第73話 手本を見せてあげますわ
△△(side:リリアーゼ)
レイライトを屈服させてお姉ちゃん呼びさせる事に成功したわたくしは今、彼女とロゼを引き連れて食堂へと向かってますの。
昨晩レイライトを連れて屋敷に帰ってきた時には既に深夜だった事もあり、マリアお母様と引き合わせる事は叶わなかったものの、いい加減顔を見せてあげないとお母様が心労でぶっ倒れかねないのですわ。
レイライトが生まれてからつい最近まで離れ離れだったせいか、お母様は彼女に対してかなーり過保護状態ですの。
だからわたくしは先程レイライトに対して、あなたのやった事をお母様に伝えられたくなければ言う事を聞きなさいと脅したものの、実際にはそんな事出来るはずもなく、それどころか昨晩ロゼと一緒に彼女を百合乱暴(控えめな表現)した事を知られてしまったら色々おしまいという訳ですわ。
とりあえず今後のおおまかな行動方針としては一刻も早くレイライトにメスとしての喜びを教え込むところからですわね。
始めは無理矢理でも、最終的に彼女が自分から求めてくるようになれば、それはもはや純愛であり、そうなればお母様もわたくし達を祝福してくれる筈なのですわ。
グラントお父様と結婚してる事から分かる通りお母様本人はノンケではあるものの、わたくしとロゼ、それにアクアルお姉様とシャルロットの仲を好意的に見ておられる事から同性愛については寛容ですもの。
……なんか、これだとバレスチカ家真の支配者は最強たるわたくしでも、当主であるお父様でもなく、お母様みたいになってますわね。
––––と、そんな事を考えながら歩いていたら前方から胸元の開いた青のドレス身に纏うウェーブヘアの黒髪黒目の美少女、制服風の修道服を見に纏うツーサイドアップの金髪金眼の美少女、お姉様とシャルロットが仲良く手を繋いでやってきたのですわ。
彼女達もこちらに気付いたようで、シャルロットはお姉様の手を離すとパタパタと音を立てながらこちらに駆けよってきましたの。
「レイライト先輩!良かった、目が覚めたんですね!」
「後輩ちゃん……」
眉を歪めて心配そうな表情で話しかけるシャルロットに対し、レイライトはぼそぼそと小声で喋るとわたくしの背に隠れてしまいましたわ。
嫌いだと申告するわたくしの背に隠れるだなんて、よっぽど気まずいんですのね。
「ごめんなさい。バレスチカ家の人達から聞きました。私、先輩が苦しんでる事にずっと気付かなくて」
「そんな事は……」
ウルウルとその金色の瞳に涙を貯めるシャルロットを見ておろおろと取り乱すレイライト。
美少女の涙は大好物ですけれど、受けの極致であるシャルロットが自分を責めて、同じく受けの極致であるレイライトがロクに慰めもできないせいで収拾がつかなくなりつつありますの。
しゃーないですわね。
わたくしがちょっとやらしい雰囲気にして––––
「シャロちゃん。あまりレイライトを甘やかしちゃダメよ。この子はあなたに対して許されない事をしたんだから」
「アクアル先輩!」
とりあえずシャルロットの太腿でも撫でて場を和まそうと思ったわたくしでしたけれど、何かを察知したのかお姉様がわたくしが行動を起こす前に口を挟んできやがりましたわ。
「レイライト。あなたは色々勘違いしていたようだけどシャロちゃんはね、あなたやリリアーゼを助ける為にこれまでずっと一生懸命修行や学業を頑張ってきたの。そんな彼女にあなたは何をしたの?」
「う、うぅ……」
お姉様から責め立てられてタジタジになるレイライト。
そういえば彼女がシャルロットに魔法をかけたおかげで、わたくしは皆の前でシャルロットに足を舐めさせて泣かせるという実に素晴らしい体験をさせてもらったんでしたわね。
他にもわたくしがお姉様の純潔を頂く事ができたのもレイライトがお姉様に魔法をかけてくれたおかげだとも言えますし、感謝感激雨あられなのですわ。
「それに、リリアーゼとの戦いで重傷を負ったあなたを助けたのもシャロちゃんよ。ほら、何かこの子に言うべき事があるんじゃない?」
「……ごめんなさい後輩ちゃん。それと、助けてくれてありがとう」
「レイライト先輩……」
レイライトからの謝罪と感謝にかぶりを振るシャルロット。
「いいんです。レイライト先輩が元気な姿を見せてくれただけで私は満足です。それに……」
シャルロットは隣にいるお姉様の方を振り向き、とびきりの笑顔を見せましたわ。
「私にはこんなに素敵な、大切な人ができましたから!」
「シャロちゃん……」
うっとりした顔で見つめ合う二人。
シャルロットの髪を指で挟むようにして感触を楽しむお姉様。
この仕草––––。
さてはお姉様、昨日わたくしとロゼがレイライトを手籠にしてる間に、自分もシャルロットとの初体験を済ませましたわね?
