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部屋と死神と私

 U子の案内に従い、街中を進んでいく。

 だいぶ日も傾いてきた。

「ちょっと急ごっか」

「ん?」

「面会時間はまだ大丈夫だと思うけど、念のためなんだ」

「面会時間?」

 その答えを聞くまでもなく、目の前に病院が見えてきた。

 市内でもっとも大きい総合病院だ。

「ここか?」

「……そう」

 U子に導かれるままに、中に入っていく。

 もう何か、デートで買い物に付き合わされる感じだ。

 デートとかした事ないけど。

 入ってすぐ、真っ黒いパジャマを着たおかっぱの女の子がいた。

 見た感じ小学校低学年くらいだろうか。

 なんか、じっとこっちを見てる……

 っていうか、俺の肩口見てないか?

 あの子は「見える」タイプなのかもしれん。

 が、特に絡んでくる様子も、俺にそっちの属性もないので、放置することにする。

 受付を介さず、そのまま脇を抜けて階段を上っていく。

 奥へ奥へ。

 似たような風景が続いて、一瞬何をやってるかわからなくなる。

 こう、昔の3Dダンジョンゲームみたいな感じだ。

 そうして、一番奥の部屋についた。

 プレートには『岐部(きべ)雪子(ゆきこ)』と書かれてある。

「ここ?」

「……うん」

「入るの?」

「……うん」

「入っていいの?」

「……うん」

「ホントに大丈夫か?」

「だからいいってば!」

 怒られた。

 気を取り直して中に入る。 

 ぴっ、ぴっ、ぴっ……

 医療ドラマとかでよく聞こえる電子音がする。

 心電図だろう。

 どうやらここの主は、そういう状態のようだ。

 ベッドの上に、寝ている。

 そうだ。

 わかってる。

 どういうことか。

 ただ、認めたくなかっただけだ。

 そうだよ。

 どう見てもU子だよ。

「……どういう事だ?」

「私ね、厳密には死んでないんだと思う」

「じゃあ……」


「脳死……なんだ」


 もうね。

 ハンマーだよね。

 あれで頭をガーンッてやられた感じ。

 脳死。

 よく聞く単語だけど、それがどれだけ重いか。

 俺、正直わかってなかったよね。うん。

 脳死て。

 そんなん無理じゃん。

 治るわけないじゃん。

 セガールの映画じゃあるまいし、ムリだろ。

「ひでぇ……ひどすぎる……」

「そうだね……このまま永らえても、家族の負担になるだけだし」

 そういうことじゃねえだろ。

 何だよ家族って。

 お前虐待してたやつらだろ。

 見ろよ部屋の花瓶。

 全然取り換えられてねえから枯れてるじゃねえか。

 そんな家族だろ。

 そう喚き立てたかった。

 でも、声が出なかった。

 無理やり声を絞り出そうとした、その時――

「お姉ちゃん……もう長くないよ」

「え?」

 振り返ると、部屋の入り口のドアから、玄関で見かけた女の子が顔半分を出していた。

「それはどういう……」

 こっちの問いかけに答えず、女の子はサッとその場を走り去る。

「待てっ……!」

 わけはわからん。

 けど、ここで追いかけないと、取り返しのつかない事になる気がした。

 廊下に出ると、小さな背中が、ぺたぺたスリッパを鳴らしながら走っているのが見えた。

 まぁ、追いかけるよね。

 追われるよね相手。

 逃げるよね。

 パッと見、俺変質者だよね。

 だから、早く追いつかないとガメオベラになる。

 必死の形相で追いかけるわけですよ。 

 もうその時点で犯罪すれすれなわけですよ。

 でね、少女は階段駆け上っていったんですよ。

 その上は、屋上。

 うへへへ。

 もう逃げられねえぞ。

 少女は自分が選択を間違えた事に気づいてたじろぐ。

 俺から逃げようと、うろちょろするが逃げ場などなく、転落防止用のフェンスまで追い詰められる。

 ハァハァ……!

 でね。

 気づいたらね。

 すげえ冷たい目で見てるの。

 U子。

「……」

 何か言ってくれよ。

「ちょっとした冗談だろ……」

「目が本気だった」

「オタクだからこそ幼女を守ります」

 まぁ、ぶっちゃけこれは本心からだ。

 下らん言いがかりで趣味の分野を邪魔されたくないし、何より20ばから父性強くなってきてそんな目で見れんし。

 それはさておき。

 少女はそらもう、明らかに怯えてた。

「あー……何だ。俺は怪しい奴じゃない……って言っても信じれないよなあ」

 こくんと頷く少女。

 うん。

 それはそうなんだろうけど、ヘコむよね。

「U子、頼む」

「え? でも私幽霊だよ?」

「たぶん、あの子見えるし、俺よりましだ」

「わかった」

 U子はふわりと浮きながら、少女に向かっていく。

「ねえ、あなた私が見えるんだ?」

 少女、こくりと頷く。

「私、雪子って言う名前なんだ。あなたは?」

「にじょう……さくら」

 二条桜、かな。

 なんかかっこいいな。

「さっき、死ぬって言ってたの、私のことだよね?」

 またこくりと頷く桜。

「何で死んじゃうのかな? 寿命?」

 桜はぶんぶん首を振る。

「しにがみが、いたの」

「死神?」

「まくらもとにね、いたの。あれがいる人はちかいうちに死んじゃうの」

 そんなもの、見えなかったぞ?

