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第29話 「激突 ― 翠と蒼と朱―」

第29話

「激突 ―翠と蒼と朱 ―」

――モディアス王国・上空――

赤い双眸が、夕暮れを裂く。

《エンプレス》。

龍節棍が唸りを上げ、王都へ向けて無数の刺突を繰り返す。

連撃。

連撃。

連撃。

だが――

王都全域には、防御シールドが展開されていた。

半透明の障壁が軋み、波紋のように歪む。

直撃は免れている。

しかし。

衝撃が積み重なるたび、街全体が大きく揺れる。

建物の窓が震え、悲鳴が広がる。

恐怖が、空気を支配していく。

甲板

匠はその光景を見上げ、唇を噛みしめる。

「……ダメだ。

完全に暴走している……!」

エンプレスの動きは、先ほどまでの“型”とは違う。

速い。

重い。

だが――荒い。

アンジュ

「このまま黙って見ているわけにはいかないわ!

匠、ラボまで走るわよ!」

匠「は、走る⁉️」

一瞬、戸惑う匠。

アンジュもいまの状態を見て、戸惑う。

アンジュ「回る…転がる?…もう!なんでもいいわ!兎に角ラボまで急ぐわよ❗」

相手は“武漢”。

勝てる保証などない。

だが。

他に手はない。

匠は、強く頷いた。

匠・アンジュ

「「せーのっ‼」」

背中合わせ。

呼吸を合わせる。

視線を交わさない。

それでも、分かる。

横へスライド。

同時回転。

側転からの加速。

甲板を蹴り、通路を駆け抜ける。

以前の二人なら、ぶつかっていた。

今は違う。

2人の“呼吸”が、完全に同調していた。

――モディアス王国・中央ドック――

空を見上げる民衆。

不安。

動揺。

その間を、二人はすり抜ける。

背中合わせのまま、ラボへ飛び込む。

ココル

「な、なんじゃお前達!その格好は!?」

アンジュ

「説明はあと!

それよりこの“枷”を外して!」

ココル

「お、おお……待っておれ!」

作業用レーザーが唸る。

ジージュジュッ……!

火花。

焼け焦げた金属の匂い。

拘束具が床へ落ちる。

カラン…と乾いた音。

アンジュは、自由になった手首を握る。

アンジュ

「よし!匠、私達で止めに行くよ!」

「ああ!行こう!」

発進

リンクス。

シルヴィ。

二機が同時に跳躍。

推進光が尾を引く。

空へ。

上昇中

匠はモニターを見て、息を呑む。

「に、2000……!」

活動限界値。

初搭乗時は“200”。

桁が違う。

「修業の成果だ……!

これなら……‼」

拳を握る。

機体が、応えるように出力を上げる。

アンジュは操縦桿を握りしめる。

アンジュ(軽い……!)

風の抵抗が、読める。

推進の反動が、予測できる。

アンジュ(前よりもずっと、機体が身体の延長みたい……!)

再調整なし。

それでも、吸い付くように馴染む。

アンジュ(……私も、変わった。)

二人の呼吸が、空の震動と重なる。

――モディアス王国・上空――

翠の閃光が止む。

エンプレスが、ゆっくりと振り向く。

赤い双眸。

視線が、二機を捉える。

空間が、重くなる。

リンクス。

シルヴィ。

並び立つ。

三機が、空中で静止する。

龍節棍が、低く唸る。

アンジュ

「さて……どう止めるか、よねぇ……」

軽口。

だが声は硬い。

匠は、かつての“師”を見据える。

「……行こう、アンジュ。」

アンジュ

「ええ。」

一瞬。

エンプレスの出力が跳ね上がる。

だがその波形は――

どこか、規則正しい。

“師匠”対“弟子達”。

風が止む。

音が消える。

緊張が、空を裂く。

次の瞬間――

三機が、同時に加速した。

翠と蒼。

朱と翠。

軌跡が、交差する。

そして、龍節棍と2機の武器が衝突した!

リンクスとシルヴィが交互に息のあった攻撃を繰り出す。

だが、エンプレスは、次々と龍節棍で払い除ける。


リンクスの2つのブーメランユニット「クレセント」が龍節棍の刃筋をいなし、その隙にシルヴィの双剣がエンプレス本体へと斬りかかる。


しかし、龍節棍は、中央の節を伸ばし展開され三股の刃で双剣を止め、もう一方で「クレセント」を払い除けた。


アンジュ「ねえ匠、ゲネルの時に使った拘束技、使えないの?」


匠「試しているんだけど、技をかける隙がない…。」


アンジュ「私が前へ出るから、もう一度試してみて❗」


匠「止めてから、どうするのさ❗」


アンジュ「…力一杯、ぶん殴る‼️」


匠「…へっ⁉️」


アイザック「……」


コックピットのアイザックの口角がわずかに

上がる。

挿絵(By みてみん)


龍節棍の中央が分断され2本の長いカリスティック状に変形した。


アンジュ「…❗」


シルヴィが双剣を構え、真っ向から突進し次々と斬撃を繰り出す。

エンプレスは、それらを両手の龍節棍でかわし続ける。


リンクスは、「クレセント」を操作しながら隙が出来るのを伺っている。


攻撃の中、一瞬の隙が生まれ、シルヴィは、エンプレスを蹴りあげる。


アンジュ「今よっ‼️」


リンクスは、エンプレスの周りで「クレセント」を操作して青いエネルギーボールに閉じ込めて拘束した。


アンジュ「これで止まるか分からないけど、我慢してよね。」


シルヴィは、双剣を収め拳を握りエンプレスへ突進した。


アイザックの口角が上がる。


エンプレスは、雄叫びをあげ片足で内側から地表へと蹴り落とす。

すると地表は、その衝撃で波紋の様に歪みエネルギーボールが粉々に砕け散った。


だが、シルヴィはそのまま殴りにかかるがエンプレスの鋭い蹴りで飛ばされる。


エンプレスの前にどうすることも出来ずにいる2機。


匠(…なんだろう?違和感を感じる…)

アンジュ(動きに“意思”が感じられる…)


お互いに“違和感”を感じながらもエンプレスを見ていた。


アイザック「…奥義・龍虎翠影陣…」


アンジュ「…奥義⁉️」


エンプレスの周りに緑のオーラを発し、2体になった。

匠「…分身した⁉️」

挿絵(By みてみん)


2体になったエンプレスを前にリンクス・シルヴィは、どう立ち向かう…。


-つづく-


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