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独り占めの時間

 どうやって生計を立てるか決まってから、実は世界の根源でうだうだしている。

 それというのも……。


「西方と東方どっちにでようかねー、ネム」

「んにゃー。どっちも良い所があって迷うです」

「ふーん?例えばどんな良い所があるのか教えてーネム先生ー」

「にゃふっ。例えばですかねー。西方はお肉、美味しいです。東方はお魚ですね」

「ネムはどっちが好きなの?」

「私はお肉です。小龍包も断然お肉派ですにゃー」

「じゃあ西方でいいんじゃない?」

「んにゃ、それがですね」


 ネルのいう事には西方は着物文化で私の格好は凄く目立つだろう、ということだ。

 なんでそんな事に?というのは私の意識の中で世界の中心はこの世界でいうアメリカのような大陸で。

 そこを基準に西洋東洋が分かれているのでより西側で距離の近い日本等に当たる国が西洋諸国と呼ばれている、ということらしい。

 なんとも面倒な話だけど、確かに日本は自分の国だけど世界の中心かって言われたら疑問が残るわーというのはわからないでもない感覚だ。


「どうするですか?西方で洋服は目立つけど全くいないってわけでもないですにゃ。あ、でもよく考えたら」

「何?」


 ネルが私と屋台を見比べて頷く。

 あ、そういえば冷静に考えるとゲーム内で使っていたカートのイメージで凄くこっちでいう東方風の造りになっちゃってる。


「東方と西方の中央にあって両方に影響を与えた中欧っていう選択肢もあるですよ。飲むのはお茶じゃなくてコーヒーがメインにゃんですが」

「あ、あー。そういう選択肢もあるのねー。どっしよっかなー」


 というような経緯で私はネルに膝枕を強請って、彼女の膝の上でうだうだと悩んでいるのだ。

 あ、今思いついちゃったけどこんな決断力のないご主人様嫌とか言われたらどうしよう。

 ちらーっとネルの表情を伺ってみる。


「どうかしましたか?ご主人様」


 ヒェッ、しっかり見られてる。

 慌てて目をつむって、私今悩んでます、という様相を取り繕う。

 でもそんなのは彼女にはお見通しなのか、ぽんぽんと私の頭が肉球で撫でなられるのを感じる。

 うう、情けないご主人様でごめんね。


「だいじょーぶです。私達には時間だけはありあまるほどありますから」

「う、うん。ありがと。ネル」

「それに……」


 それに何?

 溜められると何を言われるのかちょっと怖いよ?


「ここにいる間はご主人様独り占めにゃー。ずっとこのままでもいいです」


 ヒエェェッ。

 嫌じゃない自分が怖い!

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