「私にはわからなかったけど」

「うらない師のおばあちゃんが言ってた。れいかんがあって、その上でしにがみを知らないと見えないんだって」

 なんだろ。認識して初めて見えるって事?

 急に量子力学みたいな話になったな。

「それは、どうにか出来ないのか?」

「無理だろうねえ」

「えっ?」

 突然、背後から声がした。

 サングラスをした小柄な老婆だった。

「おばあちゃん」

「桜、また変わったのと話してるねえ」

 じゃ、じゃあこの人が占い師だとかいう……

「な、なあ、死神ってのはどうにか出来ないのか?」

「何だい。口のきき方を知らない男だねえ。頼みごとするってんなら、それなりの礼儀ってもんがあるだろうに」

「す、すいません……」

 俺のコミュ力なんてこの程度ですよ。

「まぁ、いいさ。別にどっちでもねえ。死神を追い払うなんざ、100回やって1回成功するかどうかさね」

「あ……」

 もうさ、そんな声出すんじゃねえよ。

 わかっちゃっただろうが。

 お前さ、やっぱ生きたいんだろ?

「100回に1回は成功するんだな?」

「ほ、ほほ。なんじゃ、しょぼくれた見た目の割には骨があるじゃないか」

 さも意外そうに言う婆さん。

 あと余計なお世話だ。

「漫画の読みすぎじゃ」

「う……」

 否定できん。

 できんけど、する。

「でも、ゼロってわけじゃないんだろ?」

「今から言うものを用意せい」

「え?」

「メモの用意をせんか!」

 婆さん豹変。怖ええ。

 そりゃ即用意しますよ。携帯のメモ機能だけど。

「いいか。わしゃ、これでも田中角栄に重用されておった占い師なんじゃぞ。それがロハで力を貸してやろうっちゅうんじゃ。感謝せい!」

「おばあちゃん、この間は『よしだしげる』って言ってた」

「どっちもじゃ!」

 絶対嘘だ。芸能人を洗脳してたとかって方がもっと説得力ある。

 けど、信じるしかない。

 だって、今、チラッと見たんだ。

 屋上のこの角度から、あいつの病室。あいつの姿は見えないけど、あれが、いた。

 本当に、いた。

 死神。

 なんて陳腐な名前だろう。

 でも、そうとしか言えなかった。真っ黒のフードを被って、あいつの枕元に立っている。

 禍々しさよりも、「決められた時」が来るのをただ待ってるだけの、あの佇まいに背筋がゾッとした。

「なに今更ビビっておるか!」

「お、おお……」

「さっさと言うもん用意せい!」

「は、はい」

 婆さんの言うものはたった二つだった。

 日本刀と日本酒。

 日本酒はどうにでもなるけど……日本刀とかどうすんだよ。

「こっち」

 桜が手招きをしている。

 とことこ歩いていく桜。

「追いかけた方がいいんじゃない?」

「だよな」

 U子に促されて、慌てて追いかける。

 桜に続いて院内をかけていくと、院長室が見えてきた。

「……おいまさか……」

 嫌な予感とは当たるもので。

 桜はヘアピンを取り出すと、ドアの鍵に突っ込み、カチャカチャと回し始めた。

 ガチャリと音がして、あっさりとドアが開く。

「OK」

「OK……じゃねえよ。なんでピッキングなんかできるんだよ」

「さらわれた時のために覚えとけって」

「とんでもねえ婆さんだなおい……」

 桜は気にもとめず、中へ入っていく。

「あ、おいかけなきゃ」

「仕方ねえな……」

 しぶしぶついていくと、中は意外に純和風の作りだった。

 畳敷きで、奥には鎧武者が鎮座ましましている。

 どうやら、その武者の前に置かれてある日本刀を借りるらしい。

 というか、桜に促されるまま、拝借したわけだが。

 そんで、見つからないように猛ダッシュでU子の病室に向かってるわけだが。

「なんか、ドキドキするんだね」

 どこか嬉しそうにU子が言う。

「のんきに言うけどな、俺、捕まったらムショ行きだぞおい」

「いいじゃん。こもる先が自宅か刑務所かの違いでしょ。ふふ」

「あ、言いやがったなこの野郎……! 助けるのやめよっかなー」

「とか言って、助けてくれるんだ?」

 ちくしょう。勝てる気がしねえ。




 U子の病室に、しめ縄やら神社によくある紙切れをつないだやつ――婆さんによれば()()というらしい――やらが用意されている。

 俺が酒を買いに行ってる間に集めてきたらしい。

 こんなん用意するほうが、酒とかよりもよっぽど難しいような気がするが……

