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シャルロッテを助けたい

ようやく唇を離して顔を見やると、

キースはとっても優しい顔をしていた。


なんとも言えない感情になって、

照れてしまい、

「もうおろしてもらっていいよ」

お姫様抱っこのままはさすがに恥ずかしいし。

うれしはずかしいし。


「まだこのままでいさせてほしい」

といって抱きあげられたまま、

キースが、私が見つかったことをみんなに魔法で連絡してくれていた。


男手に混じって一緒に探してくれていたらしい父が走ってきて、私はようやくキースから下ろしてもらい、

ひとしきり抱き合った。


無事であることをひたすら確認されて、

かなり元気になっている私を見て本当にびっくりしつつも喜んでくれた。

死にかけてたもんね。


心配かけたな、と思う。

申し訳ないような、嬉しいような、

不思議な気持ち。


そして、みんなにあれよあれよと、

家まで帰された私は、

キースに見守られながら、

泣きまくっている母に抱きしめられた。

「良かった……」と何度も言っていた。


そして、

両親はみんなに何度もお礼を言っていた。

ありがたいな、と素直に思う。

ミリーはいい両親に恵まれたな、と思う。


キースが私をみて、

「また明日来るからね」と言ってくれて、帰った。

朝から来てくれていたのに明日もきてくれるなんて。

本当に感謝しても仕切れない。


そのあとサーム先生が診てくれた。


大丈夫だとお墨付きをいただいて、

彼はようやく自宅に帰っていった。

サーム先生何連勤させてしまったんだろ。


自分のせいとはいえ、なかなかブラック!


私の前世のOLの時は、

全然ブラックじゃなかったし、休日出勤もほぼほぼなく、

定時退勤がほとんどだったので、とても働きやすかった。


サーム先生が倒れないか心配だ。


サーム先生が清浄魔法をかけようとしてくれたが、

お風呂に入りたいからいいです、

と断った。


すぐ湯浴みさせてもらい、

さ、い、こ、うーってなった。

このために生きてるよな!


そして、ようやく、ようやく!

食事にありつけた。


この世界にもおかゆがあるらしく、

病院食の回復食か!ていうくらいどろどろのお粥だったけど、いやこの世界でもこの二週間ほどほとんど食べれてないので、

回復食で間違いないだろう。


しかし、とってもおいしかった。

お米の本来の甘味、

素材の味が感じられるとはまさにこういうことだろう。

料理長ありがとう。


前世で、入院した時もそんな感じだったけど、

感動したのは最初だけで、そのおかゆも段々飽きてきて、

白米になった時、そして朝食にパンが出た時は狂喜乱舞した。

人間って本当欲深いよね。


空腹が満たされた私を、

「よかった」って涙ぐんだエイミーが細腕ながら支えてくれて、

そのままベッドへ行き、

本当にひさしぶりに、熟睡した。


※※※


朝起きると、

すでに両親は今回のことのお礼のために方々へいくため、もう家をでていた。


結構早く起きたと思うのだが。


他人事みたいな感想なのだけど、

親というのは本当にすごい。


私もいつかこどもができたらそうしてあげられるお母さんになりたいな。


はて。

「シャルロッテは大丈夫なの?」

ふとあのツインテールのあの子が思い出された。


巻き込まれた私の両親ですらここまでかけずりまわらないといけないというのに、

巻き込んだ側になるシャルロッテはどうだろうか。


たしか、キースが犯人のことで進展があったと言ってなかったか。


おそらく、シャルロッテが私に魔法をかけたと特定されたということだろう。


シャルロッテが私がいなくなった、とこちらまで伝えにきてれたってキースが言ってた。

そのあと彼女はどうなったの?


あぁ、こういう時どうすればいい?


……あ、そうだ。

私もお父様お母様と一緒にお礼行脚についていって、

シャルロッテさんに助けていただいたっていえばいいんじゃない?


「それは無理ですね。

ミリー様は病み上がりですよ。皆さん来られても迷惑ですし、私たちも少なくとも、今日はお休みいただくことを望んでおります。ちなみに、シャルロッテ嬢はご両親も来られて家に連れて帰られてました。シャルロッテ嬢のご両親は朝からお詫びに駆けずり回っていらっしゃると思いますわ」

朝の用意を手伝ってもらいながら、

エイミーに言われた。


着替える時に思うが、

服を脱いだらあまりのガリガリに少し悲しくなる。

ごついのを悩んでいたので、細くなったら嬉しかったけど、

これはそれ以上だ。


細いとか華奢の上を行ってる。

長袖のふわっとした体のラインを拾わないデザインのワンピースにしてもらって、さらにカーディガン着たらどうにかマシになるのでそうしてもらった。


「きっとすぐふっくらしますよ」

エイミーが慰めてくれる。


病人だったのだから、しょうがないけど。

ま、もうすでに元気だからきっとあっという間にごつくなるでしょう。

いや、ごつくなる手前あたりで止めれるといいのだが。


朝食が用意されるが、

また例の10倍がゆだった。泣ける。


いつになったら食べれるの。

でもその10倍がゆを完食するのすらキツくなっていた。

胃腸はもともと弱いのだ。

料理長は栄養士さんなのか!というくらいきちんとしてくれている。

我が家の料理長が料理長で本当によかった。


早くめっちゃ油っぽいの食べたい。肉たべたい。

欲望に忠実に、そう思った。


たしかに、動き回るには体調がまだ万全ではないし、

アラフォーにもなると、

もう親が謝り倒してるときにはさすがに変なことはしづらいのだった。

無鉄砲になれたらよかったのかな、とも思うけど、

これが私なんだよね。


でも、下手にすぐ動くより、

みんなに意見を聞いて、最善を尽くそう。

きっと無鉄砲より、いい結果になる、

前世からの経験がそう思わせてくれた。


とりあえず今日来てくれたらキースに、

帰ってきた両親にもシャルロッテを悪いようにしないでもらえるように伝えよう。


あの子2度も助けてくれたのだから。


イベントでもらえる聖女の力をもらいにいくってなった時も、

妖精王様に連れ去られた時も助けてくれた。


ま、原因はシャルロッテなんだけど。

もちろん、許すよ。


シャルロッテはいい子だって、もう確信してる。

なかなか筆がすすみませんでしたが、ようやくかけました。

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