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叱られる?

 最初は順調だったのだ、そう最初は。

 今は私は街の中を駆けている。

 教えてもらった道順にそって一直線に。

 向かうは銀行。

 そう、足りなくなったのだ。

 お釣りが!


「すいません、お札の両替をお願いしたいんですけど!」

「はいいらっしゃいませ。如何ほど両替いたしますか?」

「ここにあるお札を均等に小銭にする感じで!」


 バーンとお札を数十枚、受付に出す。

 それを見た銀行員さんに露骨に嫌な顔された!

 でも、でもこれをしないとお釣りがだせないのよぅー!

 はぁ、そうだよねー。

 お店するならお釣りは必要だよね……。

 最初は皆小銭で払ってくれてたからいいけど。

 茶葉を直買いするお客さんはお札で買い始めてさ。

 最初は初めの売り上げの小銭で誤魔化してたんだけど、段々お札の圧力に耐えられなくなって……。

 舐めてた。

 獣人の皆さんのお茶好きを舐めてた。

 なんかネルが「お話合い」に言ってる間にあれやこれやと口コミでうちのお茶が美味しいって話が広まったらしくて。

 試し飲みに来る人が沢山来て、そのまま茶葉を大人買い、っていう流れ。

 完全にできちゃったからなー。

 うう、ネルも居ないのに圧力に負けて両替しに来ちゃったよ……。

 ああ、私の屋台大丈夫かな。

 早く戻らなきゃ……!


 なーんて思ってたんだけど、帰ったらネルがちゃんと見ててくれて一安心。

 お客さんにも頭を下げて。


「申し訳ありません。現在ご主人様がお釣り用の小銭を銀行へ用意しにいっていますので。本当にもうしわけありませんにゃ」


 なんていってるの。

 基本無邪気なあの子だとは思えないくらい礼儀正しい態度に私はちょっと感極まってしまった。

 ちょっと涙目になりながら屋台に突入。


「も、申し訳ありませんでした!お待たせいたしましたがお釣りの用意できました!皆さんもうしわけありません!販売再開です!」


 と言ったら後ろから腰のあたりをぎゅっぎゅってされてしまった。

 んもー、お客さんの前でしょ、って思ってたら耳元にほんのり逆立った毛並みが当たりながら。


「なんで泣いてたのか後で聞かせてもらいますから」


 だなんて言われてしまった。

 ま、まずいー。

 これは変な心配させた罰にいじくられる奴だー。

 うう、なんとかなりませんかね……。

 ちらっとネルを見るとギラリと返される。

 あはは、どうにもなりませんよねー。

 ぐすっ。

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