↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『40歳OLと高校生、世間では“母子”、本当は恋人――バレたら即終了の年の差ラブコメ、始まります。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
シーズン8.5《社会人8年目と2人の出世…家族5人編のその後と特別編 ~ 》
PR
140/169

特別編⑨ 「聖誕祭に重なる、五人のぬくもり」


冬の空気が、いちばん澄む頃。


街は完全にクリスマスに染まり、

どこを歩いても、光と音楽が重なっていた。



――12月24日 クリスマスイヴ


朝。


結翔、未来、莉嘉の三人は――

真希の実家にいた。



「今日は何する?」


未来が聞く。



「おえかき!」


莉嘉がすぐに答える。



結翔も頷く。


「手紙も書こうぜ」



三人はテーブルに座り、紙を広げる。



色鉛筆。


クレヨン。



「パパはここ」


「ママは隣」



五人の姿を描く。


手を繋いだ家族。



その横に、小さな文字で書く。



“ありがとう”

“だいすき”

“またいっしょにあそぼうね”



少しだけ不揃いな文字。


でも、それが一番まっすぐだった。



一方――


真希と悠真。



久しぶりに、二人きりの時間。



訪れたのは

TOHOシネマズ 渋谷



映画館の中。


少し暗く、静かな空間。



「こういうの、久しぶりだね」


真希が小さく言う。



悠真も頷く。


「ほんとにな」



上映が始まる。



恋愛映画。



舞台は高校。


ある女優が、撮影で訪れた学校。



過去。


彼女は、かつてその場所で――


傷ついていた。



クラスの女子たちからの、静かな孤立。


言葉にしない圧力。



そんな中で――


一人の男子が現れる。



名前も名乗らない。


ただ、手を取る。



「行こう」


それだけ。



そして、そのまま去っていく。



時間が流れ、


再び同じ場所に立つ彼女。



「ありがとう」



そう言って、彼にキスをするシーン。



その瞬間――



横から、柔らかい感触。



真希の唇が、悠真の唇に触れていた。



「……っ」


悠真は一瞬だけ固まる。



だが、声は出さない。


周囲には他の観客がいる。



真希は、何も言わない。


ただ、ほんの一瞬のキス。



それだけで、十分だった。



映画は静かに終わる。



館内が明るくなる。



二人は、何も言わずに席を立つ。



外へ。



夜の渋谷。


イルミネーション。


人の流れ。



その中で――


真希が後ろから、そっと悠真に抱きつく。



「……」


驚く悠真。



耳元で、静かな声。



「愛してる」



その一言。



悠真は振り返る。



何も言わずに、ただ軽く笑う。



その夜は、それで終わる。



言葉は少ない。


でも、それ以上は必要なかった。



――12月25日 クリスマス


朝。



家に戻ると、三人が待っていた。



「おかえり!」



「ただいま」



その瞬間、家の空気が一気に温かくなる。



テーブルには、準備された料理。



クリスマスケーキ。


ローストチキン。


ローストビーフ。



「シチューとピザはまた今度ね」


真希が笑いながら言う。



「今日はこれで十分だよ」


悠真も頷く。



「その前に!」


結翔が声を上げる。



未来と莉嘉も並ぶ。



「これ、あげる!」



三人から渡されたのは――


手紙と、お絵描き。



五人の家族。


手を繋いでいる。



その絵を見た瞬間、


真希の目が少しだけ揺れる。



悠真も、ゆっくりと息を吐く。



「……ありがとう」



自然と、三人を抱きしめる。



「大好きだよ」



子どもたちも嬉しそうに笑う。



そのまま、食卓へ。



「いただきます!」



にぎやかな時間。


笑い声。



ケーキを切る。



「せーの――」



「メリークリスマス!」



五人の声が重なる。



その瞬間、


すべてが満たされる。



忙しかった日々。


すれ違いそうになった時間。



それでも――


ちゃんと戻ってきた場所。



“家族”



食事をしながら、笑い合う。



それが、何よりも大切だった。



夜。



子どもたちは満足そうに眠る。



真希と悠真は、その姿を見ながら並ぶ。



「いいクリスマスだったね」



「うん」



静かな返事。



外は寒い。


雪も降っている。



でも――


この家の中だけは、あたたかい。



五人で過ごす時間。



それが、これからも続いていく。



ゆっくりと、確かに。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。