔王とナギサちゃんで協力してギリ勝てた


549:名無しのダンジョン配信リスナー

難易度えぐすぎだろ


550:名無しのダンジョン配信リスナー

新宿ダンジョンクリア者以外お断りだからね


551:名無しのダンジョン配信リスナー

えぐい魔法連発してたし魔王ってやっぱクソ強かったんだな


552:名無しのダンジョン配信リスナー

それに平然と合わせるナギサちゃんもバケモン


553:名無しのダンジョン配信リスナー

それでギリ勝てる1層のボス


554:名無しのダンジョン配信リスナー

一般人は無理やな


555:名無しのダンジョン配信リスナー

俺らはどうせ配信で見るだけだし関係ない


556:名無しのダンジョン配信リスナー

それはそう


557:名無しのダンジョン配信リスナー

配信者が新宿ダンジョンをクリアしたのが嬉しい


558:名無しのダンジョン配信リスナー

俺たちも見れるからなw


559:名無しのダンジョン配信リスナー

みくちゃんは新宿ダンジョンの40層で狩りしてるらしいな


560:名無しのダンジョン配信リスナー

あんまり配信しなくなっちゃった


561:名無しのダンジョン配信リスナー

自分がついていけてないのを気にしてたしなあ


562:名無しのダンジョン配信リスナー

みくちゃんには一般人の星として頑張ってほしい




◇◇◇




 俺は今、高尾ダンジョン近くの公式ショップ前で待ち合わせをしている。

 もちろんナギサと一緒に高尾ダンジョンに挑戦するのだ。


「1層でギリギリだったし、2層は勝てないかもしれないわね」


 ナギサが自信なさげにこんなことを言う。


「だめだったら1層を楽勝で攻略できるようになるまで周回しようぜ」


「……楽しそうね」


「お前も配信したらいいんじゃないか?楽しいぞ」


「私はやめておくわ。どうせあなたの配信に映るんだし、同じことでしょ」


「それはまあ、そうだけど」


 歩きながら話していると、高尾ダンジョンの入り口に到着する。


「身分証の提示をお願いします」


 警備にあたっている自衛隊の隊員に身分証を見せる。お互いすでに挨拶を交わした仲ではあるが、必要な手続きを省略したりはしない。


「ご協力感謝します」


 確認を終えた隊員さんの横を通り過ぎ、ダンジョンの入り口に手をかざす。

 すると扉が光り、俺の手をスキャンするように走って消えた。


 ゴゴゴという音と共に、扉が開き、これで高尾ダンジョンに入ることができるようになった。


 入るまで非常に面倒な手順はあるが、俺は高尾ダンジョンを気に入っていた。

 調査の段階で何度か1層に挑み、その度に一人では負け、ナギサと協力して倒した。

 2層にはまだ入っていないが、今から楽しみだ。


 新宿ダンジョンもそれなりに楽しんではいたが、やはりどうしても物足りなさを感じていたのだ。高尾ダンジョンが何層まであるかは知らないが、恐らく俺とナギサが協力しても歯が立たないようなボスも出てくるだろう。

 これ以上強くなってどうするのかと思っていたこともあったが、今ではもっと強くなりたいと思うようになった。


 目指すは、高尾ダンジョンソロクリアだ!

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