「準備はいいようだね」

 婆さんが刀を掲げて言った。

 うん。すげー怖い。抜き身だし。

「行くよ。桜、酒!」

「はい」

 桜から一升瓶を渡されると、婆さんはそのまま口に含み……

「ブッ!」

 思い切り刀に吹きかけた。

 清めるんだろう。

 でもあれ、院長のだぞ。いいのかおい。

 一方、死神は微動だにしない。

 その体から放たれる異様な威圧感はそのままで、ギロチン台みたいな無言の圧力を感じる。

「桜、あんたは出てな」

「で、でも」

「でももヘチマもあるかい!」

 婆さんの一喝に、桜はしぶしぶ部屋を出ていく。

 それでなんとなくわかった。

 これから起こる事は、危険なんだと。

 いや、危険なことくらいわかってたつもりだ。

 でも、根拠もないのに、この婆さんが何とかしてくれるって、楽観視してたんだ。

 そんな自分に腹が立った。

 だからと言って、何が出来るわけでもない。

 俺は、なんなんだよ。

(いく)(たま)……(たる)(たま)……」

 婆さんはぶつぶつと呪文めいたもの――祝詞(のりと)?――を唱える。

 昔、中二病が高じて神話やら調べてた事があるから、ちょこちょこは理解できるものの、全体としてはよくわからない。

 そんな呪文が続く中、突然背中に氷でも当てられたかのような猛烈な悪寒が襲った。

「あ……」

 見てる。

 死神がこっちを。

 その目は、何もない真っ暗な穴なのに、見てるってわかる。

 U子も、不安げな視線を向けてきた。

 その手足は、がたがたと震えている。

「何ビビっとるか! おなごの手でもにぎってやらんか! 男じゃろ!」

 婆さんが鬼の形相で叫んだ。

「は、はい」

 俺は情けない声を出して、寝たきり状態の生身のU子と、幽霊のU子の手を握った。

 マイムマイムじゃあるまいし、変だとは思ったけど、自然とそういうつなぎ方をしてしまってた。

「……」

 U子が無言で頷き、手を握り返した。

 こちらのU子の手は温かさを全く感じないし、物質に触っているというよりはシャーペンを眉間に近づけた時みたいな、じんじんした感覚が掌にある感じだ。

 逆に、生身のU子は、温かさを感じるが、握り返してくれたりはしない。

 正直、今自分の中にある感情を、言葉に出来ない。

 それでもU子の前でこれ以上カッコ悪いとこを見せてられん。

 死神を睨みつけながら、両手に力を込める。

 ず……

「え?」

 死神が、じりじりと動き出した。

 呪文を唱えている婆さんにじゃない。

 明らかに、U子の霊を目指している。

「キエエエエエエッ!」

 そこで婆さんが吠えた。

 刀を振り回し、死神が移動しようとしている方向を斬る。

 原理はよくわからないが、呪術的に道を切っているんだろう。

 その効果あってか、死神の動きが止まった。

 が――

「んあ……」

 U子が、変な声を漏らす。

 その体が、死神に引き寄せられていた。

 相手は手をかざしているだけなのに、重力がそこにだけかかってるようにU子の足はもう地面から離れて前に飛び出している。

 必死で手を握りしめるが、その力は凄まじく、死神の重力に俺の体も引っ張られ始めた。

 まるで綱引きのように、足を踏みしめて耐えるが、それでも前に引きずられていく。

 生身のU子の手を握りしめているので、ベッドからその生身がずり落ちそうになっていた。

 それだけじゃない。

 死神の体からは、黒い霧のようなものが漏れ出している。

その霧に触れた箇所は冬場の河に手を突っ込んでるような、身を切る冷たさが襲ってきた。

それはU子の霊体にもまとわりついて、それから握りしめた手にも伝わってくる。

指先の感覚が薄れていく。

「ぐ……」

あまりの冷たさに、頭の芯まで凍りつくようだった。

その間も重力は止まない。

もう生身のU子の上半身はベッドから半分滑り落ちていて、俺の体もほとんど霧に包まれていた。

「やめて……」

 同じく霧に包まれたU子の方から、か細い声が聞こえた。

 でも、俺は聞こえないフリをする。

「もう、やめてよ……ここままじゃ……」

 知るか。

「やめてってば! ……こんなの耐えられるわけないんだ! あなたまで死ぬことないんだ!」

 いやだ。やめない。

 絶対放すもんか。

 どっちもだ。

 霊のU子も、生身のU子の手も放さない。

「くうっ! 後少しだってのに……」