二人の様子を見て察したのか、レイライトはあんぐりと口を開けてショックを受けてましたわ。
たぶんこの子、お母様の次にお姉様が好きなのでしょうし、NTR気分に近い脳破壊を味わっているのでしょうね。
そんなレイライトをロゼが『大丈夫ですよ。レイちゃんにはあたしとアーゼちゃんがいますから』と慰めていましたわ。
やれやれ。
この程度で脳破壊されるとは、レイライトもまだまだお子ちゃまですわね。
むしろこれは絶好のチャンスだというのに。
どれ、このわたくしが手本を見せてあげますわ。
「お姉様」
シャルロットと見つめ合うお姉様にこっそり近付いて、シャルロットに聞こえないよう耳打ちしましたわ。
すると、お姉様は露骨に嫌そうな顔をしやがりましたの。
でもそんな事は関係ないのですわ。
「もしシャルロットとのプレイがマンネリ化してきたら、わたくしをお二人の百合の間に挟んでくださいな?お姉様もシャルロットもきっちり気持ちよくして差し上げますわ」
––––お姉様にデコピンされましたわ。
◇◇
食堂には既にお父様とお兄様、それにお母様が席に着席していて、予想通りというべきかお母様とレイライトはお互いの姿を見た瞬間、すぐさま走り寄って号泣しながら抱き合っていましたわ。
この辺りは前に彼女達が再会した時の再放送になってしまうので詳細な描写は省略ですの。
で、食事もおおかた終えたタイミングでその話はお母様から切り出されましたわ。
「ところでリリちゃん。リリちゃんに一つお願いをしてもいいでしょうか?」
「どうしましたの、お母様?」
お母様がわたくしに頼み事をするなんて珍しいですわね。
「私とお父さんはそろそろ王都の王国騎士団の方に戻らなくちゃいけないんです」
「え!?ママ行っちゃうの……?」
この世の終わりだといわんばかりに絶望して涙ぐむレイライト。
まぁ、収入的な意味合いでは高難度ダンジョン『最果ての回廊』で取れた大量のボスドロップ品を売れば数百年単位でバレスチカ家を維持する事が可能とはいえ、お父様にしろお母様にしろ流石に元ある仕事を放置し続けるわけにもいきませんものね。
「それで、レイちゃんを一緒に連れて行く事も考えたんですけれど、騎士団は殆ど男性で構成されてるからレイちゃんの精神的な負担も大きいでしょうし、かといってこの屋敷に置いておくにしてもグレン君一人に任せっきりにするのもなかなか難しいと思うんですよ。まだアルちゃんは学園を卒業してませんし。––––だから」
テーブルから身を乗り出してわたくしの手をギュッとにぎるお母様。
その表情からは我が子の幸せを願う、強い想いが感じられましたわ。
「リリちゃんにはフォーチュン学園でレイちゃんの事を見てもらいたいんです。……この子、リリちゃんの事が大好きみたいですから」
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百合の間に挟まりたがるレズ。
たぶん次回最終回です。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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