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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
第七章:夏に恋咲く千の華
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第1話:ロックな二人


終業式の日、

夏休み前最後の生徒会で、私たちは、連絡の確認をしていた。


最初に口を開いたのは、生徒会長、須藤すどう 千華せんか会長。

「連絡事項として、8月9日の生徒会、私は私情により欠席させてもらいます」



「え、会長その日休むの?俺もその日休もうと思ってたんだけど・・・」

それに反応したのは、もう一人の三年生、三島みしま れん先輩。


あの日の憂鬱な表情はどこへやら。いつものサッパリしたイケメン感を溢れさせている。


そんな三島先輩に、会長は鋭い目を向ける。

「・・・理由は?」


「え、いやぁ・・・その日は夏フェスがあって・・・」


「夏フェス・・・?」

会長の威圧感ある指摘に、三島先輩は何時もの調子は出せていない。


「え、えっと・・・音楽の祭典で、プリーモが出るって聞いてね?」


「プリーモ?」


「俺の好きなバンドの名前だよ」

私も前に三島先輩から聞いた名前だ。

あの後ちょっと調べてみたけど、デビューは五年前、有名になったのは三年前。

私が知らないのも無理はないだろう。

その間ずっと私は寝ていたわけだし。



「・・・まぁ、いいわ。私も私情で休む以上、ダメとは言えないし」


「会長サンキュー!」



そして生徒会は解散となり、晴れて夏休みになる訳だけれど・・・


「なんか上谷さん、最近元気ないね」

一年生の上谷さんがちょっと落ち込んでいるようだ。

なんかひと月前くらいからこんな感じだ。


「ええ、まぁ、ちょっと・・・」


「何かお悩みがあるんだったら、いつでも相談してね?」


「はい・・・」

私のお悩み相談は、別に生徒会のメンバーも利用していいのだから。





と、上谷さんに声をかけてから、

鈴達に会いに行くために、テニスコートへと向かう。

生徒会室からテニスコートに行く道の最短ルートは、人気が少ない場所を通る事になる。

まだ校内には人が沢山残っているはずなのに、そこだけはシンとしている。


そんな道をすたすたと歩きながら、階段の角を曲がろうとしたとき、聞き覚えのある声がする。


「・・・まさかアイツもプリーモクラスタだったなんて・・・しかもフェスに来るって・・・」


その声は、生徒会長、須藤先輩の声だ。

悪いと思いつつ、陰に隠れて独り言を聞いてしまう。





「こんな身近に同士が居たなんて、予想外だったけど・・・」


同士?


「でも私がプリーモクラスタだなんて、あいつは知らないわよね・・・」


プリーモクラスタ?


いくつか疑問が生まれてきたとき、

私は、ちょっと鼻がムズムズしてきて、焦っていた。

ここハウスダスト多いからかな・・・でも今クシャミするわけには

「へくしゅっ!」





あっ・・・





しまったーー!!!





「っ!」

私のクシャミを聞いてしまったであろう須藤会長も、ガタっと音を立て身構える。


隠れきれなくなった私は、おずおずと陰から出ていく。


「す、すいません・・・」


「六依さん・・・今の聞いてた?」


「・・・はい・・・」

内容はあんまり理解できてはいなかったけど、バッチリ聞きました・・・


「・・・まぁ、新江さんじゃなくて良かったって考えるべきね・・・」


「そ、そうですね・・・」

あの人に聞かれたら拡散待ったなしだろうし。

生徒会長ともなれば新聞の一面を飾るだろう。


「聞かれちゃったらしょうがないわね・・・六依さん」


「はい・・・」

会長は至極真面目な目で私を見てくる。

そして、私の肩をガッと掴む!・・・これ、殺られる・・・っ?


「あなたもプリーモのファンになる気はないかしら?」


「ひっ!・・・・・・えぇ?」

布教してきた!


「私隠れプリーモクラスタでね・・・話せる人が身近に居ないのよ」


「その・・・プリーモクラスタって、なんですか?」

さっきからちょいちょい聞くけど、何なんだろう


「プリーモのファンの総称よ。で、知ってしまった貴方を今ここで仲間にしてやろうって」


「言っちゃえばいいじゃないですか・・・もしくはさりげなくグッズを鞄に下げておくとか・・・」

鈴は、好きなアニメのグッズ鞄に下げてて、同じアニメ好きな人と仲良くなってるよ?


「今までロックバンドと無縁そうな雰囲気の人がいきなり主張してきたら引かれるでしょう?」


会長の言い分も最もだ。

私がいきなりロックバンド最高!とか言い出したら鈴とかビックリするに違いない。

・・・本庄さんは乗ってくるかもしれないけど。そういうの好きだし。


「でも、語り合える仲間は欲しいから、六依さん。あなたにファンになって欲しいの」


「わっ・・・私は、その・・・PeacE.の方で手一杯なので・・・」


「友達が在籍してるアイドルユニットだっけ?まぁ、それなら仕方ないけど・・・」


「っていうか、三島先輩と語ればいいんじゃないですか?あの人もその、プリーモクラスタって人なんでしょう?」


「まぁ・・・そうだけど・・・私ああいうタイプ嫌いなのよ」


「そうなんですか?」


「チャラチャラしてて、女の子にチヤホヤされて、生徒会の仕事はちゃんとこなしてくれるから良いけど、きっと二股三股かけてるわよ。きっと」

会長はお怒りだ。


だけど、三島先輩はそういうタイプじゃないよ。

恋愛恐怖症だし。



ただ、そうは言えなかった。

今の会長、下手な事いうと大変なことになりそうなくらい、精神が揺れている。





いつか誤解を解かないとめんどくさい事になりそうだなぁ・・・

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