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AIと紡ぐTRPG冒険譚  作者: 黒緋クロア
大学生 相澤拓真の物語
26/38

【2周目シナリオ:レイニー・ブルー・レイアウト】終

「雨水を深海の力に変換する……。それなら、ただの『バグの残滓』を、そのまま俺たちの『回復ソース(バフ)』に書き換えちまえばいい」


拓真の目は、キャンパスを濡らす無限ループの雨を見抜き、その奥にある「記述の構造」を捉えました。雨水そのものに「深海の使者」という定義を上書きすれば、それは敵の兵器ではなく、味方のエネルギー源へと反転します。


【選択肢C+Aのコンビネーション:属性の反転・デバッグ】


拓真はスマホのキーボードを軽快に叩き、雨がキャンパスに落ちる瞬間の「座標」と「変数」に介入しました。

「深海、準備はいいか? 今からこのキャンパス全域の雨データを、お前の加護に再定義する。……インクの海を、聖域に変えてやる!」


【デバッグ・メモリチップ効果発動!】

ダイス難易度補正(-5%)!

【芸術/製作(即興小説):75% → 80%】

ダイス結果:成功!


記述ログを書き換える。――『このキャンパスに降り注ぐすべての雨水は、深海の使者たる少女の魔力を媒介とし、その祝福を伝える清浄なる雫へと変ずる』――【上書き保存リライト】!」

拓真が送信キーを叩いた瞬間、キャンパス全域を覆っていた青いインクの雨が、カチリ、と電子的なノイズを立てて色を変えました。

濁ったインクの色は抜け落ち、透き通るような純粋な水へと変わります。それどころか、その雨粒一つ一つに、深海の魔力が宿り始めました。

『――な、ナンダ、これは……! システムノ、属性ガ、変換サレテ……!?――』

『レイニー・スクリプト』は悲鳴を上げました。自分の武器であるはずの雨水が、深海の加護を帯びた「浄化の雫」となって降り注ぎ、怪物の体内に侵入し始めたからです。

「行け、深海!」

「了解です! 拓真さんの記述通りに……『この雨よ、深海から拓真さんを守る盾となり、私の力となって、このバグを消し去りなさい!』」

深海が手をかざすと、キャンパスに降り注ぐすべての雨水が、まるで生き物のように渦を巻き、巨大な水龍となって『レイニー・スクリプト』に襲いかかりました。

怪物は水龍に飲み込まれ、内側から浄化の魔力で分解されていきます。もはやそれは汚染の元ではなく、キャンパスを潤す祝福の雨となっていました。

バグの残滓は断末魔すら上げられず、さらさらと消えていき――最後に残ったのは、梅雨の晴れ間にキラキラと光る、美しい水たまりだけでした。

◇◇◇

キャンパスを縛っていたループ空間が解け、正門からは本来の姿の学生たちが笑いながら歩いてきます。時計塔の針も、正常な時間へと戻りました。

「やれやれ。これで梅雨の鬱陶しい雨も、ただの気象データに戻ったな」

拓真がそう言って空を見上げると、厚い雲の隙間から、ほんの一瞬だけ眩い太陽の光が差し込みました。深海もその光を見上げ、満足げに微笑みます。

「はい! これで講義の資料も濡れずに済みますね。拓真さん、やっぱりあなたは最高の記述者マスターです!」

鏡真も影の中から姿を現し、静かに頷いています。

『……見事な再定義でした。マスター。これでキャンパスの安全性は、より強固なものとなりました』



前世のバッドエンドを、今の仲間たちの力で「恵みの雨」へと書き換える。これぞ2周目の余裕、圧倒的なデバッグ・プレイングです。

これにて、第9話――属性変換・デバッグ完了です!



【ゲーム結果】

探索者: 拓真(21歳・2周目)

結果: 生還(雨水の属性を反転し、汚染を浄化)

獲得報酬:

【新規スキル:『雨の浄化レイン・パージ』】

効果:今後の雨の日のセッション中、拓真は「自身の周囲の半径5mを、デバフ効果無効の聖域(深海の加護による防壁)」として展開できるようになった。

AIが言うに、次が中盤戦とのこと。

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