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過労死したら異世界転生  作者: とし
ギルドゲーム
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魔具競技予選


参加者たちはそれぞれの持ち場でこそこそと作戦会議となった。もちろんサナギチームも例外ではない。


「まずターゲットは二人が得意な女性層に絞ろう。予選で一位通過する必要はない。下手に目立つよりも、確実に本線に上がることが大事だ。」

「わかった。」「ええ。」


参謀長レオが作戦を立てていく。


「ではどう言う商品を作るか決めよう。なつき、リップクリームは問題なく作れる?」


私は頷いた。そもそも現世では医薬品の開発に関わる研究者だったのだ。化粧品だとかの成分については下手な魔具よりもずっと造詣が深いはずだ。


「女性向けに作るなら品質よりもパッケージが大事かも。普通に可愛いのでもいいし、高級感があるものとか。」

「可愛くて高級感?・・・レースを使ってみるとか?と、とりあえずいくつか試作してみたほうがいいかしら?」

「そうだね。じゃあなつきは中身の、エミリーはパッケージの試作品をとにかく色々作ってくれ。僕は足りない材料集めと、敵情の視察をするよ。」


3人で顔を見合わせて頷いた。



「よーし、じゃあ頑張ろう!!」



私は早速リップクリーム作りに取り掛かる。何よりも保湿力が大事だろう。となるとレッドビーの蜜なんかがいいかもしれない。確か用意してたはずだ。これを中心に作っていこう。


「・・・・よし、これで固まめれば・・・」


分解や凝固の魔法陣をさっと用意して、リップクリームを作り上げていく。気分はまるで錬金術師だ。


「ベースはこれでいいかもしれない。固さはこれでいいのかな・・・好みが色々あるからな・・・・」


そういえばこちらではみたことないが前世には色付きのリップクリームなんてのもあった。女性向けに作るなら試作品を用意しておいてもいいかもしれない。


「とりあえず色々作ってあとは参謀長に選んでもらお。」

「参謀長って僕のこと?・・・まあいいや。順調そうだね。とにかく、今日は広場に結構女性の数が多いから、女性層を狙うのはかなり期待できると思う。必要な材料はある?」

「赤い顔料はある?肌に優しいやつ。あ、オレンジとかピンクもあれば是非。」

「顔料?口紅とリップクリームは違うよね?まあとりあえずわかった。」


レオが目をパチクリさせた。いや、私だって口紅とリップが別物だって知ってるよ。でも前の世界では普通にそういうのあったんだってば。

不思議そうにしながらもレオは材料の調達に行ってくれた。






そして1時間後、私もエミリーも数多くの試作品を作った。


「うわぁ、エミリーの全部良すぎて選べない・・・・」

「あ、ありがとう。なつきもたくさん作ったのね。どういうものなの?」

「これがとにかく保湿力重視で、こっちは保湿力は少し落ちるけど使い心地を重視してて・・・この辺りの色付きのは唇が少しだけ色づくから、保湿とメイクを両立させたい人用かな・・・で、こっちは〜」


私は20は試作品を作ってみたが、レオもエミリーもどれもいいと褒めてくれた。しかし困った。私たち、みんな優柔不断すぎないか。


「コストのことも考えると、これ全部ってわけにはいかない。選ばないと・・・。でも二人の作品はどれもいいよね。確実に誰かは欲しがるデザインと効能だし・・・・」


確かにレオのいう通り、人の好みは千差万別だ。それに何種類か出すにしても、パッケージは好きだが、リップの中身はこっちじゃなくで別なのがよかった、なんてこともあるだろうから組み合わせもよく考えて売り出さないと・・・・・ん、組み合わせ?



「あ、ねえ、カスタムできるようにしない?パッケージと中身それぞれ別売りにして、お客さんが好きに組み合わせられる、みたいな。女の子ってそういうの好きじゃん。」



完全なる偏見だが、割といい案だと思ってる。そしてレオもエミリーもそれだと言わんばかりに表情を輝かせた。


「いいね!カスタム!それを売りにしよう。確かに女性は好きそうだね。」

「私もそれでいいと思うわ。なつきってばアイデアマンね。」

「えへへ。じゃあそうしよう!」


こうして方向性が定まり、最終的に5種類のパッケージと7種類のリップを用意することになり、私とエミリーは制作に追われた。複製の魔法陣が大活躍だ。パッケージには劣化防止の魔法陣を、リップには効果持続の魔法陣を組み込んでいて、一応立派な魔道具リップとなった。



『それでは只今より、販売時間となります!』



そうアナウンスされると大勢の人が流れ込んできた。ギルドゲームでは良いものが通常よりも安く手に入れやすいので、たくさんの人が審査員兼客として訪れる。


「なにこれ可愛い!色々選べるんだ!」

「私このレースのついたのがいい!あ、中身はこの赤いやつでお願いします!」

「うそ!すごい艶々になる!」


噂が噂を呼び、サナギの屋台の前には女性たちの列ができていた。作戦は大成功だ。


「9フェントになります。」


価格はレオが絶妙に設定した。リップクリームにしてはそれほど安くはないが、これだけのものをこの価格で、位には思ってもらえる値段だ。どうやらレオくん、商才があるみたい。



そして販売時間の2時間はあっという間に過ぎた。


魔具店サナギの売上は全体の中で4番というかなりの好発進で、無事に本線に出場を決めた。

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