 と、不意に婆さんが膝をついた。

 婆さんは汗だくで、その足元にも黒い霧がまとわりついている。

「霊力だ! 後少しでいいんだ! 畜生め!」

 その表情には、悔しさがにじんでいる。

 力が及ばない、でも諦めきれない、そんな顔だった。

「まって!」

 病室のドアががらりと開いた。

 そこから飛び込んできたのは、桜、そして――

「わんっ!」

 犬だった。

「わうー!」

 死神を睨み、唸るその犬は、あの河川敷で会った野良犬だった。

「お、お前……」

「うううう!」

「桜! 何で来た!」

 婆さんは膝をついたまま叫ぶ。

「だって、このわんちゃんが部屋に入りたそうにしてたから……」

「犬がなんだい……あ?」

 婆さんが目を丸くした。

 何か、とてつもないものを見たような……

「この犬……なんて霊気だい……!」

「ううううう!」

 確かに、このワン公の威嚇に、死神がたじろいだように見える。

 重力は心なしか弱まり、霧も薄れていく。

「なんてこった。この犬……守護霊が三体も憑いてる!」

「あ」

 そういうことか。

 こいつに、U子いじめてた奴らの守護霊全部ぶちこんだから、今、とんでもなくいい運気をもってるはず……

「これならいけるかもしれん!」

「わう!」

「かしこみかしこみ……ここなる女性(にょしょう)、まだ死すべきにあらず……」

 婆さんは刀を杖に立ちあがると、再び呪文を唱え始めた。

 その間も、犬は唸り続けている。

 ベッドからずり落ちそうだったU子の生身の体は、桜がおさえてくれている。

「……なぁ、U子。こんだけみんな頑張ってくれてんだぜ。……やめるなんて言うなよ」

「……うん」

 U子の手が、力強く握り返される。

 もう、無敵だ。

 死神の重力も、身を切る冷たさも知ったこっちゃない。

 あんな奴、もう怖くもなんともなかった。

「あんな奴、もう怖くないんだ」

「ぶっ!」

「どうしたの?」

「何でもないっつの」

 ……同じこと同じタイミングで考えてるんじゃねーよ。

 二人して、死神を睨む。

 死神の霧は、じわじわとその領域をせばめている。

『……なぜだ』

と、ここで初めて、死神が口を開いた。

『……なぜ邪魔をする?』

 まさに地の底から響いてくるような、暗い、くぐもった声だった。

『私が冷酷無慈悲な存在だとでも思うか?』

「……」

 多分、違うんだろう。

 こいつからは、殺意とか憎しみとか、そんな小さいものは感じない。

 もっと大きな「流れ」か何かだ。

 きっと、死んだ人を「次」の「どこか」へ連れて行くんだ。

 ……けど、そうさせるわけにはいかん。

『たとえ今を凌いだとしても、目は覚めぬ。永らえても苦痛が増えるだけに過ぎぬかもしれぬぞ?』

「だったら……!」

 死神、あんたは何もわかっちゃいない。

 死ぬっていうのは、俺みたいなことを言うんだ。

「俺が医者になって治してやる!」

「え……?」

 ああそうさ。

 無茶なこと言ってるのはわかってる。

 こんないい年ぶっこいたヒキニートが言うようなセリフじゃない。

 でも決めたんだよ。

 だって……だって外に出れたんだ。

「俺が、外に出れたんだよ!」

 わかんねえだろうな。でもどうでもいい。

「だから俺が治すんだ! 死なせねえぞ! 絶対に死なせねえぞ!」

「で、でも……」

 ここに来て、怖気づくU子。

 死神が怖いんじゃない。

 俺の事が不安なんだ。

 だったら、問題はない。

 俺がいいって思ってんだから。

「死にたいのか! 生きたいのかはっきりしろよ!」

「それは……」

「うるせえ! 生きろ!」

 もう返事なんかしらん。

 答えは聞いたようなもんだ。

 だって、さっき握り返してきた手の、その強さが全く変わらないんだから。

「優しすぎるよ……最初、私、取り殺しに来たんだよ?」

「それで元気にさせてりゃ世話はないって話だよ」

 カッコつけたわけじゃないけど、自然と笑いが出た。

 U子も、笑ってた。

 死神は棒立ちだった。やがてその姿も薄くなっていく。

『……私は定めに従うだけ。所詮、私には水が湯になる程の時の差に過ぎぬ。次なる定めを待つだけだ……』

 そして、その言葉だけを残して消えた。

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